【インタビュー】Mana × Közi、MALICE MIZERを語る「Kamiの約束が実現できる」

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■“薔薇と髭”って言われ方をしてましたから
■革命的だったと思います

──メジャーデビューシングル「ヴェル・エール 〜空白の瞬間の中で〜」(1997年発表)はミュージックビデオが7分以上にも及ぶショートムービーのようで凝りに凝っていたし、初の渋谷公会堂ライブの中世ヨーロッパ風セットも忘れられません。

Mana:初めて世にガツンと出たVHSが渋谷公会堂のライブで……当時はDVDでも当然Blu-rayでもなく、まだVHSでしたね(笑)。あのときはバンパイアが好きだったので、Yu〜ki伯爵は完全にバンパイアだったし、みんなが好きな世界をより立体的に徹底的に表現しようと思ってました。あのライブでYu〜kiちゃんはまさかの宙を飛ぶんですよ(笑)。

──そうそう、驚きました(笑)。

Mana:たぶんバンドのライブを見に行ったというよりも舞台──お客さんはミュージカルを見てるような錯覚に陥ったんじゃないですかね。バンドでしっかり演奏する曲とパフォーマンスする曲をうまくミックスして。

──構築された演奏とシアトリカルな要素が混ざりあっていて。今でいうエンターテインメント的要素は意識していたんでしょうか?

Mana:はい、かなり意識していました。

Közi:中途半端な感じではなく。さっきManaちゃんが言ったように、賛否が別れるくらいに行ききったほうが逆にいいみたいな。

Mana:やるなら突き抜けようと。Köziはメジャーデビューの時はアフロヘアーでしたからね(笑)。

Közi:最初は抵抗あったけどね(笑)。ピエロのイメージで行こうっていうところからのアフロでした。

Mana:でも普通なら、メイクはピエロでも髪はロックっぽくしますけどね。

Közi:まぁ、そこも行ききったほうが面白いかなと(笑)。

Mana:Yu〜kiちゃんも初期の頃から髭ですけど、綺麗に見せるのが当たり前なヴィジュアル系で髭を生やすってこと自体、あり得なかったですからね(笑)。ヴィジュアルショックはあったと思います。

──最初に雑誌で写真を見たときは「え? 髭のメンバーいるんだけど……」って衝撃的でした。

Mana:当時、MALICE MIZERは“薔薇と髭”って言われ方をしてましたから(笑)。

Közi:「あの薔薇と髭のバンドでしょ?」って(笑)。

Mana:革命的だったと思います。僕は究極の女形を突き詰めようと思って、初期の頃から身につけるものは全部女性モノでした。

──アクセサリーを含めて徹底してましたね。

Mana:アクセサリーから下着まで。ヴィジュアルが女性なのに下着は男モノっていうのも違うでしょ。当時はよく本当に女性だと思われてたんですよ、「バンドに1人、女の人いるよね」って。名前もManaだし。

──ステージ上でしゃべることがなかったから、見た目は完全に女性ですよね。言葉を発さないというのも最初から決めていたんですか?

Mana:初期はそこまで決めていなかったんですけど、バンドの方向性が見えてきた頃にそのほうがいいなと。

──MALICE MIZERの登場後は、女形のメンバーがいるヴィジュアル系バンドも増えました。

Mana:ああ、そうかもしれませんね。そのほうがバランスがいいっていう雰囲気になったのかもしれないですね。

──エレガントなのにステージでギターをガンガンに弾く姿も新鮮でした。

Mana:初めて見る人はビックリしたと思います(笑)。


──では、開催間近の<Deep Sanctuary Ⅵ 〜MALICE MIZER 25th Anniversary Special〜>の内容にさらに迫っていきたいと思うのですが、まずはMoi dix MoisとZIZについて。お2人が現在やっていらっしゃるプロジェクトはMALICE MIZERでの活動の経験値を経て、変化や深化を遂げているのではないかと思います。

Mana:Moi dix Moisはバンドのようであってバンドではなく、僕のソロプロジェクトなので、作詞、作曲、編曲は全部自分がやっています。違うのは、MALICE MIZERってヘヴィメタルなイメージは全くなく、中世クラシックの世界だと思うんですけど、実は僕個人は10代の頃、すごくメタルが好きだったんです。シンフォニックメタル、ゴシックメタル、ブラックメタル、スラッシュメタルなど、MALICE MIZER時代は封印してた、僕ががっつり好きだったサウンドをMoi dix Moisでは解禁しています。

──でも、Moi dix Moisにもエレガンスな雰囲気はありますよね。

Mana:そうですね。エレガントな部分は引き継ぎつつ。MALICE MIZERは曲によってはカラフルだったんですけど、Moi dix Moisは漆黒、ダーク、シンフォニック。それに速い曲が多い。今、新曲をたくさん作っているんですけど、それらはライブでかなり披露していて、今後へ向けてアルバム制作を進めています。

──KöziさんのZIZはバンドサウンドを全面に押し出していますね。

Közi:ZIZは完全にバンドです。メンバー5人それぞれが曲を作るので、毎回みんなで持ち寄って音源にパッケージしているんですけど、あえてコンセプトは立ててないんですね。自分がギター弾きながら歌っているんですが、俺の声が乗っかればZIZになるのかなっていうのが最近なんとなく見えてきたので、音に関する制約はないです。ノンジャンルがジャンルみたいな。

──8月25日にはミニアルバム『LIQUID STUNT FLAVOR』がリリースされるそうですが。

Közi:前回のミニアルバム(『テヅルモヅル No.5』)以上に“闇鍋”の世界が炸裂していると思います(笑)。いろいろなタイプの曲があるので。

──そこにもMALICE MIZERで培ってきたものは反映されていますか?

Közi:もちろん。ただManaちゃんは昔からガツッとした世界観をお持ちの方なので。

Mana:ははは。基本的に変わらないからね。

Közi:俺の場合、MALICE MIZERの頃から“Köziはこう”っていうのがなくて。

──尖っていてロックなイメージはありましたけどね。

Közi:それもザックリとしたものじゃないですか。昔から雑多にいろいろな音楽が好きで、今もそれは変わらないからZIZでもメンバーが持ってくる曲を「面白いね」ってのっかっていけるみたいな。

──ただ、Köziさんの歌だったりメロディが中心にある音楽ですよ。

Közi:そのへんはたぶんMALICE MIZERの頃から培われたメロディなんですかね。歌メロを考えると自然とバンドアレンジはそうなるんですよね。

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