【ライブレポート】千聖×ZIGGY、2マンでロックンロール・スピリッツ爆発

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千聖とZIGGYによる2マンライブ<千聖 / Crack6 “究 ~千聖 > Crack6~” 【千聖・ZIGGY 2MAN LIVE】>が8月10日、東京・LIQUIDROOMで行われた。以下、オフィシャルレポートをお届けする。

◆ライブ画像(全12枚)

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偉大なるロックンロール・マジック、ここにあり。この夜、我々の目前で繰り広げられた華やかなる競演は、そのことを実感させる豪華にして充実した内容を呈していた。

今年2018年6月に、千聖ソロワークとソロプロジェクト・Crack6によるスプリットシングル「ジキルの空 / MAD RIDER」を発表した千聖が、来たる8月25日まで続く<千聖 / Crack6 ワンマンTOUR 2018 『ジキルとMAD RIDER』“究 ~千聖 > Crack6~”>の一環として、このたび恵比寿LIQUIDROOMにて行ったのは、なんとZIGGYとの2マンライブ。

なんでも、千聖とZIGGYの森重樹一はかねてよりプライベートでの親交があったばかりか、千聖主催のイベントに森重がゲスト参加をしたり、前述のスプリットシングル「ジキルの空 / MAD RIDER」においては、カップリング曲「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」の作詞を森重が手掛けているなど、近年とても良いミュージシャンシップにてつながれている関係性であるのだとか。とはいえ、世代も違えばたどってきた道程もそれぞれに違う千聖とZIGGYが、果たしてひとつのステージ上でいかなるパフォーマンス対決を織りなしてくれるのか。この日、この場に集まったオーディエンスたちにとってはそこが最大の焦点であったに違いない。


そんな中、今宵の一手をまず先に打つこととなったのは、意外にも30年以上のキャリアを持つZIGGYの方だった。しかも、1曲目として選ばれていたのは1988年にシングルリリースされたのち、翌89年に某トレンディドラマの主題歌として起用されヒットチューンとなった、あの「GLORIA」だ。しかも、矢継ぎ早にこのあと演奏されたのはこれまた名曲の「I'M GETTIN' BLUE」。いきなりのキラーチューン連発は、場内に詰めかけていた音楽ファン、ロックファンからすれば完全なる垂涎ものでしかなく、場内のテンションがここで一気にフルボルテージへと達したことは言うまでもないだろう。

「Yeah!ついにこの日が来たぜ! いやー、ここはいい会場なんだよ。俺は去年、マイケル・モンローさんをここに観に来ましたし。そして、今日は千聖くんとの2マンということでね。楽しくやらせてもらおうと思ってますので、宜しくお願いします!」

この激しい猛暑の中にあっても、あくまでヒョウ柄ジャケットを粋に着こなす森重の徹底したロックンロール・スピリッツは、今宵もやはり健在だ。なお、この最初のMCでは先日ZIGGYが次なるフルアルバムのレコーディングを完了させ、その作品が10月24日にリリースされるとインフォメーションされたことも、ここに付記しておきたい。ちなみに、アルバムタイトルは『ROCK SHOW』と決まったそうで、これは1970年代後半から1988年にかけて刊行されていたロック雑誌名からとったものであるとのこと。


「このご時世にフルアルバムを作れるなんて、とてもありがたいことです。俺、実は今月で55歳になるんですけどね(笑)。そんな僕が中学生の頃に読んでいたのが、『ROCK SHOW』という雑誌だったんです。そこに載っていた、たくさんのロックミュージシャンたちに憧れていた僕は、記事の切り抜きを下敷きの中に入れていつも学校に通ってました(笑)。今回はその頃のことをイメージしながら作ったんですけど、「こんなZIGGYは聴いたことがない」というくらいに本当にイイものが出来たので、どうぞ秋までもう少し楽しみにしててください!」

ということで、ここでは『ROCK SHOW』からの新曲「この夜の向こうへ」がいちはやく披露される嬉しい一幕も。そのうえ、まさにこの季節にピッタリな「翳りゆく夏に」や、「STAY GOLD」では森重が12弦エレアコギターを奏でながら歌ってみせる場面があったほか、軽快なピアノロック的なアプローチでの「La Vie en Rose」、 さらには観衆とのかけあいでおおいに盛り上がった「WHISKY, R&R AND WOMEN」などなど、ZIGGYはロックンロールの醍醐味をぎゅっと集約させたようなステージングを見せつけてくれることとあいなった。


本人も明言していたとおり、この夏でアラフィフを経ていよいよアラ還に突入しつつあるという森重だが、そのたっぷりとした声量と色気のあるヴォーカリゼイションは彼が20代・30代の頃と遜色がないどころか、むしろ深みと説得力をより増している印象を受けたほど。趣味で続けているという自転車で1日に何十キロも走ったり、なんならこの日も暑い中を会場までしっかりと漕いできたというだけあって、身体のフォルムも相変わらずシャープなまま。枯れることなく、緩むこともなく、いつもまでもワイルド・サイドを歩き続けるロックンロール・レジェンドの姿が、そこには在ったのだ。

では、そんな強敵ともいえる大先輩を迎え撃つ千聖の方はといえば? 確かに、キャリアでいえば彼の方がまだ短いことにはなるが、それでも去年にはソロデビュー20周年を記念して『千聖~CHISATO~ 20th ANNIVERSARY BEST ALBUM「Can you Rock?!」』と題した、セルフカバーベストアルバムを出しているのも事実。今回のライブでも、しょっぱなの「VENUS ~XX ver.~」をはじめとして、基本的にはそこに収録されていた楽曲たちを軸にしながら、ソロアーティストとしてここまで積み上げてきたものをライブの中でいかんなく発揮してくれていたように思う。

「こんばんは。あらためましてZIGGYのファンの皆さん、千聖といいます。宜しくお願いします! 初めての方もいらっしゃると思いますが、普段わたしはPENICILLINというバンドでギターを弾いていまして、ソロ活動もしているので歌もやってはいるんですが、本当なら森重さんの後に歌わせていただくなどというのは、非常に図々しい話なんですが、今回のライブについてお話をさせていただいた時に、森重さんから「いいじゃん。先にやらせてもらうから、後からさらに盛り上げてよ!」というありがたいお言葉をいただきまして、こうしてやらせていただいてます!」


通常モードからすると、千聖の話し方にだいぶ謙虚な姿勢が垣間見られるのは、何もこちらの気のせいではなかったはず(笑)。確かに、あれだけ森重が完膚なきまでのライブを繰り広げた後、この場に出てくるのにあたっては、それ相当のプレッシャーがあったことは想像に難くない。

「えー。ZIGGYファンの皆さんにここでひとつ申し上げておきますと、ひとつ確実なのは僕もZIGGYの音楽を“聴いていた”側です。さっき、「GLORIA」をこの場で聴けた瞬間には思わず涙しましたよ。出来たら、ほかにも「Jealousy」とか聴きたかったなぁ(笑)。「SING MY SONG」とかね。僕、高校3年生の文化祭のときには、「EASTSIDE WESTSIDE」をカバーさせてもらったこともあります。ですから、こうしてタイバンさせていただけるのは非常に光栄です。ありがとうございます!」

ZIGGYのファンからも、千聖のファンからも、ここでは温かい拍手が彼に向けて贈られることに。ただ、このあとにはちょっとばかり残念なお知らせがもたらされることにもなってしまったのだった。

「初めての方もいるということで、あらかじめ説明をさせていただきますと、わたくし実は頚椎ヘルニアというものになってしまいまして、今どうしてもギターがあんまりちゃんと弾けないんですね。普段ならあと3割増しくらいで上手く弾けるんですが(笑)、そこはどうかナマぬるい眼で見守っていただけますと幸いです!」

逆境をも軽妙なトークでさらりと切り抜けてみせるあたりは、さすが千聖らしい。それに、この言葉が出る前に演奏された「電撃ミサイル2000 ~XX ver.~」ではタッピングソロなども流麗にキメていたため、まさか彼のパフォーマンスが当社比3割減(!?)であったとはとても思えなかったのだ。


最新シングルに収録されている攻撃的で鋭角的な「MAD RIDER」や、どこか乾いた異国情緒の漂う「ジキルの空」も含めて、今宵の彼は最新形の千聖の魅力を存分に我々へと伝えてくれていた、と断言していい。かくして、両者の甲乙つけがたい素晴らしいロックショウが展開された今宵だが、このあとのアンコールには待望のプレゼンテーションも用意されていた。そう、ZIGGYと千聖による大セッションが行われたのだ!

ZIGGY好きであった千聖が、R&RおよびHRへのリスペクトの念を込めて作ったという「KICK! ~XX ver.~」や、このたび森重とコラボして作った「MONSTERS OF ROCK NIGHT SHOW!」が聴けた場面といい。かと思えば、曲と曲の合間に森重の発案で突如ZIGGY側のドラマー・CHARGEEEEEE…と千聖側のドラマー・O-JIROによる、Mötley Crüeの「LIVE WIRE」を題材としたカウベルプレイ対決が勃発したくだりといい。また、先ほどのMCで千聖が具体的に曲名を出していた、ZIGGYの「SING MY SONG」と「EASTSIDE WESTSIDE」がオーラスに演奏され、ことあるごとにふたりが1本のマイクを前にともに歌う貴重な姿が観られたことといい。

今回の2マンでは、随所に希有なるロックンロール・マジックが満ち溢れていたことになる。千聖とZIGGYの熱きロックンロール・スピリッツに乾杯!


文◎杉江由紀
撮影◎堅田ひとみ

千聖 ライブ情報

<千聖 / Crack6 ワンマンTOUR 2018 ジキルとMAD RIDER “究 ~千聖 > Crack6~”>
2018年
8月18日(土)大阪・OSAKA MUSE【究 ~千聖2018 ザ・セミファイナル~】
8月25日(土)東京・ 新宿ReNY【究~千聖2018 ザ・ファイナル~】

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