【短期集中連載】第三回・BugLug将海の“解体新書”

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BugLugが9月1日に日比谷野外大音楽堂で開催するワンマンライブ<KAI•TAI•SHIN•SHO>へ向けて実施しているメンバーソロインタビュー。第三回は将海(Dr)の登場だ。冷静に自身を見つめ直しつつ語ってくれた、彼の思いに触れて欲しい。

   ◆   ◆   ◆

■BugLugは自分含めてクズの集まり
■人間のクズだからいい

――今、野音に向けて将海くん自身が考えてることってありますか? こういうライヴがしたい、とか。

将海:そうっすね……。あの、今回の野音は新しいアルバムを出してから初めての大舞台になるんですよ。それまでアルバムのツアーは小バコだったんで、野音は曲の演出とか含めて色々やれたらいいなと思ってますけど。

――ちなみに将海自身はどっちが好きですか? ホールとライブハウスだったら。

将海:俺は断然小バコっすね。大抵の人はたくさんの人に観てもらいたくて大舞台とかホールって言うと思うんですけど、俺的には狭いハコのほうが熱量あって好きですね。舞台が大きくなっちゃうとどうしても距離ができちゃうし、こっちの思いが届かない時もあって。もちろん演出を入れてお客さんを楽しませるのも好きだし、そこでしかできないこともあるとは思うけど、個人的には小バコの素舞台でやってるほうが性に合ってるというか。

――そういえば初めてBugLugのライブで将海くんのプレイを観た時、もともとあったバンドのイメージと違ってたんですね。

将海:どう違ってたんですか?

――ホールよりライヴハウスの汗くさい感じとか暑苦しさみたいなのが似合うバンドだなって。で、そういうバンドにふさわしいやかましいドラムを叩く人がいて(笑)。

将海:ははははは。そうっすね。

――見た目もノリも良くて明るいイメージだったけど、バンドの本質は違うと思ったんです。

将海:そうですね。でも最初の頃はそういう表面的な部分しか見てもらえないのが嫌でしたね。それこそ商売って表面だけしか見られないこともあるじゃないですか。本質というか自分の素の部分で勝負したくても、フィルターみたいなものを自分にかけないといけない事もあるし。

――じゃあなんでキミはこんな世界にいるんだっていう話ですけど(笑)。

将海:単純に音楽が好きで、バンドが好きなんですよ。で、それに付随したいろんなものが色々あるっていう。だから昔は表面的なことを気にしたり考えたりしたくなかったんだけど、今はそういうことも楽しめるようになってきてます。それを自分自身が楽しめれば、観てる人も楽しくなるだろうって。だから性に合ってるのは余計なものがない小バコのライブなんだけど、大きい舞台で演出込みでやるのも今は楽しめてますね。

――将海くんにとってバンドとは、自分自身がどれだけ楽しめるかが大事だと?

将海:大事ですね。でも「楽しさ」って一言で言ったら和気藹々みたいなイメージだけど、自分が思うに、「楽しい」っていう感情は喜怒哀楽の中で一番幅広いっていうか、抽象的な感じがするんですよ。例えば今回のアルバムは「喜怒哀楽」をテーマにしてて、アルバムのツアーもそれをテーマに廻ってみると、お客さんの楽しみ方も人それぞれなんだなって。

――小バコだとより楽しんでる様子がわかりますもんね。

将海:そうそう。ボーッと観てる人もいればいっぱい動いて楽しんだり笑ってる人もいる。そういうのが小バコだとすごい目に付くんですよね。だから楽しみ方っていろいろあるんだなって思って。それを踏まえて野音は楽しめるものにしたいと思ってるんですけど。

▲将海(Dr)

――もともとBugLugは楽しくやることが真ん中にあるバンドだと思うんですね。でも実際には楽しいどころか存続の危機があったり。それでもバンドが終わらずに、今でも楽しくあろうとしてるのはどうしてだと思います?

将海:いろんな要素があると思うんですけど、一番大部分を占めてるのは……「なんとかなんじゃねぇかな」っていう(笑)。

――(笑)。

将海:僕の人生観もそうなんですよ、「なんとかなんじゃねぇか」っていうのが根本にあって。そう思ってきたからこそ今もあると思うし。なんにしても、今悩んでることのほとんどは、たぶん時間が解決してくれるっていうか。むしろ「これはどうにもならねえ」みたいなことってあんまりないような気がするんですよ。

――その考え方はこのバンドをやる前から?

将海:ずーっとそうですね。ノープランで猪突猛進じゃないけど、基本「失敗して当然でしょ」みたいなところがあって。それがよく言われる根拠のない自信ってヤツなのか何なのか、自分でもわかんないんですけど。

――それって自分にとって人生観みたいなものですか?

将海:そうですね。俺の場合、若い頃からいろんな仕事とか人との出会いを通じて自分の人生観が完成されちゃったところがあって。なんかこう……世の中にはいろんな人がいるじゃないですか。そういう人と出会ったり話をしたりしてるうちに、自分が悩んでることなんてショボいなって思ったんですよ。自分では想像できないくらい苦しいことだったり辛い目に遭ってる人がたぶん世の中にはいっぱいいて、そういう人と自分を比べたら、俺なんて大概のことはどうにかなるんじゃねえかって思って。

――そういう考え方をする自分だから、このバンドをやってるんだと思います?

将海:そう……なのかな?

――単なる能天気なバンドじゃないと思うんですよ。楽しくバンドをやれればそれでいいはずなんだけど、「楽しくやる」ことの大変さを味わった今があるわけで。

将海:うん、そうですね。

――そういう将海くんみたいな人生観がないと、本当の意味で楽しくバンドを続けることって難しいような気がします。

将海:個人的に思うのは、表面的なところばっかり見られがちなシーンだからこそ、その中身というか人間味みたいなものが垣間見えることが大事なんじゃねえかなって思うんですよ。で、そこに関してはこのバンドはちゃんと中身があるような気がする。ただカッコつけてるだけじゃないし、アホみたいなことを言ったりやったりもする。それでも曲がちゃんとしてるっていうか。最近僕、UNICORNみたいなバンドになりたいと思ってて。

――どうしてUNICORNなんですか?

将海:失礼かもしれないけど、UNICORNって昔はカッコつけてたと思うし、音楽もカッコいい感じで、面白い曲もあったけど。で、歳をとってからはどんどん自由さが増してなんでもありというか、自由を楽しんでるバンドだなって。自分もそういうバンドになりたいなと思ってるんですよ。

――今のUNICORNがバンドの楽しさとか自由を満喫してるのは、一回終わったバンドだからだと思うんですね。バンドを失った経験があるがゆえのバンドのあり方というか。再集結したTHE YELLOW MONKEYもそうだけど。

将海:なるほど、そうですよね。だから楽しくやってるうちは気づけないというか。それにウチらが気づかされたのが一聖の怪我ですよね。アイツが怪我した時は「バンド終わるんだろうな」ってちょっと思って。「でもしょうがないよな」って。わざととかじゃなくて事故なんで、別に責める気もないし、こういう人生だったんだろうなって思ったんだけど。

――でも復活して。

将海:それこそゲームみたいにですよ(笑)。「マジかよ」っていう感じで。そこからですよね、なんか肩の荷が下りたっていうか、バンドっていつ終わるかわかんないだから、もっと自由に楽しくやろうって思えるようになったのは。そういうふうに考えるようになってから、いろんなものの見え方が変わってきて、今は自分らしさを上手く出せるようになってますね。まぁ出しすぎるのもアレなんで、そこはバランスを取らないといけないんだけど(笑)。

――ただ能天気に楽しくやってるだけじゃダメだと思うんですよ。それこそ将海くんの人生観じゃないけど、バンドの楽しさって苦しいこととか辛いことと表裏一体というか。で、47都道府県ツアーのファイナルは、バンドが危機を乗り越えたところにある楽しさに溢れていたと思います。

将海:ありがとうございます。何でもそうだと思うんですけど、表面だけの楽しさって、バレる人にはバレると思うんですよ。だから僕自身がバンドを楽しめてないと、それを観ている人も楽しめないと思うし。だからバンドに限らず、誰かに何か言われて我慢してるぐらいだったら、自分がやりたいって思ったことに対してちゃんと筋を通してやるほうがいいと思ってて。

――それはそれで楽しくないことがあると思いますけど。

将海:もちろんその中で気にくわないことも出てくるとは思うんですよ。でも、僕はそこで誰かに言われてやるよりはそっちのストレスのほうが少ないんじゃないかなって思ってるからバンドをやってるわけで。そういう根本の部分と楽しくやることってイコールなんじゃないかと思います。

――そういう自分のバンドにおける立ち位置や役割ってどういうものだと思ってます?

将海:えっと……アドバイザー?(笑)。5人で話してると意見が食い違ったり話し合いが行き詰まったりするじゃないですか。そういう時にみんなの意見をまとめることで解決策を出す役割ですかね。みんな、どんどん脱線して行くんですよ、話し合ってると。だからそれを戻して「つまり、まとめるとこういうことなんじゃないの?」って。それぐらいみんな曲者でバラバラなんですよ。

――そんなメンバーのことをどう思います?

将海:やっぱり自分にないもの発想とか考えが出てくる時は面白いですよね。「こいつらヤベェな」みたいな(笑)。

――(笑)。

将海:基本BugLugは自分含めてクズの集まりだと思ってるんですけど、人間のクズだからいいんじゃないかなって。やっぱりできた人間はつまんないっていうか、癖のある人間のほうが楽しいなって。

――それだけ人間味があるってことですよね。「クズ」っていうと誤解を招きそうだから言い換えますけど。

将海:や、クズでいいですよ。クズの集まり(笑)。だから面白いんですよ。

取材・文◎樋口靖幸(音楽と人)

<BugLugワンマンライブ「KAI・TAI・SHIN・SHO」>

9月1日(土)日比谷野外大音楽堂
開場 17:00/開演 18:00
チケット 前売¥5000/当日¥6,000

一般発売中
・チケットぴあhttp://w.pia.jp/t/buglug/
・ローソンチケットhttp://l-tike.com/buglug/
・イープラスhttp://eplus.jp/buglug/

(問)NEXTROAD 03-5114-7444(平日12:00~18:00)

<BPR vs レジレコ TOUR「シバきあい!!」>

8月19日(日)福岡DRUM LOGOS
8月26日(日)Zepp Tokyo

【出演】
BugLug/DOG inTheパラレルワールドオーケストラ/Blu-BiLLioN/己龍/Royz/コドモドラゴン

チケット一般発売中:¥4,800(税込/ドリンク代別)

シバきあい!!特設サイト
http://shibakiai.com/

(問)NEXTROAD 03-5114-7444(平日12:00~18:00)

◆BugLug オフィシャルサイト
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