【対談】風弥 -Kazami- (DaizyStripper) × みのり(まなみのりさ)、異彩の3者がチャリティー曲「ちぃたん☆の気持ち」で以心伝心

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■「ちぃたん☆の気持ち」の歌は全部挑戦(笑)
■引き出してもらった感じです──みのり

──みのりさんには事前にそういう楽曲のイメージを伝えたり?

風弥:あえて伝えなかったんです。スタッフを介して、みのりさんにお渡しした音源は、ほぼピアノとメロディーのみ。仮歌も入れてない状態だったんですけど、歌ってもらったボーカルトラックを聴いた時に「これ!」っていう感触があって。

みのり:ふふふ。嬉しいです(笑)。

風弥:言葉にするのが難しいんですけど……、耳元で“こうなんだよ”って言っているような歌い方。決して歌声が遠くではない。普段、部屋で飼い主とペットが居て、体が触れているような距離感。そういう歌声だったから“これはきっとみんな共感してくれるんじゃないかな”と思いました。これ、言っていいのかな?……実はiPhoneのボイスレコーダーで録った歌なんですよ。

みのり:はい。自分の部屋で、iPhoneに向かって録音しました。

──だから耳元で歌ってるような、寄り添う感じになったんですかね。でも、しっかり奥行き感はあるという。

みのり:普段レコーディングって、スタジオのボーカルブースで録音するじゃないですか。そういう時ってやっぱり、いろいろなスタッフの方々もいらっしゃるし、緊張感があって歌声が硬くなったりするんです。でも、今回は自分の部屋で一人で録ったので、めっちゃリラックスできました。だからこそ、おっしゃってくださったみたいに、寄り添う感じで、体温のわかるくらいの距離感で歌っている感じが表現できたのかなと思います。

──それって、風弥さんの狙いですか?

風弥:僕も普段曲作りの時に、夕霧の家でiPhoneに仮歌を入れてもらうことがあるんですよ。それをそのまま作品として出したりすることもたまにある。だから、何か特別な機材を使ったわけでなく。むしろそういう環境だったからこそ、心に近い感じが録れたんだと思います。

──ご自宅で歌われたということは、ディレクションもご自身で行ったということだと思うのですが、どういう歌にしようと?

みのり:私、いつもは踊りながら歌う曲がほとんどなので“声を張る”感じだったというか。今まであまりバラードを歌ったことがなかったんです。なので、こういう歌い方をしたのも今回が初めてで。

風弥:そうなんだ? でも、率直にみのりさんの歌声、いいなと思いましたよ。

みのり:ありがとうございます(笑)。歌詞とかメロディーの感じに合うように、伝えるように、ということを意識しながら歌ったんですね。

風弥:まなみのりさの楽曲も事前にいろいろと聴かせてもらっていたので、上手いっていうのは当たり前のことですけど、みのりさんの声って3Dというかね。あんまり3Dの表現ができる人っていないんですよ。歌っている表情が見える。“今、笑っている。今、泣いている”──それが声で伝わってくるんです。

──歌の表現という意味では、後半のリズムがアッパーになるところは表情もまた変わって。

みのり:そこの歌詞は、飼い主にイタズラとかしている感じなので、それまでの柔らかい感じとちょっとだけ表情を変えたんですけど。結構挑戦した部分でもあります。

──最後のほうのファルセットやフェイクはR&B的なニュアンスもあります。

みのり:はい。多分、今まで歌ったなかでも音程が一番高いです。“うわうわ、ヤバイ!高い!”と思いながらも出来たので、“あれ? 私、こんな音域も歌えるんだ”って(笑)。

風弥:いやいや。“普段からいろんな歌を歌ってるんだな”って、僕はあのトラックを聴いて思ったくらいだったから。

──「ちぃたん☆の気持ち」という曲に、ボーカリストみのりさんの新たな一面が引き出されたと言ってもよさそうですね。

みのり:そうですそうです。歌ったことのないようなバラードだし、出したことのないような音域だったので、全部挑戦(笑)。この曲を歌って事務所の社長から「新しい発見ができた」と言われたんで、本当に引き出してもらった感じです。

風弥:やっぱり声に導かれるメロディーってあるんです。その人の持つ雰囲気とか声のイメージとか人柄とか、そういうものにインスピレーションを受けて旋律やテンポ感が出てくる。

──風弥さんにとっても、みのりさんに引き出された楽曲だという。

風弥:それは間違いないです。基本的に、僕の部屋で弾いたピアノそのままだし、みのりさんの部屋で歌った歌もそのまま。だから、何か特別なことって一切ないんですけど、そこから新しいものが生まれたのは嬉しいですね。

──直接話すのは今日が初めてだというのに、その前から見事なコンビネーションが生まれていたんですね(笑)。

風弥:僕自身もそう思っていて。普段、ほかの人に楽曲を提供することもあるんですが、一回も会わないで完成させるってことは基本的にないんです。今回初めての経験なんですけど、初対面という感じがしないんですよ。楽曲制作作業上、全部しっくりきちゃったから、勝手に、以前から知っている人になってる(笑)。

みのり:うんうん。その感じが音に表れていたら嬉しいですね。

風弥:もう音でわかり合っている。それが、この曲の魅力のひとつになったかな。

──この曲はピアノと歌をメインに、味付けとしてウインドウチャイムやストリングスも入ってますが、イントロとアウトロに入ってる鳴き声のようなものは、もうひとりの制作者?

風弥:はい、ちぃたん☆の鳴き声です(笑)。あの“キュルルル”って鳴き声に、この歌詞のストーリーが全て入っているんじゃないかと。ちぃたん☆全面協力です(笑)。

──動画にもちぃたん☆が参加してますね。

風弥:はい。かわいいですよね。そういえば、ちぃたん☆に会いました?

みのり:まだです。

風弥:じゃあ今度、会いに行きましょう。

──いいですね(笑)。3者の音が合わさって、チャリティソング「ちぃたん☆の気持ち」が完成したわけですけど、この先、おふたりの発展系コラボにも期待が高まります。まなみのりさは生バンドとのセッション経験もあるんですよね?

みのり:はい、やったことがあります。アコースティックライブとかもするので、やっぱり生の楽器と一緒にやるのは全然違いますよね。楽しい。

風弥:僕も「ちぃたん☆の気持ち」を作ってみて、これだけ素晴らしい歌だと“あれ? 俺の曲いいな”となるわけですよ(笑)。みのりさんだったり、まなみのりさだったり、コラボレーションさせていただけたらという気持ちはすごく強いです。

みのり:新しい自分を引き出してくださった方なので、是非お願いします。

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