【ライブレポート】[ALEXANDROS]、3万5000人に届けた真夏の<VIP PARTY>

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[ALEXANDROS]が8月16日、千葉・ZOZOマリンスタジアムにて<VIP PARTY 2018>を行なった。

◆ライブ画像(全10枚)

<VIP PARTY>は、彼らがファン感謝祭的なイベントとして2012年から毎年行なっているスペシャルライブ。日本武道館や大阪城ホール、日本ガイシホールなどでの開催を経て、今回は過去最大規模の会場が選ばれたがチケットはソールドアウトし、3万5000人が集結した。

あたりが薄暗くなってきた頃、ストリングセクションの生演奏からライブがスタート。庄村聡泰(Dr)、磯部寛之(B&Cho)、白井眞輝(G)が順に登場して音を重ね、アリーナ後方から現れた川上洋平(Vo&G)は、アリーナ中央から伸びる花道を通ってステージへ到着する。1曲目はメジャー1stシングル曲「ワタリドリ」だった。屋根が無いこの会場で、川上の極上のファルセットはどこまでも高く高く飛んでいく。


「ワタリドリ」の演奏終了と同時に噴射された、大量のスモークにまぎれてメンバーが一度姿を消すと、これまでの<Premium V.I.P. Party>(※2018年から<VIP PARTY>と表記)の模様を切りとったオープニング映像が上映された。観客がモニターに気を取られている間にメンバーはステージに戻り、ドラムのカウントをきっかけに「For Freedom」を投下。同曲は、改名前の[Champagne]として2010年1月に発表した1stアルバム『Where's My Potato?』の収録曲で、ここから、ほぼリリース時期に沿ったセットリストでライブが展開していった。

「ドロス史上最大にロックなVIP PARTYになるだろう」と宣言していた[ALEXANDROS]。その言葉どおり、磯部は吠えるような声で「行くぞ、マリンスタジアム!」と叫び、白井は「手はパーじゃない! こうだ!」と両手でメロイックサインを作り「いけるか千葉ー!」と全力で会場を煽る。庄村は言葉こそ発しないが、パフォーマンスから熱い気持ちがあふれていることがわかる。




そうして、8曲を駆け抜けたあと再び映像が上映された。「バンド名が変わります」と発表したライブと[ALEXANDROS]としての最初のライブ映像だ。映像内の川上が「Droshky!」とタイトルコールすると映像と現実が同期。目の前にいる[ALEXANDROS]による「Droshky!」の演奏が同時に始まるという演出に、大きな歓声が上がった。

8月16日の天気予報は、もともと雨だったが、直前に晴れに変わった。しかし中盤の「Run Away」のあたりから雨が降り始め、アリーナ中央に設けられたサブステージで演奏予定だった「リクエストコーナー」のときには、モニターにもはっきりと映るほどの雨が会場を濡らしていた。

スタッフが機材の雨対策を早急に行なうなか、川上は「“みんなのおかげで晴れましたー!” って言おうと思ったんだけど、雨降ってきました(笑)。でもそれもうちららしいかなと思います!」と笑う。10曲を披露する予定だった「リクエストコーナー」は雨の場合はサブステージを使わないで進行することになっていたが、ギリギリ可能という決定が下ったそうだ。そのため、「1曲でいいですかね?」と尋ねると「えー!?」とブーイングが起こり、少し焦った川上が「じゃあ3曲でいいですか? 3曲でいい人!」「じゃあ5曲!」と了解を得ようとするも、先ほどまでの歓声が嘘のように会場はシーン……と静まり返る。最終的に「わかりました、10曲やります! ダイジェストでやります!」と観客が粘り勝ちし、1位の「Leaving Grapefruits」はフルで、残りの楽曲はメドレー形式で披露された。


3位の「Starrrrrrr」はすでに演奏済みだったためメドレーからは除かれたが、観客の要望に応えて一瞬だけ披露。演奏が急に止まったあとに続けて合唱が起こったことについて、磯部は「急に(演奏を)止めたじゃん、いま。止めて、みんなが“え〜?”ってなってちょっと笑う、みたいなのを想像してたんだけど、感動しました、すばらしい。こんな大合唱起こると思わなかった、すごい」と喜びの声を上げる。

そして、「今年は初のスタジアム、野外ということで、やっぱり(天気)予報もあまり芳しくなくて。俺らだけじゃなくて、多分みなさんもてるてる坊主を作ってくれた人もいるかもしれないし、それぞれの方法で今日ちゃんと開催されることとか、いい空気でライブができることをみんな楽しみにしていて。これは俺らもスタッフさんも全員同じ想いで。スタッフさんは昨日の夜中から徹夜で我々のステージを組んでくれて、演出も何もかもやってくれています。本当にありがたいと思っています。こうやってみんな集まって楽しくライブができて俺は本当に嬉しいです。みなさんありがとうございます」と、無事ライブが開催できていることへの感謝を改めて伝えた。

終盤には、11月に発売予定のニューアルバムに収録される新曲「LAST MINUTE」もパフォーマンスされ、最新シングル曲「Mosquito Bite」で盛大なシンガロングを起こして本編が終了した。アンコールでは観客が自然にスマートフォンのライトを点灯させ、メンバーは「すっごい綺麗だね!」と感激。「(ライトを点灯させたまま演奏を)やってみたくない?」とその場で決定し、会場の照明を落とした状態で「ハナウタ」をフルで初披露し、最後に「お祭り騒ぎしましょうか!」という煽りから「Kick&Spin」を繰り出して演奏を締めくくった。


スタッフからシャンパングラスを渡され、乾杯する4人。強風により花火をあげる演出が中止になったことを明かした川上は、「花火以上のものをみなさんと一緒に演出できたらなと思います」とウェーブを提案して客席をぐるぐると5周させ、「ありがとうございました、[ALEXANDROS]でした! また、また必ずお会いしましょう!」と約束。去り際にはマイクを使わずに「愛してるぜZOZOマリン!」という言葉を贈ってステージを降りた。

この日、2019年3月からアリーナツアーを開催することが発表された。MC中に「もっと大きな会場でライブをしたい」と発言していた彼らの今後の活動がますます楽しみになった一夜だった。

取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)
撮影◎AZUSA TAKADA(1, 3, 5, 6枚目)、河本悠貴(2, 4, 7枚目)

セットリスト

1.ワタリドリ
2.For Freedom
3.city
4.Cat 2
5.Waitress, Waitress!
6.spy
7.Forever Young
8.Starrrrrrr
9.Droshky!
10.Run Away
11.Girl A
12.ムーンソング
13.Oblivion 〜 This Is Teenage 〜 Wanna Get Out 〜 Famous Day〜Kill Me If You Can 〜 Waterdrop 〜 Thunder 〜 Travel 〜 Leaving Grapefruits
14.LAST MINUTE
15.明日、また
16.I Don't Believe In You
17.Mosquito Bite

EN1.ハナウタ
EN2.Adventure
EN3.Kick&Spin

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