【インタビュー:SWAY】音楽に背中を押された少年が叶えた“夢”

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■SWAYというブランドをいろんな人にデザインしてもらうほうが、面白い

──「Unchained」はタイトル曲だし、すごく大事なメッセージが詰まった曲。

SWAY:プロデューサーのJIGGくんは、僕の憧れだったんですよ。SIMONくんが「Tequila, Gin Or Henny」でドーン!となって、札幌に来た時にバックDJをやったのがJIGGくんで、その頃自分はまだ駆け出しで、SIMONくんを車で、空港まで送迎させてもらった思い出があって。いろんな音楽の話をしてくれて、本当にJIGGくんは音楽の変態なんですよ(笑)。その後もいろんなアーティストのプロデュースをしていて、いつかやってもらいたいなと思っていたので。ようやく夢がかなって、一緒に曲を作ることになった時に、まず「ワイヤレス」というテーマをこっちから投げて、それをJIGGくんとSALUくんが形にしてくれて、「ワイヤレス」が「Unchained」になったんですね。すごくかっこよくなって、化けて返ってきました。

──そういう、うれしい驚きもあり。

SWAY:SALUくんの歌詞の世界観も、ドラマの台本を読んでいる感覚で、落ち着いた雰囲気から、急に攻撃的なサビになったり、「俺はいつかやってやる」と思っている一人の男の、少しずつ燃えていた炎が、サビで一気に爆発するというか。ストーリーを読んでいる感覚で、ずっと情景が見えてました。SALUくんはすごいです。

──SALUくんと共に「Never Say Goodbye」にフィーチャリングされてる、SHOKICHIくんも。ソロのファースト・アルバムで共演できるのは、感慨深いんじゃないですか。

SWAY:そうですね。僕のソロ活動を、本当に心から喜んでくれたのがSHOKICHIなので。二人の関係はすごく不思議で、ちょくちょく連絡を取るというよりは、たまに会う一回の飲みがすごくデカくなる感じなんですよ。常に「やったじゃん」と言ってくれるわけじゃないけど、節目節目で「やったね。マジうれしいよ」と言ってくれることが、本当にうれしくて。その喜びを得るために頑張れてる自分がいるというか、SHOKICHIが自分を東京に呼んでくれたんで、「SHOKICHIがとんでもない奴を連れてきた」って、周りの人に思われるためにも頑張りたいと思っていて。そういうふうに思える人って、本当に少ないんで。

──みんな、SWAYの人生に大きな関わりがある人たちが参加してる。AK-69も、Def Jamとのつながりを作ってくれた人の一人でしょう。

SWAY:そんなAKさんとは、もっと先の作品で一緒にやりたいと思ってたんですよ。シングルでSWAY×AK-69とか、そういうものを出せるように、もうちょっと成長して頑張っていこうと思ってたら、制作期間中にあるフェスの打ち上げで会った時に、「SWAY、なんで呼んでくれんの?」って言われて、逆にまずい方向に行ったかなと(笑)。

──あはは。リスペクトしすぎたのが裏目に出た。

SWAY:そこで「やらせてよ。俺、リリックも書くよ」「マジですか?」という会話があって。お酒の場でもあったんで、次の日に「本当にいいですか?」って確かめたら、「やろうよ」と言ってくれて、そこからですね。

──それが「XXX feat.AK-69&HIROOMI TOSAKA」。

SWAY:登坂くんは、自分がLDHに入る前にSHOKICHIが紹介してくれた時から、「一緒に何かやりたいね」という話をずっとしていたので。今回このタイミングで、しかもAK-69さんとのタッグなら、面白い曲になるんじゃないかと思いましたね。歌詞のテーマは僕が出して、このミラクルなコラボで、3人が交わった瞬間のXポイントと、SWAYがゼロからスタートして、ゴールを10だとすると10=Xで、そしていつか夢を叶える日を意味するXデーと、「三つのXをテーマに書いてもらえますか」ということで。夢に向かうために背中を押してもらうリリックを、AKさんからもらったと思ってますね。「自分に負けんなよ」という思いを書いてもらったと思います。



──自作のリリックは「Camouflage U」と「Never Say Goodbye」で、あとはテーマを出して書いてもらう。自分でリリックを書きたいと言うこだわりはないですか。

SWAY:ないわけではないですけど、自分もドーベルに入って4年目で、5人で曲を作る楽しみをそこで教えてもらいましたし、自分の表現したいリリックはそこで書かせてもらっていることもあるし。HONEST BOYZの活動もありますし、いろんなところでリリックを書かせてもらってる中で、ソロプロジェクトは、自分の生きざまを書く場所というよりは…自分が16歳でSWAYという名前でラップを始めて、その時立ち上げたのがSWAYというブランドだとしたら、10年以上たって「どうしたらSWAYをよりハイブランドにできるのか?」と思った時に、たとえば最近ルイ・ヴィトンで、黒人でヒップホップ出身のヴァージル・アブローがアーティスティック・ディレクターになったように、SWAYというブランドをいろんな人にデザインしてもらうほうが、面白いのかなと。

──そのたとえ、すごくよくわかる。

SWAY:SWAYというブランドに対して、「デザインしてみたい」と言ってくれる人がいるんだったら、ぜひ一緒にやってみたいんで、もっといろんな人にデザインしてもらうほうが面白いのかな?と。それはドーベルやオネストがあるからできることで、ちょっとした余裕なのかもしれないですけど。しかもそれがDef Jamであれば、もっと箔がつくし、面白いと思うんですね。

──SWAYはブランド、クリエイターはデザイナー。

SWAY:そうすることによって、自分ではできなかったアプローチができるし、描けなかった状況を描けるし、全然違いますね。それがすごく面白いし、「こういう新しい表現があるんだ」ということも勉強になるし、自分一人じゃ気づけなかったポイントがたくさんありますね。

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