ティーンスピリット代表tmiyachiが初めて語る、“新年号世代”女性ダンスボーカルグループ「SPECIAL NIGHT」の全貌とは

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■「こういうこともありなんだ」と思えることを増やしていきたい

──あと、SPECIAL NIGHTは、活動コンセプトに「境界線を曖昧にする(ことで生きやすい社会を創る)」というものを掲げていますよね。

tmiyachi:自分が音楽から受けた一番大きな影響は、思い込みを壊してくれたことなんですよね。「こういうのもありなんだ」という。それは主にロックやパンクから感じたものなんですが、やはりそういったものは、カウンターカルチャーというか、音楽のひとつの力だなと思っていて。

たとえば、仕事をオフィスでやるのかリモートワークでやるのか、契約形態が正社員なのか業務委託なのかみたいに、昔は比較的認められていなかった働き方がOKになったり、あとはLGBTといった性別のことや、日本円やドルではなく、ビットコインみたいな仮想通貨が出てきたりして。そういった第三世界というか、前まではここの世界じゃないと生きられなかったけど、別の世界もありで、その世界でもそれなりに生活ができるようになってきたということが、各レイヤーで起こっていると思っていて。

僕らとしては、「こういうこともありなんだ」と思えることを増やしていきたいんですよね。そのために今いろんな方法を考えているんですが、活動を通して、ファンの方が気が楽になったり、社会現象までいって世の中の雰囲気的に生きやすくなったら最高だなと思っています。

──音楽を用いて、社会をよくしていきたいと。

tmiyachi:そうです。僕らがやろうとしていることをたとえると、昔の劇団の立ち上げみたいなイメージなんですよね。ある叶えたい思想があって、表現活動をするという。それを、テクノロジーを使って、いろいろなことをしていこうと思っているんです。

もちろん音楽活動になるので、音源とライブで勝負していく形にはなるんですが、それに加えて、プロモーションや活動内容も「こういうことをするんだ?」「こういうこともありなんだ」と思えるようなことをしていこうと思っています。昔の話でいうなら、ジョン・レノンとオノ・ヨーコがベッドで寝ていて、世界平和を訴えたりとか。そういった、いわゆる音楽活動ではないことも含め、自分たちの思想に沿って活動していきたいです。

──今考えている音楽以外の活動というと、具体的にどんなものがありますか?

tmiyachi:VTuberなどのバーチャルタレントと、リアルタレントのSPECIAL NIGHTの融合みたいなものはもう進めていて、これは直近でできそうです。あとは、仮想通貨やトークンエコノミーみたいな文脈で、グループ自体が発行体となった経済圏というか。その経済圏でなければ使えないんだけど、その経済圏にいる人であれば、法定通貨からそれに変えて使うことでもっと楽しめるというのが、今までにない世界観だと思うのですが、それをある会社さんと一緒にやろうと思っています。

既存大手のプロダクションさんやレコード会社さんだと、ブロックチェーンとかバーチャルタレントとかの話をしてもあまりピンとこない感じらしいんですよね。そこは僕らにとってチャンスだと思っているので、SPECIAL NIGHTで成功事例を作って、既存のエンタメ業界のみなさんに面白いと思ってもらえたらいいなと思っています。

──最新テクノロジーに既存のエンタメ産業がついていけていない部分はありますが、それを使うユーザーにとってもまだわからないことが多いと思うんですよ。それこそIT系の話になってくると、身構えてしまう方も少なくないと思うのですが。

tmiyachi:そうですよね。そこに関しては、SPECIAL NIGHTは完全に中高生にターゲットを絞っていこうと思っているので、その世代がわかる説明をしていきます。あと、SPECIAL NIGHTのメンバーは中高生で、ダンスはもちろんうまいんですけど、芸能界にずっといたみたいな特殊な人間ではないんですよ。だから、メンバーが理解できれば大丈夫だろうと思って、メンバーの反応を見ながら、現在様々なパートナー企業様といろいろと調整しています。



──「新年号世代」とうたっているとなると、SPECIAL NIGHTは来年の5月1日から動き出すんですか?

tmiyachi:活動自体は来年の1月から始めようかなと思っています。「新年号アーティストって誰?」と言われたときに、真っ先に想起されるような存在になればいいなと思っているので。

──先手を打とうと。

tmiyachi:そうです。楽曲も来年1月から毎月1曲ずつ配信できたらいいなと思っているんですが、先日SPECIAL NIGHTのコンセプトムービーを公開しました。まだメンバーも決まっていないし、楽曲も出していないんですが、まず先にコンセプトだけを出そうと。

これはIT系のスタートアップがWebサービスやスマホアプリをリリースするときによく使われる手法で、サービスをリリースする前にコンセプトムービーを出して、事前登録を募るやり方に近いですね。スタートする前にYouTubeのチャンネル登録数を温めておきたかったのもありますし、あとはプロジェクトメンバーの意思統一の意味もあります。

「僕らがやりたいのはこのコンセプトです」ということを全員で握ったうえで、それに沿った企画を考えたり、タイアップや提携をしたりしていかないと、結局何をやっているのかわからない人達になってしまうので。

──最後に、SPECIAL NIGHTの将来像や目標としては、どういうものを思い描いていますか?

tmiyachi:活動コンセプトにもあるように、僕らが活動することでいろんな境界線や思い込みがなくなって生きやすい世界になることが、目指している将来像ではあるんですが、そういった抽象的なものとは別に、音楽活動という観点から3つの目標があります。

ひとつは、基本は配信でいきたいんですけど、いつかCDも出そうと思っているので「オリコン1位」を獲りたいです。あとは、「武道館ワンマン」と「紅白出場」という、ものすごく既存の指標ではあるんですけど(笑)。

──確かに王道ですが、新しい考え方を持っている人達が既存の指標で結果を出すことは、成功したことのわかりやすいひとつの形ではありますよね。

tmiyachi:そうですね。カウンターカルチャーでありたいと思ってはいるんですが、やはり夢は大きくといいますか。音楽活動だけの話で言うのであれば、その3つが目標です。

──今日は貴重なお話をどうもありがとうございました。今まさに内容を温めていて、これからスタートしようと思っているプロジェクトに関して、プロデューサーの方が直にお話しされるというインタビューも、なかなかないなと思います。

tmiyachi:そうですよね(笑)。本来であれば、アーティストや音源で勝負しなければいけないところですし、そもそも「音楽自体はカッコいいの?」という話にはなると思うんですが、そこは大丈夫です。もちろんそこが一番大切で、本質であるということをしっかりと理解しているうえで、今回はお話しさせていただきましたし、また活動が始まったときに楽曲自体についてもお話しさせてもらいたいなと思っています。

取材・文◎山口哲生

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