【ライブレポート】Soanプロジェクト、ロリータ服と浴衣姿で一夜限りの<真夏の夜の夢>

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Soanプロジェクトが8月21日、22日に渋谷REXでワンマンライブ<真夏の夜の夢>を開催した。

◆ライブ画像(52枚)

まず、8月21日にSoanプロジェクト with 手鞠が“~菓子女装ブリオッシュ・ド・ロリィタ~”と副題のついたライブを実施。メンバーはSoan、手鞠、健希(from Bräymen)、祐弥、Sachi(from 黒色すみれ)の5人だ。

この日はメンバー一同、華やかで美しいロリータ服を着用。「だいぶ遅めのティータイムを始めましょうか」という手鞠の声を合図に、優雅なライブが幕を開けた。彩色きらびやかな音色を放ちながら軽快に駆ける演奏の上で、手鞠は気持ちに少し早鐘を打つように「吐情、舌上、熱帯夜」を歌いだす。華やかな宴の始まりだ。力強いアコギの音色の上で、手鞠が少しだけ雄々しさを翳し「sign…-resonance-」を歌う。晴れた風景の中へ、黒い闇の色を描き加えてゆくようだ。その歌声と調べは、不安を煽りながらも、触れた人たちを哀愁という滲んだ色の中へ引き寄せてゆく。


MCでは何時もの男らしい声での会話が飛び交う、そのアンバランスさも今宵の魅力。メンバーたちへ向け、フロアー中から「可愛い」という声が上がっていたが、ついSoanが「あー恥ずかしい」と叫んでしまうくらいに照れた仕種を覚える様は、滅多に見れない貴重な機会だ。「相対する質量の交錯する熱量」では、手鞠が手にしたぬいぐるみへ向かって歌いかける姿も。

祐弥の手にした二胡にアコギとピアノが切ない色を重ねる「黄昏色に融解する視界と屈折した類推(アナロジー)」、Soanの奏でるピアノとSachiの導くヴァイオリンの調べが交わる幽雅な「それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ」と、 厳かな空気の中進んでいくライブ。そこへ僅かな光を注ぐように流れるSoanのピアノの音色。ゆったり呼吸をするように、低音の効いた歌声を優しく響かせ歌う手鞠。一つ一つの調べが折り重なり、次第に熱を帯びていく。優雅で、危険で、温かく、切ない調べに微睡まずにいれない。

「夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処」では小さかった頃、夕暮れの時間に無性に切なさを覚えたあの頃の気持ちを甦らせる。哀愁へゆったり心が飲み込まれてゆくようだ。何時しか僕らは小さかった頃の僕や私となり、そこへたたずんでいた。そんな心の郷愁に浸る気持ちへ、彼らは優しく歌の手を伸ばしてくれた。


紅茶を優雅に口に運ぶ手鞠は「アコースティックという環境上、少なからずある先入観を取り払ってもらう為の一環として昨年開催したところ、みなさんからの反響がありまして、今年も調子にのってやってみたわけです。大人の音楽の楽しさ、何をやってもいいというヴィジュアル系の定義を、みなさん柔軟に楽しんでいただけたらなと思います」と述べる。「振り切れた我々の姿も観ていただいて、意外とはまってんなと思ってくれれば」とは、Soanの言葉。MCを含め、何時もとは違う様子が楽しい。

ライブも後半戦へ。健希と祐弥の荒々しいギターの音が絡み合う。Sachiの優雅さの中へ狂気を抱いたヴァイオリンの音色をクッションに、演奏は情熱をほとばしらせるよう一気にスパニッシュな音を激しく爪弾きだした。躍動する演奏の上で、昂る気持ちを吐き出し、捧げるように歌う手鞠。ほとばしる熱を投影した手鞠の歌声に導かれ、「感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛」が流れ出す。


さらに、力強くアコギを掻き鳴らす祐弥の音へ導かれるように、感情を高ぶらせた手鞠が立ち上がり、「否の相違、或いは利害の不一致」を歌いだす。そして「醜悪なる獣穿つ矢、致死を以て野卑を屠る」が僕らを熱狂の楽園へ連れ出した。最後に、Soanプロジェクト with 手鞠は「落下の挙動、加速、暗転、反射 そして調和する僕と君と。」を届けてくれた。荘厳さと熱情を交錯させながら、その音楽は魂を痛く揺さぶり、わだかまったすべての感情を一緒に解き放つ。

アンコールでは、メンバーそれぞれが可愛らしいポーズを決めながら登場。「みなさんで素敵な景色を見せてくれたら嬉しいです」と、Soanプロジェクト with 手鞠が最後に届けたのが、優雅な宴のフィナーレを飾るに相応しい「それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ」だ。心へ希望に満ちた優しい光を射し込むように、その歌は、触れた人たちを無垢な姿に様変えてゆく。身体を揺らす演奏と手鞠の歌声に導かれ、何時しか会場中の人たちが大きく右手を振り、無邪気な乙女や少年に戻り、その優雅な宴に熱い眼差しを向けていた。心に情熱を湛えてゆく夜の幻が映し出した優雅なティータイムに、誰もが優しく心地好く身を預け、無邪気な笑みを浮かべながら、その宴を心ゆくまで味わっていた。

写真◎遠藤真樹
取材・文◎長澤智典
編集◎BARKS

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セットリスト

「吐情、舌上、熱帯夜」
「sign…-resonance-」
「黄昏色に融解する視界と屈折した類推(アナロジー)」
「それは呪いと同義語の魂の鎖 永遠に続く祝福と云う名のカルマ」
「相対する質量の交錯する熱量」
「夕闇に鳴動する衝動と幸福の在処」
「感情を媒介として具象化する感傷の逝く宛」
「正否の相違、或いは利害の不一致」
「醜悪なる獣穿つ矢、致死を以て野卑を屠る」
「落下の挙動、加速、暗転、反射 そして調和する僕と君と。」
-ENCORE-
「それを僕は普遍と呼び、君はそれを不変と詠んだ」
End SE.「紫陽花がまた咲く頃に」


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