【ライブレポート】沖ちづる、中国大陸三大ロックフェスのひとつ<東海音樂節>で全9曲を熱唱

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2018年8月31日から9月2日の3日間にわたり、中国大陸の浙江省舟山市にて野外ロックフェスティバル<朱家尖東海音樂節(EAST SEA FESTIVAL)>が開催された。日本からは沖ちづる(沖千鶴/Oki Chizuru)がアコースティックステージ南方書店に出演、現地オーディエンスを魅了した。同ライブのレポートをお届けしたい。

◆沖ちづる 画像

<東海音樂節(EAST SEA FESTIVAL)>は、<迷笛音樂節(MIDI FESTIVAL)>や<草莓音樂節(Strawberry Festival)>に続く中国大陸三大ロックフェスのひとつであり、上海にほど近い浙江省にて“Electric” “Summer” “Countdown”の3回にわたり開催されている。

これまでの主な出演者は中国大陸ロックシーンの創始者である崔健をはじめ、中国大陸を代表するロックバンドの唐朝、⾯孔、逃跑計劃(Escape Plan)、痛仰(Miserable Faith)、中国大陸を代表するフォークシンガーの李志、宋冬野など。この他、台湾のロックバンドの草東沒有派對(No Party for Cao Dong)、香港のロックアーティスト黃家強(ex Beyond)ほか、日本アーティストは中孝介や小野リサ、As Alliance(沖縄のバンド)など、中華圏で人気のあるアーティスト達がこれまで僅かに出演している。



今回は中国大陸の国民的女性歌手でWeiboに1000万人のフォロワーを持つ譚維維を筆頭に、台湾人気歌手の王若琳、中国大陸で一番最初の女性ロックシンガー羅琦(Rose)、四川省出身のチャイニーズラップメタルのカリスマバンドである夜叉(YAKSA)、ミクスチャーコアの大御所バンド扭曲機器(TWISTED MACHINE)、ハードコアメタル系バンドの萬重(Mega Soul)、ブリティッシュロック系バンドの果味VC(SUPER VC)、内モンゴル自治区出身の蒙古民謡をメタルにしたバンドサウンドが特徴的な零壹、アメリカの女性歌手KimTaylorなどなど、まさに幅広いジャンルが集結した豪華ラインナップだ。

そんな中で一度も訪中実績のない沖ちづるの出演は極めて異例とも言えるが、一度聴いたら忘れられない強烈なインパクトのある歌声は、中華圏で認識されている歴代日本人女性歌手たちの面影を強く示しており、今回はオーガナイザーの高い評価が集まり、アコースティックステージ南方書店へ出演することが決定した。



開場前のリハーサルにはボランティアスタッフの学生達が集まり、リハーサル後には沖との2ショット写真の撮影依頼をするスタッフも目立つなど注目度が高い。お馴染みの赤いワンピース姿で登場した本番では、昼間の出演時間帯にして新人としては破格のオーディエンス数を集め、「夏の嵐(夏天的暴風雨)」から沖のライブがスタートした。その演奏後には中国語や英語でのMCで自己紹介したり、曲の説明をしたりと異国での地ならではの光景も見られた。

約45分のセットリストは沖のオフィシャルWeiboに動画公開されているナンバーや、中国大陸でも配信されている楽曲を中心としたもの。また、森田童子の「僕たちの失敗」のカバー演奏も含みつつ、「僕は今(我現在)」や「負けました(輸了)」など全9曲の力強い歌唱と演奏でオーディエンスを魅了した。その最後は一部オーディエンスが日本語で歌唱する瞬間もあり、終演後には会場に居合わせた中国大陸各地のライブハウスの関係者たちから、「次は自分の店に歌いに来てくれ」というオファーが現場のスタッフに複数届く場面が見受けられた。



中国大陸では1980年代後半から西側の音楽が入り始めたこともあり、年代や世代を問わず幅広い音楽ジャンルが共存をしている。この<東海音樂節(EAST SEA FESTIVAL)>でもDJステージである雲舞台では最新のEDMで盛り上がり、アコースティックステージである南方書店では中国全土のフォークシンガー達がオーディエンスと大合唱を響かせ、メインステージの青山舞台ではメタルサウンドが炸裂するなど、他の中国大陸のフェス同様、1960年代から2010年代まで50年分の音楽が凝縮体験できる。

中国大陸は13億人以上の人口を誇るが、ロックファンはまだまだマイナーな存在で少数派だ。それでも分母の大きさを考えれば膨大数となるため、中国大陸では年間200本以上の大規模ロックフェスティバルが開催されている。東は上海市から江蘇省に浙江省、西は新疆ウイグル自治区から青海省に陝西省、南は雲南省から海南省、北は黒竜江省から内モンゴル自治区に至るまで、ロックフェスだけでも毎月10本以上。世界各地からアーティストが集まり、中国大陸全土からオーディエンスが集結するが、現状では日本アーティストの出演はまだまだ少数だ。


中国大陸のロックフェスはまさに巨大マーケットであり、多種多様な音楽の坩堝。これから更に発展していくだろう底知れぬ可能性を秘めているので、多くの日本アーティストが出演する日が来ることを心から願っている。

取材・文◎足立拓男 (自由惑星)

■<朱家尖東海音樂節(EAST SEA FESTIVAL)>南方書店ステージ/9月1日/沖ちづるセットリスト


01. 夏の嵐(夏天的暴風雨)
02. 朝の光(晨之光)
03. 僕たちの失敗(カバー)
04. 光
05. クラスメイト(同學)
06. 街の灯かり(街燈)
07. 下北沢
08. 僕は今(我現在)
09. 負けました(輸了)


■ライブ/イベント情報

<下北沢レコード presents “Sings in the Birdcage”>
2018年09月25日(火) 下北沢440
出演:林青空 / 沖ちづる / 椎名琴音(from ヘクとパスカル)

<Really!!!>
2018年11月02日(金) 下北沢Laguna
出演:チヂマツミキ with カスタム / 沖ちづる / (O.A)市野美空

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