【ライブレポート】＜氣志團万博＞初日、打首獄門同好会「唯一、稲穂を振ることが許されるバンド」

＜氣志團万博2018 ～房総爆音爆勝宣言～＞が9月15日(土)および16日(日)、千葉県･袖ケ浦海浜公園にて開催中だ。初日のMOSSAI STAGEトリは、＜氣志團万博＞初出演の打首獄門同好会だ。

◆＜氣志團万博2018＞ 打首獄門同好会 画像

本番前にステージに登場した会長こと大澤敦史(G/Vo)、河本あす香(Dr/Vo)、junko(B/Vo)の3人がこう語った。「ホルモンがまだ演奏してるのに、こっちにきてくれたみなさんに、今から“バイクのハンドル”を配ります！ブルルンブルルン」。すると、両手でハンドルを握るアクションを見せながら、ビニール袋に入った“うまい棒”をお客さんに大盤振る舞い。1人1本ずつ、うまい棒を持ったオーディエンスが見守るという、＜氣志團万博＞史上初のライブが幕を開ける。




「初出場にしてトリを務めるのは、岡崎体育以来」との紹介オープニング映像に迎えられた3人。そんな大役を担う意識があるのかないのか、会長は「さっき渡したバイクのハンドル、実はうまい棒だったんだ！」と、ここでカミングアウト。一応、「えぇっ！」とリアクションしながら、各々違う味のうまい棒を掲げるオーディエンスも役者だ。しかしこれは、「デリシャスティック」でライブをスタートさせるための前振りだった。VJが映し出す映像に合わせて、“うまい棒！うまい棒！”と連呼すると、暗闇の中からうまい棒が突き上げられる。なんだ!?この光景は。

海に面した会場にピッタリな日本の魚をフィーチャーした「島国DNA」ではマグロのバルーンが客席をクラウドサーフするカオスなシーンが出現。“あいたくて”ならぬ「歯痛くて feat. Dr.COYASS」に続き、新曲「はたらきたくない」では、ハードエッジなサウンドでビシッとブレイクをキメて、“バイトだるい。起きたくない”などとぼやいて“働きたくない”とリフレインするが、演奏が超カッコいいから、そのギャップすら心地よい。


そして、ラストにドラマが待っていた。朝から会場入りしていろいろなライブを観ていたという会長が、「印象に残ったシーンがある」と語り、「他のアーティストのライブで稲穂を振るなよ」と発言したレキシのMCに触れた。「しかし、今日の出演者で唯一、稲穂を振ることが許されるバンドがいる！」と次の曲を示唆すると、すかさず「日本の米は!?」「世界一！」とのコール&レスポンス。そして「日本の米は世界一」が始まるという、まさかのレキシMCの回収となるドラマティックな展開に、会場が爆発した。

オリジナリティありまくりな楽曲と卓越した演奏力で、理屈抜きで楽しめるライブを見せ、打首獄門同好会は初出演の＜氣志團万博＞に爪痕を残した。

取材・文◎岡本貴之
撮影◎釘野孝宏


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