【インタビュー】大城美友「曲を聴かなくても会っただけで元気になれるっていう存在になりたい」

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■とにかく、みんなを抱きしめたいんです
■泣いてる子や悩みを打ち明けられずにどうにかなりそうな子を


――大城さんは、今も沖縄在住なんですが?

大城美友(以下、大城):そうです!“やんばる”在住です。沖縄美ら海水族館がある国頭郡本部町や名護市、大宜味村あたりを全部含めてやんばるっていうんです。そのあたりの出身で、今も住んでます。

――メジャーデビューに際してのコメントで「デビューが決まった時は、嬉しすぎるあまり冷静になりました」とありましたけど、なかなか面白い表現ですね。

大城:今の時代、デビューするからって「行ける!」っていうわけでもないですよね?だから、「ようやくスタート地点に立ったぞ」っていう気持ちなんです。心の中では「やったー!」なんですけど、「よし、これからだぞ」って思っています。もちろん、これまで活動してきて一番嬉しい瞬間ではあったんですけど、「来てしまった。もう遊びの音楽はできないぞ」っていう気持ちもありますね。

――『MI-POSITION』は、ものすごく元気な歌声だなって思ったんですけど、お会いした印象もまさにそのままで。

大城:そうですか?あはははは(笑)。


――ルーツについてお訊きしたいんですけど、高校生の頃に作詞作曲を始めたそうですね。そもそも音楽との出会いは?

大城:小さい頃からキーボードを触っていたんです。それでなんとなく曲を作ってみようと思ったら、できちゃったんですよね。そこから作詞作曲に目覚めました。

――それは、それまで音楽を好きで聴いていたからできたわけですよね。

大城:そうかもしれないです。お父さんは河村隆一さんが好きで聴いていて、お母さんは「ひだまりの詩」(Le Couple)を聴いているような家庭で、その影響がありました。

――沖縄のルーツ的な音楽というのは、大城さんの中では影響はないんですか。

大城:おじいちゃんが三味線を弾いたりはしていましたけど、だからといって自分がやることはなかったです。好きな音楽は清水翔太さんとか加藤ミリヤさんでした。事務所の先輩だからではなくて、本当にドンピシャに好きで聴いていたんです。そういう音楽を聴いているうちに、自分でも曲が作れるようになったんだと思います。

――歌詞も最初から自分で書いてたんですか。

大城:そうです。高校の頃は、気が付いたら恋愛の歌ばかりでしたね。あんまり良い恋愛してなかったので(笑)。それを表現していたというか、叫んでいたんだと思います。

――今回のミニ・アルバムにも「声が枯れるまで」というバラードがありますね。

大城:まさにその曲がそうですね。その頃に書いた曲ではないですけど。

――恋愛のことを歌うことで、自分が浄化されるようなところがあるんですか。

大城:う~ん、とにかく胸の中にあるものを叫んで叫んで、それが形になっていて。でも特に浄化されていないかもしれないです。もやもやは変わらないけど、歌うことに意味があるというか。

――そういう曲を人前で歌うようになったのはいつ頃なんでしょう。

大城:最初に人前で歌ったのは、地元のお祭りです。そのときはオリジナルじゃなくて人の曲を2曲くらい歌ったんですけど、元気な曲を歌いました。

――昔から、元気な曲が好きなんですか?

大城:元気と、弱い女の子が自分の中にいるんです。(両手を大きく広げながら)80%は“太陽の大城美友”が勝ってるんですけど、恋愛になると、とたんに弱い女になるんですよ。

――「声が枯れるまで」で〈あたしはただの弱い女〉って歌っていますもんね。でも、人前で歌うときには、80%の元気な自分を見せたいと思っている?

大城:そうですね。「あ、私ってここだな」って思ったので。とにかく、みんなを抱きしめたいんですよ。泣いてる子や悩みを打ち明けられずにどうにかなりそうな子が絶対いっぱいいるんですよね。そういう子たちの力になりたい。「おいで!」って言いたい。

――まさに今、衣装の色もあってまさに太陽のようですね。10代の頃から、そういう感じだったんですか?母性が強いというか。

大城:母性が強い!そうなんですよ。

――でも、恋愛に関しては弱いところが出てしまうという。すごくギャップが激しい人ですね。

大城:そうなんです、真ん中がないんです(笑)。だからいつも母に「真ん中の心と真ん中の歌を歌えるように頑張りなさい」って、アドバイスをもらっています。


――2014年に沖縄で行なわれた世界的なオーディション番組の日本大会<X FACTOR OKINAWA JAPAN>で、エントリー総数約2000組の中からTOP6まで勝ち残ったということですが、これはどんなきっかけで受けたんですか。

大城:高校生の頃からライヴハウスに出たりして活動していたんですけど、上手くいかなくて音楽に悩んでいたときがあって、そんなときに出会ったオーディションなんです。

――どうして音楽に悩んでたんですか?

大城:どうしてかわからないんですけど、もう音楽を辞めようかなと思うくらい上手くいかないし、曲は書けないわ、ダメだしされるわで、色々重なって自信を無くしていたときがあって。そんなときにこのオーディションを知って、自分がどこまでできるか知りたかったのもあるし、挑戦してみようと思って受けたんです。TOP6で終わってしまって、悔しくて一杯泣きました。優勝したかったので。

――残念ながら優勝はできなかったけど、このオーディションをきっかけに、それまで悩んで煮詰まっていたようなところは払拭されたんでしょうか。

大城:払拭されましたね。一回落ちてるからなおさら、ポジティブな気持ちがより強くなりました。「私の曲を聴いてください」っていう気持ちはあるんですけど、「類は友を呼ぶ」っていう気持ちで歌ってるときもあるんです。私の元に、悩んでいる子たちが来るんですよ。だから、ライヴに来てくれた子をハグしたりします。

――じゃあ、そういう子たちを想像して曲を作っている?

大城:それもあるし、自分の応援歌でもあります。

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