【速レポ】<中津川ソーラー>一青窈、「まだまだ歌い足りないな」

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満員の観客の歓声に迎えられて、眩しい陽が差し込むRESILIENCE STAGEに登場した一青窈。1曲目に選んだのは、デビュー前の曲で、ゲーム『真・三國無双2』に使用されたという「生路」。伸びやかなヴォーカルが響きわたると、RESILIENCE周辺はすっかり、一青窈サウンドのムードに包まれていく。清水俊也(Key)、小倉博和(G)、若森さちこ(Perc)という編成で、シンプルでいて贅沢なバンド・アンサンブルやグルーヴが自然と手拍子を誘う。続く曲「もらい泣き」の冒頭をアカペラで歌いだすと、歓声が一気に上がる。曲中、「中津川、盛り上がってるかい」と問い、ステージから体を乗り出して遠方の観客にも手を振る一青窈。ステージは眩しいようで、陽に手をかざすようにして目を細めながらも、観客の顔を満遍なく見つめるようにしてエモーショナルに歌っていく姿が印象的だ。

◆一青窈 画像

また「次は、なかなか歌わない曲」と言って、2006年にSalyuに作詞提供した「name」を選曲。ピアノを基調にしたスローなバラードで、観客をゆったりと揺らしたかと思うと、続く曲はスパニッシュギターのようなパーカッシヴなギターに、中国語での歌唱だろうか、音と歌とでさらにエキゾチックな雰囲気を醸し出す「Yesenia」(曲中には鍵盤で「ゴッド・ファーザー 愛のテーマ」も盛り込まれる)。さらに、金井克子のカバー曲「他人の関係」で昭和歌謡にも突入と、ジャンルも国境も時代もボーダレスに行き来しているのが面白い。すっかり観客を翻弄した後は、タンバリンを手に「みなさんには、合いの手をお願いしたい」とこちらも歌謡テイスト濃厚な「てんてこ舞い」を披露。「体を好きにスウィングさせてくださいね」と観客に語りかけ、また曲中には「まだまだ歌い足りないな。来年も出たいなあ……そういえば、曲の途中だった!」とお茶目に笑って、歌に戻るなどがっちりと観客のハートを掴んでいくステージングで魅せる。





東日本大震災以降、自宅の電気を太陽光に変えたとMCした一青窈は、THE SOLAR BUDOKANのような趣旨を持ったフェスへの出演できた喜びを語り、最後は「あなたとあなたが100年続きますように」と「ハナミズキ」を、丁寧に手渡しするように歌いあげ、エモーショナルなステージを締めくくった。




取材・文◎吉羽さおり
撮影◎古川喜隆

【一青窈@RESILIENCE STAGEセットリスト】

01. 生路~MAZE
02. もらい泣き
03. name
04. Yesenia
05. 他人の関係
06. てんてこ舞い
07. ハナミズキ

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>

2018年9月22日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ

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