【速レポ】<中津川ソーラー>ヤバイTシャツ屋さん、「これ、去年も言ったんですけどね」

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朝の体操と呼ぶには激しすぎるDJダイノジによる“Morning Dance”で、すでに身体も充分にほぐされて、準備万端となったREVOLUTION STAGEのオーディエンス。11時、会場に流れるのは“始まるよ~”でお馴染みのSE。出てきたヤバイTシャツ屋さんはバンドサウンドを一発決め、その爆音と共に、こやまが「テンション上げてけよ、もっと行ける!」と煽りまくる。

◆ヤバイTシャツ屋さん 画像

ここから始まったのは、必殺のキラーチューンと呼べる「あつまれ!パーティーピーポー」。これまで幾多のフェスでファンを盛り上げた伝家の宝刀である。激しくも、ダンスロックの要素もふんだんに入ったそのナンバーに、一気にテンションも高まる会場。その勢いのまま「ヤバみ」が続くと、肩車も乱立し、そのままクラウドサーフへ持ち込むという、ヤバみな群衆もあちこちに。さらにヘヴィグルーヴからキャッチーなメロまで、ロックの四十八手を我が物にしたナンバー「鬼POP激キャッチー最強 ハイパーウルトラミュージック」に入れば、ヤバイTシャツ屋さんの曲と音に弄ばれるファン。こうして激しさも勢いも楽しさも目一杯詰まったライブが、朝一発目から繰り広げられていった。





「すごくいい天気です。この天気、岐阜県の神様からの贈り物ですね。……ギフトだけに。これ、去年も言ったんですけどね。去年と同じ、やや滑りです。でも朝から僕らのような現役中学生みたいなバンドを観に来てくれて……」

こやまがそう話し始めると、しばたが「ボケかたが雑やな~。雑、雑!」とツッコミを入れる。それならと「今日は大雨の中、集まってくれてありがとうございます」やら「行けんのか、札幌!」とボケ倒すこやま。もちろん会場が一体になっての「雑、雑!」というツッコミ。もりもとは「なんや、変な一体感やな」と現実を直視。それでもこやまは「どうも、10-FEETです」と相変わらずボケるばかりか、一人で10-FEETの「RIVER」まで弾き語り。歌詞をしっかり“中津川”に変えたのはいいが、「先輩の曲を雑にやんな」としばた。当然、ファンも一緒になって「雑、雑!」である。

日常会話が漫才な関西人らしいノリもヤバイTシャツ屋さんの持ち味だろう。しかし彼らはミュージシャン、やはり音楽で語るのである。「僕はひとつコンプレックスがあります。それは肩幅が狭いことです」と泣きそうな声で告白を始めたこやま。そこから続いたのは「肩 have a good day -2018 ver.-」だった。思いたっぷりに歌うこやまに対して、腕を左右に大きく振るファンの姿が広がる。それはコンプレックスを受け入れ、また励ましているような温かさがあった。切なくてたまらない曲調に、中盤はもちろん、もりもとの口笛ソロ。エンディングに向けてこやまの歌は、泣きむせぶような歌声に変わっていく。演奏もブレイクさせて、マイクを握りしめて、ステージ中央で感情的に歌い上げるこやまでもある。しかし歌詞をよく聞けば、クスッと笑ってしまうストーリー。本心をネタにしながら、笑いも感動も起こすなんて、ヤバイTシャツ屋さんの頭脳、こやまの為せる技だろう。


ライブ後半は「Tank-top of the world」から再び加速度をブチ上げていくヤバイTシャツ屋さん。「お金払って、合法で大きい声、出しに来たんでしょ! 大きい声、出せますか!」と超絶コーラスを「無線LANばり便利」で起こし、さらに「今日、カップルで来てる人? そこ、カップル? ノリで入籍してみたらええやん」と「ハッピーウェディング前ソング」をブッ込む。曲が生まれた直後から勝手に独り歩きどころか、一人全力疾走して、人気炸裂した曲のひとつだ。あちこちでクラウドサーフが飛び交い、ステージ上の3人も全身全霊のプレイと歌いっぷり。中津川の気温はすでに30度近い。真夏日に負けぬ熱さが渦巻くライブとなった。


取材・文◎長谷川幸信
撮影◎上山陽介

【ヤバイTシャツ屋さん@REVOLUTION STAGEセットリスト】

01. あつまれ!パーティーピーポー
02. ヤバみ
03. 鬼POP激キャッチー最強 ハイパーウルトラミュージック
04. L・O・V・E タオル
05. Universal Serial Bus
06. 肩 have a good day -2018 ver.-
07. Tank-top of the world
08. 無線LANばり便利
09. ハッピーウェディング前ソング

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>

2018年9月22日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ

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