【速レポ】<中津川ソーラー>チアキ(ex.赤い公園)、「今回は、山々に歌おうと思って来ました」

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ぐっと傾き始めた太陽の光がやさしい丘の上のRESILIENCE STAGEに穏やかなピアノの音色が響いた。弾いているのは、チャンポンタウン、溺れたエビ!のメンバーで、この時間のRESILIENCE STAGEの主役、チアキのバックを務めるチアキバンドのメンバーでもある赤松憲だ。ステージの周りにあるベンチやデッキチェアーで休息を取っている人々を癒すようにピアノの音色が流れる中、黒いワンピース姿のチアキがその天真爛漫なキャラを物語るようにスキップでステージに登場。一礼すると、赤松のピアノに合わせ、「blueberry night」を歌い始めた。

◆チアキ(ex.赤い公園) 画像

2017年8月に、それまでヴォーカリストを務めていた女性4人組バンド、赤い公園を脱退。その8か月後の2018年4月に佐藤千明改めチアキとしてソロ活動を本格始動させた彼女は、4月12日の1stライブを皮切りに曲を作りためながら、バンドセット、アコースティックセットを使い分けながらライブ活動を展開中だ。赤い公園としてのみならず、シアターブルックのステージにもコーラスとして参加した2016年以来となる<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>は、息の合った赤松とのデュオスタイルで、まだ音源化していない曲の数々を、手拍子で2人を迎えた観客に披露しながら伸びやかな歌声の魅力をアピール。普段、話す声と大きく変わらない歌声が赤い公園時代から好きだったが、そんな飾らない魅力は、ソロになった現在ももちろん変わらない。ソロアーティストとして歩き始めた期待と不安が入り混じる現在の気持ちを歌ったんじゃないかと想像させた「向かい風」他、ポップな魅力を持つ曲の数々は音源化されたとき、どんなふうになるんだろうかと期待もさせた。





そして、「ステージから見える景色がすごい」という赤松に、「今回は、山々に歌おうと思って来ました」と答えた曲間のトークでは、天真爛漫なキャラを印象づけるヒトコマも。楽屋に置いてあった佐藤タイジからの手紙に書かれていた“心配するな。安心するな”という一文に感銘を受けた彼女は、「あれにしようと思った。あれ。何だっけ?」と言葉が出てこない。そんな彼女にステージ前にいる観客が助け舟を出したらしい。

「完全にアウェイ?」とチアキが素っ頓狂な声を上げた。どうやら、座右の銘を“完全にアウェイ”と聞き間違えたようだ。観客の熱中症を心配していたチアキに赤松がすかさず突っ込んだ。「一番熱中症じゃない?(笑)」

そんな天真爛漫さも魅力の一つ。そして、そんな彼女がいったん歌い始めると、言葉とメロディーにぐっと切実な思いがこもる。そこがいい。

ステージを降りる前に「ずっと、ずっと心を込め、魂を込めて、歌っていきたいと思います」と彼女は言った。30分と時間は短かったが、再び歌い始めたチアキのこれからにがぜん興味が湧くようなステージだった。



取材・文◎山口智男
撮影◎古川喜隆

【チアキ(ex.赤い公園)@RESILIENCE STAGEセットリスト】

01. blueberry night
02. 夏風邪
03. 向かい風
04. 明日になったら

■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>

2018年9月22日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ

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