【ライブレポート】ベビレ、山中湖で6年間の活動に終止符。Brand Newな明日に向かって

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9月24日に山中湖交流プラザ・きららでのラストライブ<全虎が啼いた!伝説の最高雷舞(クライマックス)>をもって解散したベイビーレイズJAPANが、自身のCDデビュー日である本日9月26日に「夜明けBrand New Days(farewell and begining)」を配信リリースした。自身のアンセム的楽曲に歌詞を追加する形で新録され、ラストライブでMVが初公開された本作は、グループ解散後のベビレ、そして虎ガー達へと捧げられたエンディング・テーマとも呼べるものに仕上がっている。

BARKSではこれにあわせ、24日のラストライブのレポートを以下にお届けする。

◆ベイビーレイズJAPAN<全虎が啼いた!伝説の最高雷舞> 画像

   ◆   ◆   ◆

「6年間支えてくれたスタッフさん、たっぷり愛情を注いでくれた関係者のみなさん、そばにいてくれた家族や友人、私たちに最高の楽曲を書いて下さったみなさん、力強い演奏で一緒に戦って下さったバンドさん、そして全世界のどこかで私たちと出会って、一緒に戦い、いつもそばにいてくれた虎ガー(ファンの呼称)のみなさん。これまでたくさん私たちのことを愛してくれて、ありがとうございました!」。傳谷英里香が呼びかけると、全虎たちの啼き声が、惜しみない拍手喝采にかわっていく──。

ベイビーレイズJAPANが、2018年9月24日,18時04分。5時間におよんだワンマンライブ<全虎が啼いた!伝説の最高雷踊(クライマックス)>を終え、6年間の活動に自らピリオドを打った。

大矢利華子、傳谷恵里香、林愛夏、高見奈央、渡邊璃生。解散の瞬間までベビレらしく、ステージ上で“なにくそ根性”(←大矢命名!)全開で、さらなる高みを目指して駆け抜けていった5人の勇者と虎ガーたち。最後に客席に背中を向け、奇跡的に現れた富士山に向かってBrand Newな明日に向かって、一歩を踏み出していく姿は凛々しく、たくましく、そしてとても美しくて胸がいっぱいになったよ。
ありがとう、ベイビーレイズJAPAN。

ベビレの歴史、それは戦いの歴史でもあった。2012年9月26日、シングル「ベイビーレイズ」でベイビーレイズとしてデビューすると“乗り込み!乗っ取り!!アイドル”という触れ込みのもと、人気グループのライブやイベントに乗り込んでファンを獲得。デビューから2年以内に日本武道館公演ができなければ解散という無謀な公約にも挑み、なんとかクリアするも、そのシビアな観客動員に対して、さらなる力を注いで武道館完全リベンジ、紅白自力出場、日本一のアイドルになるという目標を掲げ、2015年にはグループ名をベイビーレイズJAPANに改名。以降“EMOTIONAL IDOROCK”を掲げ、ロックな楽曲と熱いライブを武器に、様々な戦いを繰り広げてきたベビレ。彼女たちが最後の戦いの場所に選んだのは山梨県・山中湖交流プラザ・きららだった。


当日は、澄んだ青空とぽっかり浮かぶ巻積雲、その青と白のコントラストがまぶしいほどの快晴に恵まれ、メンバーたちのワキャワキャした影アナが大空に響くなか、ラストワンマンは13時07分、開演のときを迎えた。真っ白い衣装で現れた5人、そのバックにそびえ立つ富士山はまだ雲のなか。だが本編前半、「ゲート・オブ・ザ・タイガー」で勢いよくライブを幕開けすると、メンバーと“一富士/二鷹/三茄子”と縁起のいい名称でブロック分けされた広場に集まった総勢約4000人の勇敢な虎ガーが“ガオガオ!”啼きだし、「Pretty Little Baby」、「恋はパニック」と続けて、パーティーの導火線に着火。

ここから突入したRide On IDOROCKメドレーでは、大矢がセンターのお立ち台に立って熱量のこもった声で「ひとめぼれ初恋もよう」を、高見はハットを脱ぎ捨てキレキレのダンスで「FOREVER MY FRIEND」を、傳谷は「6年間私のこと好きでいてくれてありがとう。すっごい好きっ!」と萌えセリフを入れながら「Baby Kiss」を、林は魂と腹筋を震わせながら「Pondering」を堂々歌いあげ、渡邊はサマーチューン「真夏のフィーバー!」でタオル回しを引き起こす、といった具合に、メドレーで5人が場内を次々と盛り上げていく。


「6年間の感謝の気持ちを5時間にわたって届けていくので、まばたきするのももったいないという思いで、見逃さないで下さい」という大矢の言葉に続いて、富士山の絵が描かれたメンバーお手製(「3〜5時間かけて作った」と傳谷)の扇子が舞う「ニッポンChu!Chu!Chu!」からはエンタテインメントなベビレのステージがスタート。「世界はチャチャチャ!」ではメンバーが客席の通路を駆け抜けて後方のサブステージへ移動。ベビレと虎ガーたちは恒例の紅白帽をかぶり、ベビレのメンバーが体操のお姉さんに扮して場内の爆笑を誘いながら、2人のマッチョメンとともにゆる〜い体操で体をほぐしていく。

「ワハハ」では、傳谷と高見がトスバッティングでサインボールを場内に打ち込んだあと、メインステージへ移動。5人が横一列になって、手で8の字を描きながら“何度も何度も転んで泣いたっていいんだよ”と歌う「ベイビーステップ」、過ぎゆく夏の景色が描かれた「スーパーノヴァ」の2曲をしっとりと届けたあとは、虎ガーの掛け声と振りコピでステージと客席が見事にシンクロ、バキバキに盛り上がった「バキバキ」。

今日は箱の中身はなんだろな?”ゲームでキャッキャした「勇者ボクの冒険」を歌い終えたあとはMCのコーナーへ。ここでは5人が各々ベストライブについて語ることになり、高見は「69時間やってゾーンに入ってた“エモフェス”の最後のライブ」、傳谷は「みんながメラメラしてた今夏やった新木場COAST」、渡邊は「署名活動の結果が発表になったキネマ倶楽部」、林は「緊張のステージだった2012年、新木場COASTのイベントでの初お披露目ライブ」、大矢は「『暦の上ではディセンバー』を初披露したTSUTAYA O-EAST」をピックアップ。続けて大矢が「でも、まさかこの曲があんなになるとは」といって、ベビレをサバイブさせてくれたヒット曲「暦の上ではディセンバー」をアクト。この曲の振りコピ一発で、初心者ファンもベビレの虜にしてしまうキラーチューンに続いて「Again and again」はコール、クラップでお互いを高め合い、林のスローな歌い出しから始まる「JUMP」はみんなで一斉に弾けてジャンプ。虎ガーのメンバーコールに応えるように“君の声が聞こえたんだ”と歌いかける「ベイビーアンビシャス!」で、ベビレと虎ガー全員が大空に手をかざすと、会場じゅうが歓喜に包まれた。そして、この歓喜はまだまだ続くよとでもいうようにハートウォーミングな「ハッピーエンドレス」を最後に届けて、前半は終了。

1時間のハーフタイムの間、場内にはメンバーがスリッパ飛ばしや線香花火、早口言葉などを競い合う映像が流れ、それを見ながらオーディエンスはフードコートで買ってきた食べ物を食べたり、芝生の上にシートをひいて寝転んだりと、目の前にはじつにほのぼのとした光景が広がる。寂しさや、ヒリヒリした空気がそこかしこに漂うような解散ライブとはまったく違う。きららをとりまく空気は、穏やか。だが、後半戦“解散”がどんどん現実味を帯びていくと、その空気は、じょじょに涙混じりの歓喜に変わっていく。


後半戦は虎ガーたちが選んだショットをプリントしたマントを羽織って登場したベビレ。舞台上で呼吸を整え、静かに「夜明けBrand New Days」のサビをアカペラで歌うというスペシャルなアクトで、オープニングからオーディエンスの感動を呼び起こす。ここからは日本武道館からおなじみのベビレ最強のバックバンドも加わる。

そのバンドが爆音で「栄光サンライズ」のイントロを奏で始めると、ベビレのオーラが熱いバトルモードへといっきに切り替わる。突然降り出した雨もお構いなしに、虎ガーたちがメンバーと一緒にJの指文字を掲げ、誓いを立てたあとは、渡邊が作詞に参加した「アンチヒーロー」へ。マントを脱いだメンバーたちが着ていた新衣装が、歴代の衣装をつなぎ合わせて作ったものだと分かると、胸に熱いものが込み上げてくる。

渡邊が歌う“例え小さな一歩でも”にベビレがこれまで歩んできた戦いの姿が重なった「走れ、走れ」は、林が「走れ!」とパワフルに歌い上げるパートで、場内のテンションを急上昇させる。すると、さっきまでの雨が止んだ! “泣いたり笑ったり共に歩んできた道”というフレーズに全虎ガーたちがベビレとの想い出を重ね、グッときた「新しい世界」。この日は、その後に続く“さらば昨日までもう迷わない新しい世界”という部分が、まるで解散後の誓いを歌っているように思えて、胸がしめつけられた。


このあとサブステへ移動した5人は、スモークをまき散らかしながら「虎虎タイガー」、「ぶっちゃけRock’nはっちゃけRoll」を楽しそうに歌って場内の空気をなごませたあと、再びメインステージへ。「涙のち晴れ」は“雨上がりの空”“笑いあった今日の日のことを 忘れないでいて 何があっても”と歌うところで、林と傳谷が目を合わせながら手を握る。“止まない雨はない 僕らずっといっしょさ”と歌い、5人が肩を寄せ合うと、ステージ後方から太陽の光が彼女たちを照らすという自然のミラクルな演出に、大感動。次曲も“あの日の悔し涙が 今も胸を燃やす”というフレーズがこれまで私たちを突き動かしてきたんだというように、5人が声を重ね、いつも以上に気持ちを込めて力強い声で歌った「ボクラノリアル」で、感極まった表情を見せるメンバーたち。「何度でも」では顔をぐしゃぐしゃにして泣くのをこらえていた大矢が、絶対にこの言葉をみんなに届けたいんだという情熱を込めて“何度でも そう何度でも そう何度でも 夢を見よう”と涙声でボロボロになりながらも歌いきると、虎ガーたちも頬に涙を光らせる。続けて「Dreamer」で、ここが最終地点じゃないから、“どんな未来が待ち受けたって大丈夫”、“くじけそうな時には支えるよ”、“怖くないさ 怖くないよ”とファンに最大限のエールを送り続けるベビレと、そんなベビレに対して最大限のシンガロングでエールを送り返す虎ガーを見ていると、胸が締め付けられる思いがした。



このあと、バンドメンバーのソロをはさみ、5人が指で星の形を作る「ビッグ☆スター」からライブも後半戦へ。ステージ下手に置かれたベンチを使ってパフォーマンスした「アバタがエクボ」、グルーヴィーなサウンドにのせて「TIGER SOUL」を届けたあとは、大矢が「ここからクライマックス!」と叫んだあと、「ベイビーレボリューション」が始まると、高見が「虎ガー声出せ!」と全身全霊で叫び、観客のコール、クラップ音のボリュームが一気に上がる。

4000人のoiコールでバンドのテンションが目に見えて高まっていった「閃光Believer」、ラウドに響くギターリフに合わせ、メンバーがパンチを繰り出すなど、音と一体になったパワフルなダンスで観客を魅了していった「○○○○○」、「シンデレラじゃいられない」が始まると舞台では5本の火柱が上がり、間髪入れずに「ベイビーレイズ」に突入。キラーチューン連発にベビレの歌とダンス、バンドサウンド、観客(この頃には関係者エリアにいた人々も虎ガー状態に!! )がひとつになって、ものすごくアベレージの高い一体感を生み出していく。その一体感には、これまでの道のりをお互い讃えあうような、「ありがとう」の感謝の気持ちが溢れかえっていた。

そうして、迎えたクライマックス。一緒に歩んできた道のり、そのなかで大事な大事なナンバーとなっていった「夜明けBrand New Days」は、虎ガーたちが涙をあふれさせながら最高の盛り上がりを作ってベビレにプレゼント。そうして、最後は林が「リコピン、でんちゃん、りおトン、たかみん、いままで本当にありがとう」と伝えたあと、「僕らはここにいる」を歌い、“君がくれた この景色を”、“ずっと忘れない”、“この想いと歩いてゆく”と目の前で涙を流す虎ガーに伝え、ライブは終了した。


アンコールは5人だけでステージに出てきて、「スパイラル」を虎ガーへプレゼント。歌い終えたあと、観客に言われメンバーが後ろを振り向くと、そこにはついに富士山の姿が。富士山の絶景に感動しながらこのあとはメンバー一人ひとりが最後の挨拶を届けた。

「このメンバーがメンバーで良かった。いろいろあったけど、本当に楽しかった6年。すごい幸せとはいえない時期もあったかもしれないけど、今日ライブができて幸せです。5人の未来もよろしくお願いします」(傳谷)

「ぶっちゃけ、悔しくないといったら嘘になります。でも(泣きながら)後悔はしてません。アイドルになって学んだことはいっぱいあって。幸せなアイドル人生でした。またよろしくお願いします」(高見)

「めっちゃ楽しかった! 6年間ほんっとーに楽しかった。みんなのことめっちゃ好き! 6年間の間に私たちと関わってくれた人、みんな大好き。お互い好きって思ってたらまた会えると思うので、また会いましょう。アイドルにして下さってありがとうございました」(大矢)

「こんな最高の景色見せられたら、これが最後なのは嫌だなとか、まだまだもっとみんなといろんな所行きたいなとか思ってしまうんだけど(といって、泣き出す)……。私たちの楽曲はみんなの応援歌が多いんですけど、今日歌ってたら私たちの応援歌のようにも聴こえて……。みんなはこのライブが終わって少し経ったらまた別の誰かを好きになるかもしれない。それでいいから、私たちのことを好きだった時間を忘れないで下さい。私も忘れません」(渡邊)

「私たちの決断を受け止めて下さってありがとうございます。5人それぞれ新しい道を進んでいくんですけど。今後も、応援してもらえたら励みになります。最後まで、私をセンターでいさせてくれてありがとうございます」(林)

そうして、林が「最後はみんなで笑顔になりたいです」と伝え「SMILE」を届け、5人はステージを後にした。しかし、止まないアンコールに応えて、メンバーは再びステージへ。武道館のときと同じように、渡邊の曲紹介でデビュー曲「ベイビーレイズ」を最後に熱演。メンバーを代表して傳谷が生声で「6年間の感謝の気持ちを込めて、ありがとうございました」と叫び、炎があがるなか、5人は1度も客席を振り向くことなく、しっかりと前だけを見つめてステージを去っていった。

18時04分、ベイビーレイズJAPANはその6年間の活動に幕をおろした。



その直後、スクリーンを通してアカペラから始まる「夜明けBrand New Days」の新録バージョンのMVが流れだした。レコーディングしている姿をとらえた映像のなか、カメラはステージ衣装ではない“これから”の5人を映し出す。新録バージョンには、驚いたことに歌の続きまであって、そこにはこれからの彼女たちと虎ガーに向け、エールをおくる“僕が目指す明日へ 君が目指す明日へ 全部抱きしめて また続く 信じて 走れ 夜明けBrand New Days!”と歌う新パートまで追加されていて目頭が再び熱くなる。MVが終わると、これまで歩んできたベビレと虎ガーの人生、さらには今後のみんなの未来全部を祝福するように、ステージ後方から盛大な花火が何発も打ち上げられた。

最後まで涙しながらも、お互いを讃えあいながら、感謝しながら走りきったベビレ解散ライブ。この模様はライブ映像とドキュメンタリーを合わせたBlu-ray3枚組として発売。さらに新録された「夜明けBrand New Days(farewell and beginning)」はベビレのデビュー日、9月26日に各音楽配信サイトにて配信リリースされる。

取材・文◎東條祥恵


■セットリスト<ベイビーレイズJAPAN LAST LIVE「全虎が啼いた!伝説の最高雷舞(クライマックス)」>

<前半>
M1 ゲート・オブ・ザ・タイガー
M2 Pretty Little Baby
M3 恋はパニック
M4 Ride On IDOROCK メドレー
   ひとめぼれ初恋もよう(大矢)
   FOREVER MY FRIEND(高見)
   Baby kiss(傳谷)
   Pondering(林)
   真夏のフィーバー!(渡邊)
M5 ニッポンChu!Chu!Chu!
M6 世界はチャチャチャ!
M7 ワハハ
M8 ベイビーステップ
M9 スーパーノヴァ
M10 バキバキ
M11 勇者ボクの冒険
M12 暦の上ではディセンバー
M13 Again and again
M14 JUMP
M15 ベイビーアンビシャス!
M16 ハッピーエンドレス

<後半>
(M0 夜明けBrand New Days)
M1 栄光サンライズ
M2 アンチヒーロー
M3 走れ、走れ
M4 新しい世界
M5 虎虎タイガー!
M6 ぶっちゃけRock`nはっちゃけRoll
M7 涙のち晴れ
M8 ボクラノリアル
M9 何度でも
M10 Dreamer
M11 ビッグ☆スター!
M12 アバタがエクボ
M13 TIGER SOUL
M14 ベイビーレボリューション
M15 閃光Believer
M16 ○○○○○
M17 シンデレラじゃいられない
M18 ベイビーレイズ
M19 夜明けBrand New Days
M20 僕らはここにいる
EN1 スパイラル
EN2 SMILE
DEN ベイビーレイズ

配信シングル「夜明け Brand New Days (farewell and beginning)」

2018年9月26日(水)配信スタート

『ベイビーレイズJAPAN LIVE Blu-ray 全虎が啼いた!伝説の最高雷舞(仮)』

発売日…2018年12月下旬予定
最速受注販売…2018年9月25日(火)0時から、ベイビーレイズJAPANオフィシャルグッズショップにて
https://brj.official.ec/
販売価格…15,000円(税込)
WIZY限定版予約販売期間…2018年9月25日~10月31日(水)23:59
https://recochoku.com/wixy/project/babyraids/

◆ベイビーレイズJAPANオフィシャルサイト
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