【インタビュー】DIR EN GREY、10thアルバム完成「今、行くべきところ」
■ハードコアな感じが出てくるというのが
■いつもとは違うぞと(笑)
──「絶縁体」を耳にしたときに、待ってましたって感じがありましたけどね(笑)。
薫:やっぱ、みんな好きですよね、俺らを取材しているような人たちは(笑)。
Toshiya:個人としては、別に嫌いとかそういうことではないんですけど、あまりにも複雑になりすぎると収拾がつかなくなってしまうなというところで、ちょっと危惧していたところはありましたけどね。
▲京(Vo) |
Toshiya:いや、まだライヴで合わせてないから何とも言えないんですけど(笑)。でも、バランスを考えれば、確かに欲しいだろうなとも思ったし、そういうのもあったからこそ、今のDIR EN GREYがあるんだろうなとも思いますし。だから、ここにきて、こういう楽曲が出てきたのは、やっぱりどこかで求めていた部分があったのかなと素直に思ってますけどね。まぁ、あとはちゃんとライヴでやれるように頑張るだけですけどね(笑)。
──さんざん難解な曲をやってきたバンドですから、何の問題もないと思いますけども(笑)。
Toshiya:そういうふうになりたいですけどね(笑)。でも、アルバム全体を通したときに、最後の最後で、フックと言ったらおかしいかもしれないけど、捉え方がいろいろあるとは思うけど、ポイントには必ずなってくる曲だと思います。
──特に「絶縁体」のような曲は、DIR EN GREYじゃなきゃできないなと思うんですよ。実際に時間を確認すれば、長編であることはわかりますが、長さを感じさせないんですよね。話を戻しますが、このアルバムはとにかく頭からの畳み掛けが凄まじい。「軽蔑と始まり」でまず始まる、曲順の妙もあるかなと思いますよ。
薫:うん。頭とケツのほうの感じは、これしかないかなぐらいの感じはあったんですよ。だから、あとはその間の流れですよね。今回は歌詩を途中で見せてもらったりしてたんですよ。そこでの並びのヒントとか、その辺も踏まえたうえで最終的には決めたんですけど、1曲目はこれしかないかなって……これしかないってことはないんでしょうけど、これがベストかなと思って。そのうえで、各曲の聴かせ方とか、このアルバムの中にそれぞれが存在する感じを考えていって。もうちょっとバランスをとったほうが、アルバムとしては聴きやすくなったり、面白いかなというところもあったりするんですけど、この流れに落ち着きましたね。
Toshiya:まあ、衝撃と言ったら衝撃になるのかなぁ。1曲目というのは考えますよね、いろんな意味で。どんなふうに蓋を開ければいいのかなというか。考えれば考えるほど、いろんなパターンが出てきますよね。何が来ても、扉は開くんで。ただ、DIR EN GREYが選んだのはこの曲だったという感じかなぁ。
▲2018.08.24@東京国際フォーラム/京(Vo) |
Toshiya:そうですね。アグレッシヴな部分はすごくアグレッシヴなんですけど、結構、繊細というのかな。多分、勢いだとか、攻撃性というものが前面に出てきていると思うんですけど、実際に自分たちでやってみると、ものすごく緻密なんですよね。だいたいライヴ前にはいつもリズム隊でリハに入るんですけど、そのときも、同じようなことをやっているようで、意外とちょっと違っていたり、慣れるまでこんがらがるっていうんですかね(笑)。
──ただ勢いで駆け抜ければいいという曲ではない。
Toshiya:ではないなぁ。でも、そういうふうに勢いとかが感じられるというのは、楽曲が持ってるパワーだと思うんですよね。
──そうですね。その次の「Devote My Life」が、「軽蔑と始まり」の攻撃性をさらに増幅させますよね。
Toshiya:そうですね。リズムパターンとかも、ちょっと今までにはなかった感じで……でも、ライヴでやってみると、ちょっと印象が変わるなというのは個人的にはありましたかね。自分では、ちょっと不思議な感じの曲になったのかなと思ってたので、のりやすいのか、どうかのかなと思っていたんですよ。でも、ライヴでやってみたら、結構、お客さんも普通にリズムにとってる感じなんだなと思ったので。
──すごく疾走感に溢れた曲という第一印象がありますけどね。
薫:ちょっとおかしなハードコアみたいな曲になればいいかなってイメージで作ってましたかね、わりと。
──そこが新鮮ですよね。
薫:そうそう、今までなかったですよね。要素はあったと思うんですけど、ここまではっきりと1曲で固まってる感じはなかったと思うので。アルバムにはこういう曲は必要やなとは思ってたんですけど、上手く出来上がってよかったなと。1曲目はちょっとスラッシーな感じがするんですけど、ここからハードコアな感じが出てくるというのが、いつもとは違うぞと(笑)。
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