【連載特別編】フルカワユタカとHATANO [HAWAIIAN6] はこう語った -net radio- vol.8-
フルカワユタカ連載コラム『フルカワユタカはこう語った』の特別編“net radio ver.”第八弾が、ゲストにHAWAIIAN6のHATANOを迎えて実施された。
◆『フルカワユタカとHATANO [HAWAIIAN6] はこう語った -net radio- vol.8-』 動画
この対談は、フルカワユタカ、HAWAIIAN6、STOMPIN' BIRDの3マンによる<フルカワユタカ presents「5×20 additional, PlayWith シックス」〜with 6 & STOMPIN' BIRD〜>開催後に行われたものだ。HAWAIIAN6との付き合いがドーパン(DOPING PANDA)インディーズ時代の黎明期に遡り、当時最も関係性の深いバンドのひとつだったことは、これまでの同コラムで幾度となく語られているとおり。両者の交流はある時を境に薄くなってしまったようだが、ドーパン解散が決まった時、一番最初に報告したミュージシャンはHATANOだったという。
トークセッションはその時代はもとより、両バンドが距離を置いた本当の理由、あの頃のメロディックシーンとメジャーシーン、バンドのスタンス、さらにはタロティ(DOPING PANDAのベーシスト)の今などが、爆笑に次ぐ爆笑のうちに語られる。が、歴戦をくぐり抜けてきた強者同士なだけに、話は実に深く熱い。おそらく当時を知るファンにとっても初めて聞く話が少なくないだろう。ぜひともお聞きいただきたい。その前に、フルカワ自身が記したイントロダクション的コラムから(BARKS)。
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MCやらこのコラムやらで、もうそろそろ語り尽くした感のあるフルカワユタカの過去だけど、今回のnet radioの前文は木下(ART-SCHOOL)や田上さん(TGMX / FRONTIER BACKYARD)と出会うもっと前、HAWAIIAN6やSTOMPIN' BIRD、Jr.MONSTERと過ごした“あの頃”のお話から。
当時の僕らに、お客なんていないからフロアには出演者のみ。今思えばあれは音楽イベントではなくて身内の発表会だったのではないかしら。毎月毎月、時には毎週、主催と箱を変えながらの民族大移動。我らドーパンは角張渉がもぎりのバイトをしていた西荻WATTSの担当だった。てな話くらいはコラムでもしたっけな。
1997年の終わり頃か1998年の始め頃、僕は大学生で西調布に住んでたし、まだドラムは隼人じゃなかった。「あそこ(HAWAIIAN6)のドラムはハイスタ(Hi-STANDARD)の(横山)健さんと仲いいから繋がった方が良いよ」──高円寺GEARのブッキングイベントで、バンド名は忘れたけどその日の出演者にそう耳打ちされて、それを楽屋にいた出番前のはっちゃん(HATANO)に告げ口して、2人でそいつの悪口言いまくって大盛り上がりしたのがはっちゃんとの出会いだった。
そこからどうやって、お互いのイベントに呼び合って毎月のように対バンするようになったのか、一緒にツアーをするほどの関係になったのか、その経緯は昔話過ぎてさすがに忘れた。あの頃、他にも沢山バンドいたのに、誰かが選別したわけでもなく、自然に数バンドで群れて、新宿のライブハウスの名前をとって“ACB系”なんて呼ばれて。あれもれっきとした“シーン”ってやつだな、今思えば。
とりあえず、楽しかった。僕はなめられたくなくて国立大学に行ってることをみんなに黙ってた。“そんなのパンクじゃねえ”ってギターを練習するのをやめた。だってインテリのバカテク野郎がやるパンクロックとかめちゃくちゃダサイじゃない。ライブやって、お酒飲んで、馬鹿な話だけして、始発待って、バイト行って。やたらくだらなくて楽しかった。僕の高校時代は中々の暗黒だったから(笑)、“青春”と呼べる時期が僕にあるとしたら、それは間違いなく“この頃”だ。
2000年、<AIR JAM>が終わり<ROCK IN JAPAN FESTIVAL>が始まった。各々がCDをリリースしていく中で、HAWAIIAN6の『FANTASY』というミニアルバムがヒットして、フロアには彼ら目当てのお客さんが沢山集まるようになっていた。はっちゃんのMCが兄貴肌な熱い話になったのは“その頃”だ。“仲間”とか“俺たちの<AIR JAM>を”とか言ってたと思う。ステージ袖で目を赤くしてるバンドマンとかが、本当にいた。
一方、僕は田上さんと遊ぶようになって、パンク以外のいろんな音楽を知り、人生が暗黒になるほどのめりこんでいた高校時代以上に音楽を聴き漁るようになっていた。ギターも毎日弾いた。単純だった青春の日々は少しづつ複雑になっていき、ドーパンはACBを離れた。「アイム・ロックスター!」──僕がライブでそう言うようになったのも“その頃”のことだった。
2012年、ドーパンの解散が決まったとき、ミュージシャンで真っ先に報告したのははっちゃんだった。理由はよく分からない。もしかしたらその2年前、松山ツアーの打ち上げでバンドに対する考え方の違いから口論になったことが引っかかってたのかも知れない。「はっちゃんの心配した通りになっちまったよ」って。あるいはもっと単純に、“ドーパンはそこから始まったんだから終わる時はそこに報告するもんだ”と思ってのことだったのかもしれない。覚えてないけど、後者な気がする。その頃の僕はまだ負けを認めたくなかっただろうから。電話越しのはっちゃんは「残念だな」とは言いながらもそんなに驚いてなかった。それから「ユタカはまだ続けるんだろ?」って言われたのは覚えてる。
去年の10月、思い立ってSTOMPIN' BIRDとHAWAIIAN6の2マンを見にリキッドルームに行った。ユウタにだけ知らせてみんなには内緒で行ったら、ことのほか喜んで(楽しんで?)もらえて、転換中に2曲ほど歌わさせられた。肝心のライブはというと、2バンドとも僕の知ってる曲はほとんどやらなかったけど、懐かしかった。ヤスとはっちゃんの熱いMCがちょっと響いた。対バンイベントを企画しようと思った。
先日、下北沢シェルターで行われた<フルカワユタカ presents「5×20 additional, PlayWith シックス」〜with 6 & STOMPIN' BIRD〜>、ありがとうございました。YASU (stompin’ bird)のMC以外は本当に最高でした。
▲<「5×20 additional, PlayWith シックス」〜with 6 & STOMPIN' BIRD〜>2018年8月31日(金)@下北沢SHELTER/フルカワユタカ / HAWAIIAN6 / STOMPIN' BIRD and……
と、ここで、はっちゃんに提案があります。フロアに俺たちしかいないイベントやりませんか。オールナイトで5~6バンド、持ち時間各30分。バンドノルマって頭割りで3万円とかだっけ? だけどチケットは売らないわけよ、あくまでも“売れなかった”という体で。ジュニモン(Jr.MONSTER)は「こいつらみんな友達だ!」って言い張ってチケットさばきそうだけど、そんなのも無しで。
入り時間に入って、ちゃんとリハもする。20分づつ。逆リハで。って、オールのイベントだとリハ出来ないんだっけ? バンド間のコラボとかもなしね。そんなの無かったじゃない。他のバンドに負けないように、みんなただただ演奏してただけだったじゃない。新曲もちゃんと用意しよう。「次、新曲です!」……って誰得だよ!
はっちゃんが今回の下北沢SHELTERで、「第一線でユタカがまだやってるから受けた。懐かしがるだけのものなら受けなかった」って言ってくれて、それは純粋に嬉しかったけど、それってチケ代取って興行やるってことへのプロ意識だよね。分かるぜ。だったら、客いなきゃ懐かしいだけのことも出来るってことよね。
多分何も生まない。いや、絶対に生まない。むしろ失うね。でもあなたそういうの好きでしょ、昔から。きっと楽しいと思うんだよ。元メンバーにも頼んでみるからさ。
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■コラボ両A面シングル「クジャクとドラゴン / インサイドアウトとアップサイドダウン」
2018年12月5日(水)発売
NIW143 1,852円+税
1. クジャクとドラゴン feat. 安野勇太(HAWAIIAN6)
2. インサイドアウトとアップサイドダウン feat. ハヤシヒロユキ(POLYSICS)
▼Bonus track
9/26@下北沢440 アコースティックライブ音源10曲収録予定
※ボーナストラックはデジタルリリースなし。CDのみ収録。
■<フルカワユタカ presents「5×20 additional, PlayWith tour 2018」>
10月28日(日) 名古屋HUCK FINN
w/荒井岳史(the band apart)
10月29日(月) 梅田シャングリラ
w/夜の本気ダンス
10月31日(水) 下北沢SHELTER
w/髭
▼チケット
4,000円 (+1ドリンク代別)
オールスタンディング/整理番号付
■HAWAIIAN6主催<ECHOES 2018>
2018年10月14日(日) 東京・新木場STUDIO COAST
OPEN 12:30 / START 13:00
▼出演
HAWAIIAN6 / AGGROKNUCKLE / bacho / BEYOND HATE / The Coastguards / 九狼吽 / dustbox / ENDZWECK / FIVE NO RISK / GARLICBOYS / GOOD4NOTHING / G-FREAK FACTORY / KAMOMEKAMOME / KiM / locofrank / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / THE NO EAR / OVER ARM THROW / OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND / PALM / REALITY CRISIS / 雷矢 / SABANNAMAN / SIX LOUNGE / SLANG / SO WHAT / spike shoes / STOMPIN'BIRD / しけもくロッカーズ / 鐵槌 / waterweed
▼チケット
¥3,900 (D別)
一般発売 : 8/25〜
・チケットぴあ P126-858
・ローソンチケット L:71367 イープラス
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