【インタビュー】カイワレハンマー、2枚をそれぞれのコンセプトから作り上げたインディーズ最後のアルバム『Sequel』

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2017年は全国30ヶ所のツアーとミニアルバム『BegInner2』のリリースで、また一歩キャリアを進め、2019年のメジャーデビューも決まったカイワレハンマー。そのデビューを控え、彼らがインディーズ最後となるアルバム『Sequel』を完成させた。今回のアルバムは、二人で盤を分け合い、それぞれにコンセプトから作り上げた2枚組となっている。メンバーのワタナベマホトことBEMAとimigaの二人に話を聞いた。

■インディーズのラストっていうこともあって
■お互いのコンセプトに乗っけるという形でした


――普段から二人で音楽の話をしたりしますか?

BEMA:あまりしないんですよね、「最近何聴いてんの?」ぐらいの感じで。しかも、imigaはアニソンしか言わないんで、聞かなくてもいいわって。

imiga:(笑)。アニソンばかりよく聴いてた時期があったんですよ。絵描くの好きなんですけど、絵を描いてる作業BGMでよくアニソンを流していて、めっちゃテンション上がるんです。「コードギアス」とか。ちょうどその時期と(今回のアルバムの)制作がかぶっていたので、ちょっと影響されているかもしれない。

――そうなんですね。今回のアルバムは、ディスク1「カイワレ」がポップス・サイド、ディスク2「ハンマー」がヒップホップ・サイドという色分けが念頭にあったそうで。

BEMA:今回は2枚組にしたかったのと、(インディーズの)ラストっていうこともあって、お互いのコンセプトに乗っけるという形でしたね。だからポップスの方(ディスク1)は相方がやりたいものに乗っかるだけなんですけど、自分の担当してるヒップホップの盤(ディスク2)だけはしっかりこだわりたかったしホントに納得するものしか作りたくなかった。


▲『Sequel』初回限定盤


▲『Sequel』通常盤

――メジャー・デビューを控えて、区切りの意識もいくつかの曲の歌詞に見えますね。

BEMA:そうですね。「ラストソング」はホントそのまんまの意味で区切りの曲として作りました。

imiga:ディスク1は、ポップス寄りでファンタジックな内容なんですけど、送られてきたトラックがファンタジーに合うようなものだったから、これで行こうって感じで。メジャーデビューは未知の領域だから、それを宇宙に例えたり、制作の裏側の努力だったり、それをライヴで披露するっていうのを「マジック」として比喩したり、全体に変化をイメージしたものになっています。

BEMA:作るメロも全く違いますし、完全ポップスじゃんみたいな。俺はそういうのあんまり出てこないんですけど、彼はバンバン出てくるんで。そこが違いですよね。

imiga:だから、マホトの意外なところが引き出せたかな? 今回2枚組で分けたことによって、お互いのスタイルがより鮮明に浮き出たし、それがはっきりしたのはよかったと思います。


▲BEMA

――ディスク2の方はどうです?

BEMA:ヒップホップを聴きはじめた人でも、ずっとヒップホップを聴いてた人でも「あ、これヒップホップだね」って思えるものが、やっぱり俺はヒップホップだなと思っているんです。だからクラシックって言われるような、サンプリングのビートで、ループトラックで、そんなに変化球もない90年代ぐらいのものがいいと思っているし、今回もそういうのをやりたかった。今までは言葉を詰めたり、母音を崩したりとか結構崩した感じのラップをしていたんですけど、今回は一発で聴きとれるもの、ライヴに来て初めて聴いてもここパンチラインだねってなるような曲が欲しいなと思って作りました。

――じゃあトラックメイカーとのやりとりがあったり?

BEMA:俺はベタベタなヒップホップでクラシックな感じ、サンプリングを使って音数もそんなにないものがやりたかったんですけど、最初に30曲ぐらい送られてきたトラックが派手めだったりして、「どれもやりたいものじゃない」って言って。もうちょい荒くて土くさいものが欲しかったので、こうしてくれ、ああしてくれっていろいろ言いましたね。それで、自分で全部トラックを決めて、「これやるからね。コンセプトはこれ。歌詞こんな感じだからこれに合わせてね」って感じで(imigaに)投げて。


▲imiga

――二人それぞれに曲作りの進め方に違いはありますか?

BEMA:トラックにもよりますね。ヒップホップの方は歌詞とフロウを一緒にやったんですけど、ポップスの方は先に鼻歌みたいにハメて、上から歌詞乗っける感じでしたね。

imiga:僕は楽器が弾けないんで、トラックを聴いて鼻歌で決めるんです。それで何度も何度も仮レコーディングして、いいメロディーが決まったら、そこからどうメロディー変化させるかっていう作業に入る。それが決まってから歌詞を当てはめる感じで書いています。ラップはこのアルバムに関しては逆ですね。歌詞を書いてから乗り方を決める。というのも制作期間が短すぎて、先に歌詞を書いてないと間に合わないという感じで(笑)。

――特に思い入れのある曲などがあれば教えてください。

imiga:今までカイワレハンマーとして出してきたアルバムで、僕がサビを歌っている曲もあるんですけど、オクターブが下なので目立ってないんですよ。なんで、今回の「スペース」と「マジック」は、初めてというぐらい、自分のサビが結構表に出てきています。だからそれが出来上がってうれしいなって。

BEMA:ディスク2の3曲目に入っている「HATE」は実話で、聴いて誰が得すんのっていう曲なんですけど、希望もなにもない失恋ソングもやりたくて。だから、ほぼ自分のソロ曲ぐらいの感じでやりたくて、彼(imiga)は8小節ぐらいしかラップしていないし、その次の「RELAX」も昔、仲間内でやってたことを実話でしっかり書いた。そういうの聴いていると、自分の中で思い出がよみがえります。

◆インタビュー(2)へ
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