【インタビュー】ベリーグッドマン「しんどいと思ってる人にかけてあげるのはどんな言葉なのかを考えることが愛情だと思うんです」

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5年ぶんの愛と人生と感謝を2枚のCDに詰め込んで、あなたにデリバリー。念願の大阪城ホールワンマンを年明けに控えたベリーグッドマンから届いた新作『BEST BEST BEST』は、6枚のフルアルバム+1枚のミニアルバムからの代表曲を選りすぐった最強ベストだ。<LIFE DISC>と<LOVE DISC>に振り分けた全34曲に寄せる三者三様の思い、そしてベリーグッドマンが思う応援歌の定義とは? 初のメンバー全員インタビュー!

■まだ僕たちを聴いたことのない人に手に取ってほしいので
■入れられるなら全部入れたいけどかなり悩みました


――たかが5年、されど5年。こうして聴き直すと、声も歌詞もサウンドも、やっぱり進化していると思いますね。

Rover:そうですね。インディーズ1枚目に入ってる「ファンファーレ」は、すごく若い歌い方をしているので録り直そうという話になったんですよ。でも本当にこの曲を聴きたい人は、成長した僕らをライブに聴きに来てくれたらいいと思うので、再レコーディングを考えたけどやめました。極端な話、全部録り直したいといえば録り直したいんですけど、それをやりだしたらきりがないんで。ただ「Happy Wedding」だけは、あのあとMOCAも結婚したし、今の声で歌えるかな?という思いも込めて歌い直しました。

MOCA:久しぶりに聴いてみると、「この時こんなことあったな」「変わってないな」「あの時よりも強くなった思いがあるな」とか、いろんな思いがあったかなと思います。

HiDEX:あらためて昔のトラックのデータを開いたら、「こんな音、よう使ってたな」「この音の入れ方、素人くさすぎるやろ」とか、そんなのばっかりで(笑)。1枚目の時は三人とも無我夢中でなんとか曲にしていたんですけど、だんだん曲作りがうまくなっていくのが手に取るようにわかりましたね。たとえば「It's more love」という曲は、2011年ぐらいに初めてMPC(サンプラー&シーケンサー)を買って、テンション上がって作った曲なので、データがむちゃくちゃなんですよね。ここに入ってるのはリミックスなんで、ちゃんとしていますけど。あと「ファンファーレ」もすごかった。そもそも「データどこにあんねん」というところから始まって、2世代前のハードディスクを引っ張り出してきて、いろんなところに散らばっていたデータを全部まとめて。

Rover:棚卸しみたいな感じ。

HiDEX:データをまとめるのは1時間ぐらいで終わるやろと思ったら、探すのに1時間かかりましたね。1枚目はほんとに無我夢中で、三人とも何の知識も知恵も経験もなくやっていたんですけど、でもそういうところにハングリー精神があったんだなと思います。未だに良い曲だと思いますね、「ファンファーレ」とかは。


▲BEST ALBUM『BEST BEST BEST』初回限定盤


▲BEST ALBUM『BEST BEST BEST』通常盤

――そもそも今回の2枚組ベスト、選曲はどんなふうに?

Rover:入れられるなら全部入れたいし、かといって自分たちが好きな曲を選ぶのもおかしいし、かなり悩みました。特にまだ僕たちの音楽を聴いたことのない人に手に取ってほしい気持ちがあるので、難しかったんですけど、<LIFE DISC>と<LOVE DISC>に分けたことで選びやすくなったと思います。「ミクロコスモス」を<LIFE DISC>に入れられなかったのは失敗でしたけど。

――いきなり失敗の話(笑)。

Rover:かといって「ミクロコスモス」を入れて何を外すか?といったら、それも難しい話で。とにかくこのベストをきっかけにほかの作品も聴いてもらえたらと思って、あまり力を入れすぎずに決めた感じですね。個人的にはやっぱり「ライオン」は入れたいと思ったのと、「さくら」はすごくいい曲で、卒業を控えている人に聴いてほしくて、入れたいと思いました。あとはすごくいい新曲が2曲できたので、それが一番のファンへのプレゼントだと思っています。

MOCA:僕たちには目立ったヒットはなくて、ライブで育ってきた曲ばかりなので、僕たちとファンの方との絆という意味で、ライブで多くやってきた曲を入れたいと思っていました。三人で話し合って決めたんですけど、「ライオン」が軸になって、あとはほぼ一致でしたね。曲順は、僕の中では「DJするなら」という流れに沿っていて、そこを感じ取ってもらえたら面白いと思います。

――HiDEXさん。どうしても入れたかった曲とかは?

HiDEX:<LIFE DISC>14曲目の「You」ですね。よくTwitterで、あの人は応援歌でもラブソングでも同じような言葉ばかり使ってるとか、ディスられていますよね。でもそれがその人が本当に言いたいことなら、どんなにクサくても言えばいいと思って、この曲を作ったので。ほかは三人とも満場一致な感じだったんですけど、この曲だけ僕がわがままを言って入れました。

――新曲は、<LIFE DISC>と<LOVE DISC>に1曲ずつ。まず「プレイヤー」について。

Rover:「プレイヤー」は5年間の喜びが詰まった感じの曲で、出来上がって聴いた時には鳥肌が立ちましたね。等身大で歌えているし、今の時点で三人でこの曲を書けて安心しました。


▲Rover

――バンドっぽいサウンドですよね。珍しく。

HiDEX:そうですね。元々昔に作ったトラックがあって、一旦三人で歌詞を書いたんですけど、このテンポ感でこのメッセージ性ならバンドサウンド以外に考えれなかったんで、頑張ってドラムも生っぽく打ち込んで。

Rover:厳密に言うと、サビのリズムがちょっと走っているんですよ。いつもだったら直してるところを、直さずともイケてるところがむっちゃかっこいいなと思ってます。

HiDEX:ライブっぽいよね。

Rover:ライブで歌っている時は絶対走っていると思うし、それを包み隠さずに出せるのはすごいことだと思うんで。しかもめっちゃいい感じに仕上がってるし、僕は大好きな曲ですね。

MOCA:「プレイヤー」は、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」エンディングソングで、パワプロの映像を見て作ったのを憶えています。「ドリームキャッチャー」(アニメ「メジャーセカンド」オープニング曲)よりもさらにパワフルな感じにしようと思って、映像にも合っているし、もともとデジタルサウンド系だったものをHiDEXがバンドサウンドに変えてくれて、より合ったかなと思いますね。僕らの今の心境というか、「いろんなことがあるけどとりあえず全部やってみようぜ」という決意を込めて作った曲でもあります。

――MOCAさん、“Don't think feel”って歌ってる。

Rover:ブルース・リーですね。MOCAはずっとブルース・リーに憧れてここまで来ているんで。

MOCA:まったく来てないわ。僕がよく着てるキングサイズというブランドのロンTに書いある言葉なんですよ。その前の“To be is to do”というのは大学時代に作ってあった歌詞で、いつか使える時はないかなと思っていたのがやっと来ました。

Rover:「プレイヤー」はすごく良い言葉だと思っていて、ゲームの世界にぴったりハマることもあるんですけど、どの世界でも何かにプレイしていると思うんですよ。ミュージシャンもプレイヤーだし、サッカー選手も、俳優もプレイヤーだと思うし、勝敗は別にして、戦っている人がプレイヤーだと思うんですね。だからその人たちの応援をするというよりは、その人たちの苦労を知るというか、勝敗に挑む時の心の中は葛藤だらけだし、その苦しみを分かち合おうというエールの曲かなと思います。


▲MOCA

――ベリーグッドマンは、応援歌のグループみたいに思われてるところがありますよね。あらためて、ベリーグッドマンが考える応援歌ってどういうものだと思いますか。

Rover:励ますとか寄り添うという意味では、僕はラブソングでも応援歌は作れると思うんですよ。ジャンルで言うと、ラップでもジャズでも演歌でもできるし、もっと言うとインストバンドでもできると思う。そこに何があるから応援歌なのか?というものはないと思うんですけど、たぶん愛情だと思うんですね。しんどいなと思ってる人に対して、どんな声をかけてあげればやる気が出るのかって、考えることが愛情だと思うんですけど。

――そうだと思います。

Rover:僕たちも少なからずそれで励まされたし、それで立ち上がってきたタイプの人間で、今ここにいるんで。その人の言葉や、言い方や、表情に励まされたことが何回もあって、それをたまたま音楽でやらせてもらってる感じかなと思いますね。さっきHiDEXが言った、J-POPの世界で、聞いたことがある言葉を自分の言葉のように使うとか、僕はそれでもいいと思うんです。言葉に著作権なんてないし、たとえパクッていても伝わればいい。伝わらないからそういうことになると思うし、伝わってない人がそういうことを言うと思うんですよ。でもそれで励まされる人、助けられる人がいっぱいいるから、薬と一緒で、同じ薬を飲んでも人によって治り方は違うし、そんなことを考えながら堂々と作れた曲ですね。「プレイヤー」は。

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