Hiroのもいもいフィンランドvol.59「Apocalypticaミーグリ」

ツイート

チェロでメタルを奏でるApocalypticaのヘルシンキ公演で、フィンバンドにしてはめずらしい有料のミート&グリートに参加してみた


1996年に発売になった4人のチェロ奏者でMetallicaをカヴァーしたApocalypticaのデビューアルバム『Plays Metallica by Four Cellos』発売から20周年を記念して、このデビューアルバムのボーナストラック付きリマスター盤が2016年7月に発売になりました。その翌年2017年2月よりデビュー当初バンドにいたチェロ奏者アンテロ・マンニネンをメンバーに加え、他3人のチェロ奏者エイッカ・トッピネン、パーヴォ・ロトヨネン、ペルットゥ・キヴィラークソとドラマーミッコ・シレンの5人でワールドツアーを行ってきました。そのApocalypticaの今回のツアーの閉めくくりが先月ヘルシンキのタヴァスティアクラブで3日間にわたり行われました。すべてソールドアウトだったのからも彼らの人気のほどがわかるかと思います。

私が行ったのは一番最初に発表になった真ん中の公演。それがすぐソールドアウトになり前日追加公演が入ったものの、それもソールドアウトになりもう1日追加公演が出ました。その自分がチケットを買った真ん中の日にだけ、後日有料のミート&グリートが告知されました。チケット代は40?(約5180円)とフィンランドのバンドにしては高め。ミーグリのお値段は29.99?(約3890円)とごく一般的なフィンランドのバンドのライブチケット代(20?前後が多い)よりも高い!ミーグリについての詳細はライブの1週間ほど前にメールで届くとのことで、気になるのはアーリーエントリーが含まれているかどうか。タヴァスティアのステージはそれほど高くもないので、身長159㎝の私はフィンランドでは背が低く、後ろになるとステージがよく見えないので前をゲットしたい。こちらのスタンディングは整理番号がないので、早くから並びさえすれば最前ゲットの可能性は高く、バンドにもよるとは思うもののタヴァスティアならライブにさえ行けばミーグリに参加しなくてもメンバーに会える確率は高いので、有料のミーグリに参加しなくてもいいのだけど、ミーグリの後そのまま会場の中に残れるのではないかと思い、そうならどんなに早くから並んでも、ミーグリに参加しなきゃ前はとれないかも、、、と悩んだ末参加することに。

約束通り1週間ほど前にメールでお知らせが届きました。ただそれには何時にどこに集まっておくか、開場30分前にミーグリ開始としか書かれてなく、ミーグリの内容などはわからずじまい。開場30分前ならそのまま中に残れそうと思ったものの、今回のミーグリは当日のチケット持ってない人でも参加可能だったので、詳細不明のまま参加に。当日ミーグリ参加者を中に入れるのに迎えに来ると告げられてた時間ちょっと前に会場に到着したメンバーもいたりで、予定の時刻過ぎてもやっぱり迎えが来ない。まぁフィンランドではよくあることとしばらく待ってると無事迎えが来て中に。この時にミーグリのチケット、身分証明書、そして当日のライブチケット持ってる人はそこで見せ、手の甲に透明のハンコを押されました。中のロビーでクロークに荷物を預け列を作って待つことに。ぱっと見た感じ参加者の半分以上は外国人っぽかったです。ミーグリ開始予定時刻になってもサウンドチェックが続いていてメンバー現れず(笑)。10分ぐらいしてからだったかアンテロをのぞくメンバーがロビーにいきなり現れました。たまたま目の前に現れたエイッカに今後のバンドの予定をきくと、この後ニューアルバム制作に入り、予定では来年秋に発売したいということでした。


さてミーグリの内容は、まずメンバーと一緒に並んでカメラマンがポラロイドカメラで写真を撮ってくれ、すぐに手渡してもらえました。希望があれば自分のケイタイやカメラでも撮ってもらえました。参加者の3分の1ぐらいが写真撮影を終わった頃に、スタッフから「残り時間あと2分!」という声が!時計を見ると一般にドアがあくまで2分という意味だったんだと思いますが、とてもあと2分で参加者全員の写真撮影は終わりません。そこから少しテキパキになった感じはありました。写真撮影が終わった後はメンバーを捕まえながら皆ばらばらにサインしてもらったり、中にはさらに2ショットを撮る人もいたり。気になったのはその参加者のだんご状態からどうやってホールの中に入るか。とりあえず近くにいたメンバーにだけサインをもらい、いつも一番に開くホールのドアの前にいたら、チケット持ってる人は手に押されたスタンプを見せてロビーの入り口をもう一度通過するようにと。一般オープンの時間を15分ぐらい過ぎた頃だったかに、ドア開けるからメンバーはバックステージに戻るように指示が。とはいえ、ミーグリに参加した人全員をチェックするわけでもなく、チケット持ってなくても持ってた人の群れに紛れ込んでもわからない状態だったような。ほとんどの人は持ってたとは思いますが。とりあえず今回のミーグリの内容はメンバーと一緒に写真が撮れ、そのあとは自由にメンバーを捕まえサインがもらえた感じのフィンランドらしいゆるいミーグリでした。そして中に残れたのでアーリーエントリー付き!ちなみに来年夏のMetallicaのフィンランド公演のミート&グリート付きVIPチケットは日本円にして約29万円です。それと比べれば安かった!




ミーグリに参加したかいありで無事最前ゲット!今回のツアーはMetallicaをカヴァーしたデビューアルバムから20周年記念ということで、演奏したのはすべてMetallicaの曲。1部と2部に分かれていて、1部は1996年に発売されたデビューアルバム『Plays Metallica by Four Cellos』の曲をトラックリスト通り演奏。ドラムなしでチェロの4人奏者のみでMetallicaを奏であげたライブでした。その後の2部に比べるとおとなしめで、その分チェロの音色が引き立ち、その音色に酔いしれるようなライブでした。2部ではドラムのミッコが加わり、チェロとドラムでパワフルなライブに。チェロでパワフル?と思うかもしれませんが、隣にいた女性のヘッドバンすごかった。すごすぎて前のフェンスを手でつかんでないと後ろに追いやらせそうな勢いでガンガンヘッドバン。観客をそうさせるほどパワフルなライブ!今回のツアーに参加したアンテロはずっと座ったままほぼ無表情で通しましたが、エイッカやペルットゥはけっこう動き回ります。ペルットゥにいたっては床に座ったかと思えば寝転がったりしながらもチェロを演奏。今回シンガーは観客の君たちだよとライブの最初に言われましたが、ギターやベースとは一味違ったチェロの音色が素晴らしく、メンバー2人はロン毛で、1部では髪をお団子にくくっていたぺルットゥも2部ではお団子をほどき、ヘッドバンしながらチェロを弾くそのパフォーマンスも見事で、シンガーはいなくても充分楽しめました。今回のこのツアーではLOUD PARK 17の出演はありましたが、単独の来日公演はなかったので、次のアルバムのツアーでは単独来日ぜひ実現してほしいです。

















<Apocalyptica 2018年9月22日ヘルシンキTavastia公演セットリスト>
1部
・Enter Sandman
・Master of Puppets
・Harvester of Sorrow
・The Unforgiven
・Sad but True
・Creeping Death
・Wherever I May Roam
・Welcome Home (Sanitarium)
2部
・Fade to Black
・For Whom the Bell Tolls
・Fight Fire With Fire
・Until It Sleeps
・Orion
・Escape
・Battery
・Seek & Destroy
アンコール:
・Nothing Else Matters
・One

話は変わりますが、Facebookに「もいもいフィンロック」ページを作ってみました。フィンランド現地から日本語でフィンランドのバンドを中心に情報発信していく予定です。今回のApocalypticaのライブ写真も後日掲載の予定なので、ぜひのぞいてみてください。このコラム共々、そちらもどうぞよろしくお願いします。
https://www.facebook.com/moimoisuomirock/

文・写真:Hiromi Usenius

◆【連載】Hiroのもいもいフィンランドまとめページ
この記事をツイート

この記事の関連情報