【インタビュー】人見太志(グローバル・ハーツ)「最終的には渋谷の街の活性化に繋がればいいなと思っています」

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ハロウィンの季節がやってきた。街がざわつき始めたが、そのざわつきはナイトクラブの現場でも同様だ。東京・渋谷SOUND MUSEUM VISION(以下、VISION)でも4日間に渡って今年も<VISION HALLOWEEN PARTY 2018>が開催されることとなっているが、今回はそのVISIONを運営している株式会社グローバル・ハーツの取締役であり、企画開発創造事業部・本部長でもある人見太志氏に、今年のハロウィンについて、また同社の事業展開について話を聞いた。

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■ハロウィンはとにかく盛り上がる
■エンターテイメントのスペースとしてのVISION

──まずは一般の音楽ファンに向けて、VISIONがどんな場所なのか教えてください。

人見太志(以下、人見) クラブ好きな人へ向けては“音バコ”ですが、一般層へ向けて一言でいうと毎日さまざまなコンテンツを提供している“エンターテイメントのスペース”ですね。

──そのエンターテイメントなスペースであるVISIONの、例年のハロウィンはどんな雰囲気なのでしょうか?

人見 2015年、ちょうど10月31日が土曜日だったんです。その年の盛り上がりを見て2016年より渋谷道玄坂とスクランブル交差点を車両規制して、みんなが道路を歩けるようになりました。まさにその年、渋谷の街としてハロウィンをどう受け入れていくか、ということをやり始めた。その中で僕らは、渋谷の街をねり歩きながらお店に入ってもらい、さらにそのお店の中でコンテンツを見て、楽しんでもらう……昔は仮装している人も少なくてコンテストに意味がありましたが、今やみんな仮装していて、みんなレベルが高くて、ジャッジしづらくなって来てしまって近年は辞めてしまいましたが(笑)。

──ハロウィンの季節にVISIONに入場する人は……。

人見 おそらく半数の人は普段来ない人たちだと思います。それくらい街に人が出ますし。仮装ついでに入ってみよう、という人たちですね。

──理想論としては、仮装して初めてVISIONに来店した方が、「ここ面白いからまた来ようかな」と思ってもらえるのがいいですね。

人見 もちろんそうですね。今年は違う施策をしますが、これまでは仮装をしている方への商品に「1年間フリーパス」を差し上げる、などの試みを行なっていました。性の大半はそうですが、普段しないような過激な露出をして楽しんでますすし、まさに特別な日ですよね。

──今年2018年のハロウィンはどうなりそうですか?

人見 毎年10月31日を中心に前の週末から、“ハロウィンウィーク”的な催しを行います。まず31日のハロウィン当日は、今年は平日に当たりますが、たくさんの方たちが街に繰り出します。今年は、普段はブッキングしようなお笑いのコンテンツを入れたり、より一般の方たちに馴染みやすい内容にしました。とはいえ、若い子たちが聴きやすい最新の音楽を取り入れて、我々らしさを心がけてます。

──26日(金)、27日(土)、29日(月)、31日(水)と行われる<VISION HALLOWEEN PARTY 2018>ですが、各日で“売り”はありますか?

人見 26日の売りはVISIONではほぼレギュラーで毎月出てくれているDJ KAORIさんですね。27日はEXILE/PKCZ(R)でも活躍されているMAKIDAIさん。この日はそれに加えて、今年のキング・オブ・コントで優勝したハナコさんが登場します。29日の月曜日は毎週パーティをやっているレギュラー陣で固めました。31日に関しては再びKAORIさんを筆頭に、中田ヤスタカさん、サイバージャパンダンサーズ、あとはお笑いの“ひょっこりはん”に出てもらいハロウィン当日を盛り上げます。

──31日は平日ですが……。

人見 31日が土曜日だった次の年から曜日がズレますよね? その年は平日だからそれほど人は入らないだろうと予測してましたが大外れで、やっぱり31日に人が出てくる。もはや平日は関係ないようですね。キチンと日にちを守るのはなんとも日本人っぽいというか(笑)。

──ハロウィンは年々盛り上がっている感じはしますか?

人見 クラブ関して言うと、今までは歩行者天国みたいなことをやっていなかったので、みんがクラブに来ていました。今は街自体に人がたくさん来るようになっています。街での出会いとクラブの中での盛り上がり、それが交差するようになったので、人は増えている一方だと思います。遊び方ってことに関しては、街が仮装して歩けるようになったからクラブに行く人数は減っているかもしれませんね。ただ平日でも関係なく週末以上に人が出ているのは間違いない。

──とにかくハロウィンは来れば盛り上がる?

人見 それは間違いないですね。

──それだけ人が入るなら、普段クラブに行かないような人にぜひ続けて来てほしいところですね。

人見 そうは思いますが、ただハロウィンのときのクラブって普段と違う雰囲気なんですよね。なので個人的にはそこだけを入り口にはしづらい部分があります。もちろん一番入りやすいタイミングではありますけどね。今回の<VISION HALLOWEEN PARTY 2018>で、VISIONに一度来店していただいて、そこからいろいろな他のパーティを経験していけば、エンターテイメントのスペースとしてのVISIONを、より楽しめると思います。

■VISION、Contact、BRIDGE
■世代を超えて楽しめるクラブ

──御社の関連事業についてお伺いしたいと思います。まずはWREPはいかがでしょうか?

人見 ラジオ局「WREP」については、あれだけのメンツが集結している、ヒップホップというジャンルに特化したラジオ局は他に類を見ないと思います。昨今若い子たちってヒップホップに限らず、音楽の聴き方が変わってきていますよね? セルフプロデュースというか……例えばYouTubeでヒットしたらそのままそれがヒット曲になって渋谷で流行ったり。それと同じようにラジオの力を使って、そのローテーションの中で流行った曲がクラブヒットになる……そういう意味で、「WREP」はようやくメディアとして存在感が出て来たのかなと思います。

アメリカのビルボードチャートでもロックを抜いて、ヒップホップはメジャーになってきてますが、日本ではまだまだロックは強いですし、アイドルものが流行っていたり、世界に比べると違う見え方をしています。僕が見ている感じでいうと、ロックの人たちも音楽としてのヒップホップを見直していると思っていて……例えばロックのアーティストの曲にラッパーがフィーチャーされることも多くて、ヒップホップ全体を盛り上げることによって、クラブという音楽シーンのレベルをもっと上に上げることができたらなと思っています。

──ヒップホップのシーンでも若い子たちが出て来ていますが、WREPのレジェンド級のレギュラー陣と若い子たちとのリンクはできていますか?

人見 例えばBAD HOPは1年間レギュラー番組を持ってくれていたり……ニュージェネレーションですね。彼らも通常の販路を飛び越えたいわゆるYouTube世代で、想像を絶するというか、僕らの世代で武道館を埋める(※)なんてなかなかできなかったことがあり得る世代でもありますね。そういう意味ではまさにヒップホップドリームですよね。

そういう若い子たちとZEEBRAさんをはじめとしたレジェンドたちですが、彼らはやっぱりいろいろな経験はしてきていて、例えばZEEBRAさんたちの世代はCDが一番売れていた時代だし、バブルも見て来ている。そういう意味でキチンと教えてあげながら、若い子たちがやりやすいように環境を整えて、一緒に持ち上げてあげられるようなことができればいいなと。

──WREPとしては“循環”している?

人見 そうですね……そういう意味でバー「WREP」があるんです。“現場”が必要になってくる。より最先端の音楽がかかっていて、かつ若い子とオジさんたちが一緒にいれる空間。それにグローバルな音楽でもあるし、外国人たちの方も普通に楽しんでもらえるようなそんな場所にしていきたいと思っています。お店としては、BRIDGEの存在もあって、認知されるのが早かったですし、順調といえば順調ですね。

──そのBRIDGE。

人見 BRIDGEは観光名所になりつつありますね。いつごろからなのかな、海外の方がたくさん来始めたのは……「Time Out」に取り上げられたのは大きいと思いますが、外国人の人たちの口コミがすごく広がりましたね。僕らもVISIONに来ている外タレを飲みに連れて行きますし、結果、彼らはインフルエンサーだから、それで広がっていくし……そういう効果はあるのかなと思っています。

──BRIDGEってズバリどこが魅力だと思いますか?

人見 手軽さ。駅近もありますが、パッと入って飲んでパッと帰れるところ。あとはVISIONなどに比べてお客さんとスタッフの距離が近いのも魅力です。そのサービスというかコミュニケーション、フレンドリーさの部分は店長の有泉(正明)が“うまい”ことも理由の魅力です。WREPも同様ですが。

──その下にはMICROCOSMOSができました。

人見 今まではLOW & SLOWというBBQのお店を展開していましたが、メニューが偏りすぎていて……一方のmicrocosmosの方もこれまでとは違う展開をしたいと考えていました。だったらLOW & SLOWのBBQと、microcosmosのパンケーキ、という新しい組み合わせを売りにして再展開しようと思ったわけなんです。もともとmicrocosmosがあった場所は──僕はあそこの立ち上げからこの会社に加わってますが──村田(大造/グローバル・ハーツ社長)が、最初からクラブを作るって言ってたくらい、構想としてあったようで……結果FREEDOMとしてオープンさせました。クラブというよりはライブハウスですね。今渋谷で発表する場が少なくて……。

──劇場という意味でしょうか?

人見 劇場、ライブ……ステージがあるところという意味ですね。弊社で運営している貸しダンススタジオ「MISSION」もそうですが、あれだけ練習する人たちがたくさんいるのに、彼ら彼女らが発表する場が少ない。ダンサーやアイドル、ヒップホップの若手の子もそう。そういう意味でクラブとはまた違う、ステージとしての見せ方ができる場所。

ダンサーの子たちって、例えば3,000円でチケットを売って、300人入れて箱代を払って出演料をもらったところで、まだまだ成り立ってないんです。でもそういう子たちが出演して発表する場を作ってあげないと、やる子が増えていかない。VISIONよりもコンパクトだし、登竜門的な位置になれたらいい。FREEDOMに出たら売れた、みたいな、そういう環境を作っていきたいと思ってます。

──Contactはいかがでしょうか?

人見 Contactは今や中年の溜まり場になりつつありますね(笑)。今までVISIONで遊んでいたという知り合いもみんな、Contactに行ってますね。

──音的に、というところもありますよね?

人見 そうですね。あとは居心地がいい。VISIONはVISIONで面白いですが、最終的にContactに行く、という人が多いですね。

──VISIONは若いイメージで、Contactは年上なイメージですね。

人見 年齢層が一番高いのがBRIDGE。で、Contactで、VISION。

──その辺りの住み分けは最初から考えていた?

人見 考えてないと思います(笑)。その3店舗だと、最初にできたのがVISIONですが、そのときは代官山AIRがありました。AIRより大きいクラブを作ろう、というところからVISIONの構想が始まって……震災の後、半年後くらい、この時期に開けるんだ?という状況だったし、会社としてもいい状況ではなかった時期なんです。社長がやるっていうからには手伝わないわけないはいかないし……。そこで総力を結集してみんなで立ち上げて。

やっぱり手探りで、AIRから持って来たコンテンツを渋谷でやればいいというわけでもなく……ただ僕はもともとmicrocosmosで夜の担当をしていたので、渋谷の若い音楽シーンをつかみ始めてたんです。そういう感覚的なもので、コンテンツをVISIONに流し込んでいった。VISIONの立ち位置がしっかりとして来たころAIRを締めることになって、AIRの血を引き継いでいて、よりフロアでダンスする、という意味でのContactができたわけなんです。

──今どのハコも世代が分かれているというのは、結果オーライですか?

人見 それは結果オーライ。ただVISIONとContactはキャパが同じくらいで、偏ってしまっているな、と個人的には感じています。一番いいのはVISIONとContactは毎週違う内容で行き来ができる、そこだけでお客さんがもっと楽しめるようになればいい。

──次なる展開を考えてらっしゃいますか?

人見 いやいや回すので精一杯です(笑)。新しい店舗の予定はないですが、さっきも言ったようにこれだけ店舗があるので、店舗を連動させた企画はやりたいですね。今でもどこかの店舗に行ったら次はディスカウント、はしてますが、もっとお客さんをシェアできるような新しい何か……それで渋谷の街の活性化に繋がればいいなと思っています。

<VISION HALLOWEEN PARTY 2018>

■2018年10月26日(金)
PASSOA Presents VISION HALLOWEEN PARTY 2018 “ZOMBIE VISION” DAY1

DJ KAORI
きつね

■2018年10月27日(土)
PASSOA Presents VISION HALLOWEEN PARTY 2018 “ZOMBIE VISION” DAY2

DJ MAKIDAI(EXILE/PKCZ(R))
DAISHI DANCE
SHINTARO
moe

■2018年10月29日(月)
PASSOA Presents VISION HALLOWEEN PARTY 2018 “ZOMBIE VISION” DAY3 「MODSA」

Braize
KEKKE
DJ HAL

■2018年10月31日(水)
PASSOA Presents VISION HALLOWEEN PARTY 2018 “ZOMBIE VISION” DAY4

DJ KAORI
中田ヤスタカ
ひょっこりはん

◆SOUND MUSEUM VISION オフィシャルサイト
◆Contact オフィシャルサイト
◆Bridge オフィシャルサイト
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