【ライヴレポート】Waive、<MUD FRIENDS>で「活動が続くかは4月30日に掛かってる」

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Waiveが2019年4月30日、Zepp Tokyo単独公演<Waive GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>を開催する。BARKSでは“平成最後の日”に行われる同公演を前に、Waiveというバンドを再検証する連載特集を展開中だ。その第二弾は、MUCC、Psycho le Cémuと共に開催した合同イベントライヴ<MUD FRIENDS 2000~2018>。前回に引き続いてライター大前多恵氏による、Waiveに着目したレポートと終演後の楽屋で訊いたコメントをお届けする。なお、<MUD FRIENDS 2000~2018>全体のレポートは先ごろ公開しているので、そちらも併せてご覧いただきたい。

◆Waive 画像

10月18日(木)、Waiveのライヴを初めて、生で体感した。2000年代初頭の活動初期からの盟友MUCC、Psycho le Cémuとの3マンイベント<MUD FRIENDS 2000~2018>の最終日で、場所はZepp Tokyo。

開演15分前、Psycho le CémuのYURAサマ(Dr)とAYA(G)によるコミカルな前説で、フロアは笑いに包まれていた。しかし、開演の18時を迎えて暗転、SEに乗せて幕が左右に開く頃には、会場の空気が既に変わっていた。トップバッターのWaiveは、赤に切り替わったライトの中、右手を上げて高井淳(B)、貮方孝司(G)、杉本善徳(G&Vo)、そして最後に田澤孝介(Vo)が登場し、立ち位置に就く。


▲田澤孝介(Vo)

サポートの山内康雄がドラムカウントを打ち鳴らし、白いライトの中奏で始めたのは「HEART.」。Waiveの持ち味であるメロディーラインの美しさが際立つミディアムナンバーだ。歌詞の一言一言がクリアに聞こえ、スコーン!と抜ける田澤の圧倒的な歌唱力。一音一音粒立った凛とした音でタイトなリズムを刻む高井のベース。歯切れよく鳴らされる小気味よい貮方のギター。そして、水中で何かを探そうとするような、くぐもった音色で心を打つ杉本のギターソロ、ピュアなコーラス……。すべてにおいて熱量と力量とのバランスが取れていて、ただただ聴き入ってしまう名曲、名演奏だった。余分な飾りは何もなく、“これが今のWaiveです”と真っ直ぐにこちらの目を見て挨拶するような、真摯な幕開けだと感じた。


▲杉本善徳(G&Vo)

「東京! <MUD FRIENDS>楽しんでいこうぜ!」という田澤の煽りを合図に、「FAKE」へ。4人は前へ歩み出て一列になったり、ダッシュして立ち位置を入れ替わったりと、ダイナミックなステージングを展開。フロントマンの田澤だけでなく、高井も自ら手を挙げて観客のノリを先導する姿がしばしば見受けられ、とても印象深かった。「バニラ」では、ギターソロでセンターに来た杉本と田澤が背中合わせになり、自身もギターをプレイするようなアクションで魅せる。ただ華やかなパフォーマンスで盛り上げるだけではなく、音と音とが互いに密に絡み合って生み出すグルーヴが素晴らしく、バンドとしてのまとまりの良さが抜群。そんな感嘆を抱きながら、続く田澤のMCに耳を澄ませた。


▲貮方孝司(G)

「もう最終日だってよ。寂しいです。始まるまでは“まだかまだか”と思いながらやってましたけど、始まってみるとあっという間。気心知れた仲間と切磋琢磨して、バチバチ、メラメラ、刺激を受けてきた」──田澤孝介

と<MUD FRIENDS>の大阪・東京4公演を振り返る。「この空間いっぱいにバラードを響かせようと思います」との前振りから、「C.」とタイトルコールすると、悲鳴のような歓声が沸いた。出だしは田澤、続いて杉本が歌い繋ぎ、やがてハーモニーを響かせる。キラキラとした繊細なギアーアルペジオ、しっとりと長く伸ばされるベースフレーズ。すべてが合わさって、波が寄せては返す情景が心に浮かんでくるようなひととき。観客もじっと曲に聴き入り、引き込まれている様子だった。


▲高井淳(B)

静寂の余韻の後、場面をガラリと変えたのは「はい、どうもー! こんにちは、こんばんは? Waiveでーす!」という杉本の軽妙な語り出し。思わず笑いがこぼれる。このイベントに向けたニコニコ生放送の特番で、クイズに負けた罰ゲームとして差し入れをすることになった杉本は、巨大な祝い花をこの会場のロビーに贈呈。「パチンコ屋がオープンしたのかな?みたいなのが(笑)。見た?」と観客と間近に対話するような距離感で、絶妙な切れ味でトーク。そして、「4月30日(火)にWaiveはここZepp Tokyoでワンマンライヴをします!」と告知。

すると、田澤が大きく両手を広げたのを見てすかさず、「それ、GLAYのミュージックビデオで見たことある」とツッコミ。田澤は「まさに気分はそれや(笑)」と返す、テンポの良いやり取りが漫才コンビのようである。そんな2人の掛け合いを微笑みながら高井と貮方が見守っている、温かい空気感が心地よかった。杉本は「13年も前に解散してるバンドなので、プロモーションしたくてもできない」と赤裸々に明かすと、チケット購入を強く求め、「皆さんの力で! 我々が唯一持ってるのは、絆!」と呼び掛け、会場を爆笑させた。

「2018年にこんなことが起きるなんて、2000年には想像してなかった。MUCCからもサイコからも「またやろうよ」と言われて、明らかに動いてない俺たちのせい、みたいな……(笑)。俺たちの活動が続くかは、4月30日に掛かってる」と強調。このユーモラスで愛すべき猛アピールはイベント全体を通じて最後まで続き、おそらく、Waiveをこの日初めて体感した方々にも大きなインパクトを与えたことだろう。「皆さんが4月30日、ついつい来たくなっちゃうようなライヴにしたいので、楽しんでいこうぜ!」と田澤が呼び掛け。ライヴは後半へ突入した。


メンバー紹介やコール&レスポンスを盛り込みながらの「Lost in MUSIC」は、ディスコ調からスカまで、リズムもテンポも揺らぎながらクルクルと曲調が変化。ジャンプを繰り返しながら音のカオスに身を任せ、オーディエンスの心身を解きほぐしていく。そこへ、激しく暗く疾走するキラーチューン「Sad.」をここぞとばかりに投下。呪文のように脳裏に絡みつく杉本の低音ヴォーカル、対比的な田澤の突き抜けたサビのハイトーンが痛快。演奏はもちろん、タイトで盤石だ。そして、自らが放った熱と会場から受け取った熱をすべて燃料として「ガーリッシュマインド」に放り込む。ダーティーなロックスター然とした4人に見惚れた。あの愉快なMCタイムの柔和な面影は一切見つけられず、そのギャップも魅力的。間奏で4人がセンターへギュッと集まってきた時、華々しさに、思わず目を見張った。


ラストは、明るい白い光に包まれて「いつか」を披露。このWaive特集の第一弾記事でも言及したように、“いつか、死ぬ”という変えられぬ事実を見つめた上で今を生きる、この2018年にこそ強く響く、エモーショナルなアッパーチューンである。終盤を迎えても田澤の歌声は衰えるどころか迫力を増していた。高井の細かく動き回るベースラインは、田澤の歌をしっかりと支えていく。“あぁ、「いつか」”と同曲終盤、全員が呼吸を合わせて音を力強く打ち鳴らす場面があるのだが、その時にステージから放出されるエネルギーは凄まじく、問答無用の説得力。杉本と高井のコーラスも、どこまでも熱かった。コーラスのみならず、マイクがあってもなくても、全員が“歌っている”と感じた。4人揃って前へ出て、最後の音を鳴らし終えて深い礼をすると、ステージを去っていった。約50分の熱のこもったステージは、瑞々しさと同時にバンドのたしかな成熟を感じさせるものだった。

イベントはこの後、MUCC、Psycho le Cémuの順に進み、各バンドが自分たちらしさ全開のステージを披露。最後に13人揃ってトークを繰り広げ、イベントは幕を閉じた。ほぼ同期デビューで同じ時代を駆け抜けた2バンドから、「また一緒にやりたい」と繰り返し異口同音に求められていたWaive。MUCCの逹瑯(Vo)より「活動に“波(Wave)”があるから(笑)」と解散状態にあることをツッコまれると、「そのウェーブちゃうで!」と杉本。「俺らにはi(愛)があんねや(Wa“i”ve)!」と田澤が切り返していたのも微笑ましかった。


最後に。終演直後にメンバーからコメントを聞くことができたので、以下、お届けする。

   ◆   ◆   ◆

「イベントが終わった寂しさはそんなにないですね、僕は。またいつかこのイベントをやるような気がするので(笑)。Waiveとして来年につながるいいライヴだったと思います。個人的に久々のライヴで、4公演の中で徐々に感覚を取り戻して良くなっていくのをすごく感じられたかなと。イベント自体の雰囲気が各バンドで違っていてとても面白いイベントが出来たなと思いました。」──貮方孝司

「<MUD FRIENDS 2000~2018>はすごく楽しいイベントだったので、また機会があれば集まれたらいいなと思いつつ、4月30日のWaiveを皆に観てもらえたら、と思ってます。ありがとうございました! 疲れたかって? いやいや、まだ元気です(笑)」──高井淳

「“あぁ、明日からまた現実が始まるなぁ”みたいな感じですかね、今の正直な気持ちは。すごく濃厚だったので、寂しいです。楽しい時間はあっという間に終わりますからね。だから、またやれることを夢見て、活動を頑張っていきたいな、と思っております!」──田澤孝介

「昨日(10/17)のライヴが終わってから出演者と話していて、「夢のような時間だね」という話がチラッと出ていたんですね。僕は“たしかに”と思って。今、田澤が言った「夢が覚めて明日から現実が始まる」というのとちょっと近い感覚を持っています。でも、キザな言葉で言うと、夢を見させる仕事をできている、というのはすごく良かったな、と。あまり普段はそういうことを意識しないんですけどね。夢から覚めさせるのも、決められた期間をやりきる僕らだから、また次の夢を作っていくのが役割なのかな、と思いました」──杉本善徳

   ◆   ◆   ◆


今回の取材で、Waiveのライヴを生で初めて観て私が感じたのは、彼らは想像以上にライヴバンドである、ということ。音源の段階で名曲揃いなのはもちろん知っていたし、ライヴ映像を観て胸打たれもしていた。しかし、彼らがステージで放つパワーは予想を遥かに上回っていた。楽曲に込められた想いやメッセージは、生身の彼らが歌い奏でることで説得力を飛躍的に増し、しっかりとこちらの心の奥深くに“届いて来た”のだ。そして、全員が全く別々の個性を持ち、風貌も笑ってしまうぐらいバラバラだが、その統一感のなさが魅力だとも感じた。これほど充実したライヴを繰り広げるバンドがコンスタントに活動していないことは、“もったいない”と思えてならない。ライヴで彼らがオーディエンスと共有した夢の時間が、新しい曲を生む可能性も十分にあるだろう。

ステージ上だけでなく、終演直後の楽屋でのムードも良好。初めて会った彼らは全員礼儀正しく、疲れていたはずなのに、コメント取材に対しても「どんなのが欲しいですか?」などと逆にこちらへ気さくに問い掛けてくれて、とても協力的だった。レコーダーで録音し始めると4人はごく自然に集まって一列になり、互いのコメントに笑ったり頷いたりしながら、順に一言ずつ語ってくれた。全員、清々しい表情を浮かべているように見えた。

今現在の彼らの歌と演奏で、ぜひ生で聴いてみたい曲もまだまだたくさんある。まずは4月30日のワンマンライヴを待つことにしよう。その前に、この連載企画第三弾として、田澤へのインタビューを予定している。Rayflowerとしての活動も盛んな彼が、Waiveのフロントマンとしてのアイデンティティを今どう考えているのか? Waiveとして歌うことの意味は、2000年代と現在とでどのように変わってきたのか? あるいは変わらないのか? Waiveの今後をどう考えているのか? あまり忖度し過ぎず、初めてのインタビューだということを逆に強みにして、率直にいろいろと聞いてみたいと思っている。

取材・文◎大前多恵
撮影◎Viola Kam (V'z Twinkle)

■<Waive GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>

2019年4月30日(火) Zepp Tokyo
Open17:15 / Start18:00
▼チケット
前売料金:1Fスタンディング ¥6,500(税込・Drink代別)
※入場者全員に新録「Dear」のCD音源をプレゼント
一般発売:10/27(土)10:00〜
イープラス http://eplus.jp/waive-gig/
チケットぴあ http://w.pia.jp/t/waive/
ローソンチケット https://l-tike.com/waive
楽天チケット http://r-t.jp/waive
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888


■デジタルベストアルバム『WAVES』


2018年10月10日(水) 配信スタート
¥2,000 (税込) / 単曲価格 ¥150(税込)
01 いつか
02 わがままロミオ
03 銀河鉄道
04 Sad.
05 ガーリッシュマインド
06 そっと…
07 Dear
08 キミノヒトミニ恋シテル。
09 春色
10 TRUExxx
11 PLACE (2005 recording version)
12 unforgettable memories.
13 Baby, I LOVE YOU.
14 PEACE?
15 世界がすべて沈む-pain-
16 君と微笑おう
17 バニラ
18 spanner
19 C.
20 HEART

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