【インタビュー】劇場版ゴキゲン帝国 白幡いちほ、ガチで取締役会長になったアイドルの野望

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劇場版ゴキゲン帝国の白幡いちほが、株式会社GOKIGEN JAPANを設立し、同社の取締役会長兼プレイヤーに就任した。そのアナウンスとともに彼女は、2019年から“楽曲の無料化”“ライブチケットの年間パスポート販売”、さらに将来的には“ファンの老後を支える老人ホームの設営”など、新しい音楽ビジネスの形を提示。元お笑い芸人という肩書きを持ち、現在はさまざまなテーマのYouTube動画をハイペースに投稿するなど、常にユニークな活動を展開している白幡に、今回、取締役会長就任やグループ運営についてじっくり話を聞いた。本インタビューの最後に彼女が語った展望は、一見、夢物語のように見えるかもしれない。しかし、それを簡単に否定することができないほど、彼女の言葉には重みと強い意志が現れていた。

◆劇場版ゴキゲン帝国 白幡いちほ 画像

■最初から会社にできない程度の規模に収まろうとは思っていなかった

――白幡さんは、9月3日にアイドル界初の取締役会長兼プレイヤーに就任しましたが、この立ち位置になろうと思った理由を教えてください。

白幡:2016年に劇場版ゴキゲン帝国(以下、ゴキ帝)を立ち上げた時から、いつか絶対に会社にしなくてはいけないと考えていました。最初から会社にできない程度の規模に収まろうとは思っていなかったので。1年目から開業届も確定申告も出しました。ただ、いざ法人化しようと思っていろいろ調べてみると、会社にしないことのメリットもわかって。法人化する前は、個人事業主登録しているのは私だけで、メンバーも社員契約ではなかったんです。

――法人化を急ぐ必要はなかったわけですね。

白幡:そうですね。すごく儲かって、税金面で法人化した方がメリットがあるようになったらという感じでした。ただ、これからのことを考えた時に、フリーランスで、しかも全身タイツなんかを着ているよくわからないグループって、ブッキングするイベンターやメディアさん側から見たら、怖い存在だなと思うようになったんです。だって、いきなり放送禁止用語を言ったり、ドタキャンしたりしそうじゃないですか。そんな時、ちょうどスタッフなど周囲の環境が整ってきたので、法人化することに決めました。

――2018年9月3日、結成2周年の日に『株式会社GOKIGEN JAPAN』を立ち上げたわけですね。

白幡:そうですね。ニュースリリースも出しましたが、この日からゴキ帝は会社になったので、“ガチですよ”ということを伝えたかったんです。今までもセルフ運営とは言っていたけど、実際はフリーのタレントがやっている活動でしかなかったわけで……でも、これからは会社にしていろんな人が関わっていますよ、ガチでやっているんですよってことをちゃんと示したかったんです。

――法人化することで、白幡さんの活動はどう変わったのですか?

白幡:これまでは各所への連絡や経理などの雑務も私がやっていましたが、それをほかのスタッフに任せられるようになったので、よりクリエティブなことや演者としてのスキルアップに時間を割けるようになりました。やっぱり事務作業をしている間に、1曲作った方がいいなって思っています。

――株式会社GOKIGEN JAPANの代表取締役である小松さんとは、ユニークな出会い方をしたんですよね?

白幡:ある日偶然ライブハウスに来ていた小松さんが、私たちのことを気に入ってくれまして。でも、どうアプローチすればいいのかわからなかったようで、チェキ券を買って列に並んでくれたんです(笑)。ゴキ帝は名前が出始めたころ、いろんな事務所の人から声をかけていただいたんですが、私もかつてお笑い事務所に所属していたので、事務所に入ったらからといって、劇的に何かが変わるわけではないことを知っていました。あと、ちょっと名前が出てきたから金になりそうって感じで近づいてくる人が多かったんですよね。それよりも私たちのことを本当にいいと思ってくれて、信頼できる人と一緒にやりたいなって思っていて。そんな時に、小松さんがチェキ券を買ってファンの列に並んでくれて、そこで名刺をくださったんです。当時、小松さんは私が好きなグループの事務所で働いていたので、後日打ち合わせをしてみたら、すごく熱量があって、いろんなアイディアやアドバイスをくれたんです。そのあと1年ぐらいはお金のやりとりがまったくないまま、私たちの面倒を見てくれて。その過程でこの人は信頼できるし、どういう形であれ一緒に仕事ができたらいいなって思うようになりました。まさか、私のような人間が会長の会社に入ってくださるとは思っていなかったので、驚いています(笑)。

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