【レポート】<BACARDI “Over The Border” 2018>、カッティングエッジなアート&音楽の共演が楽しめた、貴重な一夜

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11月5日(月)渋谷ストリームホールにて<BACARDI “Over The Border” 2018>が開催された。キューバ生まれのラムブランド、バカルディが主催した完全招待制イベントのベニューは、渋谷駅に直結する新しいイベントホールでもあるストリームホール。同会場の3フロアを使って、ミュージシャンのパフォーマンス、アートやインスタレーションの展示、さらにはバカルディを使ったカクテル=モヒートのワークショップなどが開催された。



イベント名“Over The Border”からも分かるように、本イベントは“既存の概念を超えた”をコンセプトに、音楽やアートの分野において、既成概念を刷新する表現に挑戦し続ける国内外の気鋭アーティストたちを招聘している。それもあってか、会場を訪れたのは、最新の音楽やアートに敏感なファッショナブルな人々が多かった。エントランスの先にはアート作品を多く展示したギャラリー・スペースがあり、グラフィック・デザイナーのKOSUKE KAWAMURAやUKのアーティストであるJoe Cruz、Hiroyasu Tsuri a.k.a. TWOONEらのストリート感覚に溢れた作品が飾られた。同スペースにはDJブースも併設されDJ SARASAやYOSA&TAAR、Lil Mofoらが登場、さまざまなダンス・ミュージックでギャラリー・スペースを彩った。



エスカレーターで上のフロアへと移動すると、こちらは照明が落とされたラウンジスペースで、アート/空間演出などを手掛けるYARによるブラウン管を用いたインスタレーションのほか、Naohiro Yakoによる写真の展示などを併設。落ち着いた空間でバカルディのカクテルとアートが楽しむことができた。





さらにもうワンフロア上へとエスカレーターを登り、ホールの扉をくぐると、ミュージシャンのパフォーマンスが繰り広げられるスペースとなっていた。R領域が装飾を施した近未来的なステージには、まず女性DJのYukibebが登場。LAを拠点とするSOULECTIONに所属する唯一の日本人メンバーである彼女は、90sクラシックから近年までのヒップホップやR&Bを巧みにミックスしてフロアを暖める。続いてステージに上がったのは7インチをミックスするDJ KOCO a.k.a. Shokitaとグラフィック・アーティストのJUN INOUEによるライブペインティング・パフォーマンス。DJ KOCOが紡ぐアップテンポなブレイクビーツに合わせて、およそ4〜5メートルの広大なキャンバスに黒のラインを躍動させ、立体感漲る作品をおよそ1時間という時間で完成させると、会場からは大きな拍手が湧きおこった。



続いてステージを踏んだKampireは、現在注目を集める東アフリカのダンス・ミュージック・シーンの新勢力Nyege Nyegeのコアメンバーでもある女性DJだ。アフリカの音楽シーンの普及にも尽力するKampireは、レゲトンや4つ打ちをベース・ミュージックの視点でまとめあげたような個性的なミックスを披露。途中でさらにBPMを上げアッパーなトラックをプレイすると、さながらフロアはお祭り騒ぎとなった。



ラストを飾ったのはUKの女性ラッパーLittle Simz。英MOBOアワードの最優秀ヒップホップアクト選ばれるだけでなく、ケンドリック・ラマーをはじめとしたUSのアーティストたちからも賞賛を受ける注目のアーティストだ。UKらしくベース・ミュージックの影響をたっぷりを受けた重低音を効かせたビートの上で、たたみ掛けるようなスタイルのラップで会場を大いに湧かせる。少しスモーキーな声質が魅力的で、愛嬌のあるキャラクターもあり、パンパンにふくれあがったオーディエンスを魅了する。ベース系からオールドスクールまで多彩なビートを乗りこなすだけでなく、DJとの息の合ったコンビネーションも素晴らしく、その熱のこもったパフォーマンスで会場を沸点へと導き、世界的に注目される実力を遺憾なく発揮した。

ちなみに“Over The Border”のコンセプトの根源はバカルディ創始者のエピソードでもある。そのストーリーはこうだ……スペインから移り住みキューバでラム酒と出会った創始者は、その後のキューバ革命で社会主義国家に生まれ変わった新政府に資産を没収されるが、ラムの根源となるイースト菌だけを持ち亡命。亡命後は世界を渡り歩き、バカルディラムを大成功させた……。国境を越えて、信念を貫き、成功を手に入れる =“Over The Border” というコンセプトとKampireやLittle Simzといった自国を越えて世界的に注目されるパフォーマンスは、まさに共鳴するものだったと言えるだろう。もちろん上述した2人以外の人々も、イベントのコンセプト通りに、ジャンルや国境を超越して活動していることに違いはなく、そういったアーティストたちによるカッティングエッジなアート&音楽の共演が楽しめた、貴重な一夜であった。

取材・文:伊藤大輔

<BACARDI “Over The Border” 2018>

2018年11月5日(月)19:00-23:00
会場: SHIBUYA STREAM Hall(東京)
料金: 完全招待制
〈6F - STREAM Hall〉
LIVE:
Little Simz (from UK)

DJ:
Kampire (from Uganda)
Yukibeb

DJ+LIVE PAINGTING:
DJ KOCO a.k.a. Shimokita × JUN INOUE

〈4F - GALLERY〉
DJ:
DJ SARASA
YOSA & TAAR
Lil Mofo

〈ART〉
ART INSTALLATION:
YAR

ART EXHIBITION:
Hiroyasu Tsuri a.k.a. TWOONE (from Berlin)
JOE CRUZ (from UK)
JUN INOUE
KOSUKE KAWAMURA
Naohiro Yako

DECORATION:
MIRRORBOWLER
R領域

オフィシャルサイト:
http://bacardi-overtheborder.jp
#bacardiOTB


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