マライア・キャリー、旬のトラック・メイカーたちを多くフィーチャーした4年ぶりの最新作『コーション』リリース

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1990年代よりシーンのトップに君臨する歌姫、マライア・キャリーが4年ぶりの最新作『コーション』をリリースした。2018年の10月末から11月頭にかけて開催され、すべての日程がソールドアウトとなった来日公演に加えて、来日を記念したベスト盤『マライア・キャリー ジャパン・ベスト』も話題となった。初期のヒット曲からこれまでの代表曲を網羅したベスト盤を聞くと、どの時代にもヒット曲があることからも、彼女がデビューから常に第一線で活躍してきたことが分かる。



マライアは1990年初頭のデビュー以降、ボーイズ・II・メンとの「ワン・スウィート・デイ」といったコンテンポラリーR&Bやバラードを得意とするシンガーとして成功を収めるが、1990年代後半に入るとバッドボーイのショーン“パフィ”コムズとともに「ハニー」を大ヒットさせ、ヒップホップやR&Bを取り入れたディーヴァとしての魅力を押し出した。一時のスランプを経て、2000年代中盤にはジャーメイン・デュプリらととも制作した『MIMI』で再び大ヒットを記録し、現在へと続く多彩な歌唱方法を確立している。“7オクターヴの歌姫”という類い希な才能をもったマライアだが、それに甘んじることなく時代とともに表現の幅を刷新しているからこそ、常にトップに君臨しているといっても過言ではないのだ。



10年以上にわたって在籍したアイランド・デフ・ジャムからエピック・レコーズへと移籍した彼女にとって、最新作は移籍後初のオリジナル・アルバムとなる。近年は同レーベルの傘下に自身のレーベル(Butterfly MC Records)を設立したり、ジェイ・ZのRoc Nationとマネジメント契約を結ぶなどしており、ニュー・アルバムに向けての強い意気込みを感じさせていた。

そんな新作『コーション』の全容を紐解く手がかりは、今年の9月にリリースされた第一弾シングル「GTFO」にある。ドレイクやDJキャレドのヒット曲を手掛けるプロデューサーのナインティーン85に加えて、リアーナに楽曲提供をするビビ・ブレリー、そしてマライア本人らによる共作曲だ。USポップのトレンドを行くアーバンでミニマルなトラックのうえで、恋人との決別を囁くような歌で披露する。これまでとは違う新しい彼女のスタイルを表現したこの曲は、20ヵ国のiTunesチャートで1位を獲得し、世界中から大きな支持を得た。


さらにアルバムのリード曲でもあるセカンドシングル「ウィズ・ユー」はマライアの十八番とも呼べるバラード・チューンだ。タイガやウィズ・カリファをはじめ、エラ・メイの「Boo'd' Up」などを手掛けるDJマスタードが提供したスローなバック・トラックと、マライアのハイトーン・ヴォイスが抜群を相性を見せる。甘く切ないラブ・ソングを、透明感のある声で意気揚々と歌いあげるという、マライアらしさに溢れた楽曲に仕上がっている。


このように旬のトラック・メイカーたちを多くフィーチャーしているのもニュー・アルバムの特徴だ。3rdシングルの「ザ・ディスタンス」では、EDM/ダブステップ界の人気者スクリレックスに加えて、ジャスティン・ビーバーを手掛けたプー・ベアが参加するほか、ラッパーにタイ・ダラー・サインを起用。明らかにマライアを意識したムーディーなトラックに加え、ラップとの掛け合い、R&Bには欠かせない心地良いフックが共存した同曲は、アルバムのなかでももっとも強力なR&Bチューンとして存在感を放つ。

また最新のサウンドだけでなく、昔からのマライアのファンには馴染み深い、90'sなテイストがあるのも嬉しいところ。アルバムのタイトル曲ではジェイ・Zやコモンなどを手掛けるプロデューサーのNo I.D.が関与し、ヒップホップ・バラードとも呼べるシンプルなビートのうえで、さまざまな歌唱スタイルを披露するマライアの歌が堪能できる。「A No No」では、ビヨンセやニーヨの諸作に関わるシェイ・テイラーを起用し、1997年リリースのリル・キムのヒット曲「クラッシュ・オン・ユー」を大胆にサンプリング。往年のヒップホップ・ソウルを彷彿させるマライアの力強い歌が印象的だ。また「ギヴィング・ミー・ライフ」は、映画『大逆転』のエピローグを差し込んだ6分を越えるドラマティックな大曲だ。プロデューサーのブラッド・オレンジがすべての楽器を演奏するスローなトラックに合わせて、マライアは内省的な歌を紡ぎ出し、ゲストで参加するベテラン・ラッパーのスリック・リックが華を添えており、90'sのR&B〜ヒップホップが好きな人には生唾ものの仕上がりと言える。

全編を通して感じるのはシンプルなサウンド・プロダクション、そして彼女の魅力である多彩な歌唱を押し出した作品であるということ。シンプルなサウンドという点では、ミニマル化が進む近年のUSポップ・シーンからの影響も大きい。先述したようにマライアは常に時代の音を取り入れながら、移り変わりの激しいポップ・ビジネス界をサヴァイブする術を知っている。そんな彼女が本作で表現したかったのは、過剰な演出でも歌唱でもなく、等身大のマライア・キャリーの姿なのだろう。バラードからヒップホップ、R&B、スタイリッシュなサウンドにおいても、リスナーに寄り添うような優しさに溢れた歌を、本作で堪能してほしい。


マライア・キャリー|Mariah Carey

<4年ぶり通算15作目のニュー・アルバム>
『コーション|Caution』
2018年11月16日(金)発売/配信
「ウィズ・ユー」「GTFO」「ザ・ディスタンスfeat. タイ・ダラー・サイン」他収録
●国内盤CD(全11曲)
SICP-5996 / 2,400円+税
日本限定ボーナス・トラック「ランウェイ」収録
初回生産分のみオリジナル・ステッカー封入
●配信/国内盤CD(全12曲)
1,900円
日本限定ボーナス・トラック「ランウェイ」、「ランウェイfeat. KOHH」収録
試聴/購入リンク:https://SonyMusicJapan.lnk.to/MariahCareyCautionJP
収録曲
1. GTFO
2. ウィズ・ユー ★リード・シングル
3. コーション
4. ア・ノー・ノー
5. ザ・ディスタンス feat. タイ・ダラー・サイン
6. ギヴィング・ミー・ライフ feat.スリック・リック&ブラッド・オレンジ
7. ワン・モー・ゲン
8. エイス・グレイド
9. ステイ・ロング・ラヴ・ユー feat. ガンナ
10. ポートレイト
11. ランウェイ ★日本限定ボーナス・トラック
12.ランウェイ feat. KOHH ★日本限定ボーナス・トラック(配信限定)


『マライア・キャリー ジャパン・ベスト』

2018年10月17日(水)
■初回生産限定盤(ハンカチ付)
SICP-31218-9/3,000円(税込)
■通常盤:SICP-31220/2,500円(税込)
高音質BlueSpecCD2/歌詞/対訳/解説付合計19曲収録
試聴/購入リンク: https://SonyMusicJapan.lnk.to/MariahCareyBestJP

■収録曲
01. ヒーロー
02. ウィズアウト・ユー
03. オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー
04. エモーションズ
05. ワン・スウィート・デイ(マライア・キャリー&ボーイズIIメン)
06. インフィニティ
07. オープン・アームズ
08. ドリームラヴァー
09. アイル・ビー・ゼア feat. トレイ・ロレンツ
10. ファンタジー(バッド・ボーイ・ファンタジーfeat. O.D.B.)
11. エンドレス・ラヴ(ルーサー・ヴァンドロス&マライア・キャリー)
12. ハニー
13. サンク・ゴッド・アイ・ファウンド・ユー feat.ジョー & 98°
14. ラヴ・テイクス・タイム
15. ヴィジョン・オブ・ラヴ
16. スルー・ザ・レイン
17. ウィ・ビロング・トゥギャザー
18. タッチ・マイ・ボディ
19. 恋人たちのクリスマス

◆マライア・キャリー オフィシャルサイト(ソニー・ミュージック)
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