【ライブレポート】ジューダス・プリースト、日本ツアー開幕

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去る3月に通算第18作となる『FIREPOWER (ファイアーパワー)』を発表し、同時期にスタートした<FIREPOWER TOUR 2018>で世界各地を巡演してきたジューダス・プリーストが、ついに日本に帰還。約3年8ヵ月ぶりとなるジャパン・ツアーが11月21日、ZEPP SAPPOROで開幕を迎えた。

◆ジューダス・プリースト画像

当日の札幌は雪。会場がオープンする頃には止んでいたものの、バックステージで取材に応じてくれたギタリストのリッチー・フォークナーは「この雪が、まさしく札幌に来たという気持にさせる」と語っていた。というのも、このバンドにとって史上初の北海道公演となった2015年3月の同会場での公演当日にも雪が降っており、その時のことが彼自身のなかで鮮烈に印象に残っていたのだ。彼らはつい最近、南米各国をツアーしてきたばかりだが、リッチーは「Tシャツとショーツでのツアーを終えて、荷物を冬服と入れ替えて日本にやって来た」と言って笑う。そして寒さに縮こまるどころか「またこうして来られたことが嬉しくて、雪の降る街を歩き回っていた」のだという。


開場前のごく限られた時間の会話ではあったが、そのなかで彼は、今回の来日公演の見どころについて次のように語ってくれた。

「今回のワールド・ツアーは『FIREPOWER』に伴うものだから、当然ながらこの最新作からの曲もいくつか演奏するけども、それだけではこのバンドの熱心なファンが満足するはずがないことも、もちろん承知のうえだ。だから、みんなが聴きたいはずの曲は確実に網羅しながら、しかも俺がこれまで演奏したことがなかった曲まで披露する。これは俺自身にとっても、なかなか刺激的なことだよ(笑)。残念ながらグレン(・ティプトン:G)不在という状況ではあるけども (グレンはパーキンソン病のため本ツアーには原則として不参加となっている)、俺自身、彼から学んできたことを存分に活かしながらショウに反映させたいと思っているし、おかげさまでアンディ(・スニープ/グレンの代役としてツアーにギタリストとして参加。最新作のプロデューサーでもある)とのコンビネーションも日に日に素晴らしいものになっている。とにかく、みんなに満足してもらえるショウを提供することを約束するよ!」




そして実際、熱心なファンで埋め尽くされたZEPP SAPPOROでのライヴは、そんなリッチーの言葉がそのまま体現されたかのような、濃密でエネルギーに満ちたものとなった。さすがにこの春からずっとツアーを重ねてきているだけに、公演初日に伴いがちなカタさのようなものはまるで皆無。しかも次々と必殺曲が繰り出されていくなか、間延びした時間は一瞬たりともなく、誤解を恐れずに言えば、約半世紀にも及ぶ歴史を持っているバンドのライヴだというのに、実際の彼らよりもずっと若いバンドを観ているかのような感覚を筆者は味わうことになった。もちろん、ロブ・ハルフォードの威厳に満ちたヴォーカル・パフォーマンスが圧倒的だったことは言うまでもない。しかしそれについても、“いつものように強力”なのではなく、凄みと切れ味をいっそう増しているように感じられた。

つまり現在の彼らは、円熟味と新鮮な刺激の双方を持ち合わせているのだ。そしてそれは、まさに『FIREPOWER』という2018年生まれの名盤にも重なるところがある。そんなメタル・ゴッドの現在進行形の姿は、当然ながら今しか触れることのできないもの。是非この機会を逃さず、その“信じ難いほどの今”を体感して欲しいものだ。




ちなみにリッチーは今回のツアーで訪れる先々で、その土地ならではのラーメンの食べ比べをすることを楽しみにしているとも語っていた。札幌での彼はおそらく、素晴らしいライヴを終えた後に“勝利の美酒”ならぬ“勝利のラーメン”を堪能したのではないだろうか。これから岐阜、岡山、大阪、そして東京へと続いていくこのツアーの行方に注目したい。

文・撮影◎増田勇一

■<FIREPOWER TOUR 2018>

11月21日(水) 北海道・Zepp Sapporo
11月23日(金・祝) 岐阜・バロー文化ホール (多治見市文化会館)
11月25日(日) 岡山・岡山市民会館
11月26日(月) 大阪・グランキューブ大阪
11月28日(水) 東京・TOKYO DOME CITY HALL (追加公演)
11月29日(木) 東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
(問)クリエイティブマンプロダクション www.creativeman.co.jp

■7インチ・レッド・ヴァイナル/来日記念盤「ファイアーパワー EP」


2018年11月21日(水)発売
【完全生産限定盤】SIXP 5 ¥1,852+税
▼SIDE-A
1.ファイアーパワー
2.ノー・サレンダー
▼SIDE-B
1.ヘリオン(ライヴ)
2.エレクトリック・アイ(ライヴ)

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