【ライブレポート】Base Ball Bear × the pillows、<I HUB YOU>ファイナルで「今日は結成記念日」

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Base Ball Bear主催対バンツアーが、この秋、約9年ぶりにスタートした。タイトルは<Tour「LIVE IN LIVE~I HUB YOU~」>。副題の“I HUB YOU”には、“私とあなたをつなぐ” “私があなたをつなぐ” “私であなたをつなぐ”という意味が込められているという。BARKSは東名阪3公演の規模で行われる同ツアーのすべてをレポートしていく。その最終回は対バンにthe pillowsを迎えて行われた11月11日(日)の愛知・名古屋DIAMOND HALL公演だ。

◆Base Ball Bear × the pillows 画像

毎回、対バン形式で行われたこのツアーを締めくくるゲストとなったのは、Base Ball Bearがトリビュートアルバム『ROCK AND SYMPATHY 〜tribute to the pillows〜』(2014年発表 / Base Ball Bearは「Funny Bunny」をカバー)に参加した、the pillowsだ。今回はthe pillowsのサポートベーシストをBase Ball Bearの関根史織が務めるスペシャルなステージとなり、山中さわお(Vo&G)、真鍋吉明(G)、佐藤シンイチロウ(Dr)、そして関根史織が登場するとフロアからの歓声がいちだんと大きく響きわたった。





まずシングルリリースされた「I think I can」、「Ride on shooting star」を連投して、会場の熱を引き上げる。山中は、紅一点の関根が加わったバンドを評し「今日は未だかつてなくキラキラしたthe pillows」と語る。その佇まいはたしかにフレッシュで“かつてないキラキラ”があるが、4人のアンサンブルは骨太だ。

「今日は11月11日、ラインが4本でベースの日。そんななか、関根史織 in the pillows!」──山中さわお

と改めて紹介すると、「今日は史織ちゃんのリクエストも織り交ぜたセットリスト」だと告げて、1990年代に発表した「カーニバル」「STALKER」と懐かしい曲を続ける。the pillows節と呼べるオルタナティヴなロックンロールは、今なおソリッド。ザラついた音で見るものの身体を削っていくような、ヒリヒリとした感触がある。時を経て、バンドとしてキャリアを重ねても丸くならず、尖るべきところはより鋭利に、皮肉もたっぷりで、しかしキャッチーさはより磨きがかかって鋭いひと刺しを持った円熟のアンサンブルだ。

そして、この3人にガッチリと食い込んでいる関根のベースプレイも、the pillowsサウンドとして昇華されている。9月リリースの最新アルバム『REBROADCAST』から「ニンゲンドモ」も披露し、新旧織り交ぜたセットリストでthe pillowsファン、Base Ball Bearファンを沸かせていった。





盛り上がる会場を見て、「いやあ、良かった。仲良くしてくれて」と笑顔をのぞかせた山中。そして「ステージへ出る直前に、マネージャーが“今日はthe pillowsのお客さん20人くらい”だって言うから」と語り、「だって今日は、Base Ball Bearの結成記念日なんでしょ? そんな日に先輩を呼ぶんじゃないよ! 記念日だって知ってたらこんな攻めのセットリストにしなかったのに」と語る。

次に演奏した「Calvero」は関根のリクエスト曲で、フロントの3人は、ギター、ベースともにネックをタテに構えてプレイして魅せる。たしかに攻めのセットリストだが、関根がとにかく楽しそうにプレイしているのは、遠目に見てもわかる。

ライブ後半のMCでは、改めて紹介された関根が「緊張します。私は自分の好きなものを公言するのが苦手なんですけど、the pillowsは本当に大好きで。フロアのみなさんと同じように、いつもライブを観に行っていたんです。ただ、今日は浮かれていられなくて。でも、3人がカッコ良すぎて直視すると鼻血が出そうなので。堪えながら演奏してます」と興奮気味に語った。飄々と、テクニカルなプレイで魅せるいつもの姿とはまた違って、いちファンとしての横顔を見せるのはBase Ball Bearファンにとっても格別だろう。



また関根の言葉を受けてthe pillowsのメンバーもそれぞれ、「the pillowsを29年やってきてこんなに嬉しいこと、おじさんありません」(佐藤)、「いつも僕は早くスタジオに入るんですけど、今回のリハでは史織ちゃんが一番乗りでした。心意気と男気を感じました」(真鍋)、「気が早いけど、関根史織 in the pillows、またどこかでやりたいと思います」(山中)と前のめりで語る。

この日のアンサンブルのノリは、その先を期待してしまうのも納得。終盤は、この時を惜しむようにさらにノイジーなサウンドを轟かせる。特に「ハイブリッド レインボウ」から「Sleepy Head」へという、泣きのコード感からブリブリのベースによる爆裂なロックンロールを響かせるパートはフロアの興奮も最高潮で、ラスト「Locomotion,more! more!」はその興奮の天井を突き破る勢いで突き抜けていく、容赦のないパワフルなステージとなった。




この大先輩のステージを受けての、Base Ball Bearである。といってもそこはクールにポップにと、Base Ball Bearらしいスタイルを貫くステージとなった。1曲目は、「ドラマチック」。小出祐介(Vo / G)のギターと歌によるサビからスタートすると、会場は一斉に手拍子をし、大きな歓声を起こす。続く「PERFECT BLUE」はイントロと同時に、フロアから“オイ! オイ! オイ!”というコールが上がって、疾走感のあるビートとぐっと上がっていく気持ちのいいメロディに、コブシを掲げてジャンプする。

とにかく、この名古屋の観客は元気で、賑やかで、反応がデカい。終演後にメンバーに話を聞いとき、「名古屋のお客さん、変でしょ?」と嬉しそうに語っていたが、最初に名古屋に来た頃からずっと、とにかく熱い盛り上がりで迎えてくれるのだという。今回のツアーは、東京でなくここ名古屋でファイナルを迎えたが、そのスペシャル感も乗っているのか、フロアの温度も歓声の音量も大きい。堀之内大介(Dr / Cho)への「ほりくーん!!」という野太い声援も多く、「名古屋に全国の堀之内ファンが集まってる?」と小出が思わず笑い出すくらいのパワーだ。



そして小出は、the pillowsの最高のライブに触れて感謝を述べると、本日2ステージ目の関根に「お疲れさま」と声をかけ、自身もthe pillowsのコピーバンドをしていた思い出を語った。関根は喜びを隠さず、「(今日はthe pillowsの)メンバーになっちゃいました!」と返す場面も。

今回の<I HUB YOU>は、久々の対バン形式でのツアーで、キュウソネコカミを迎えた大阪公演、ペトロールズとRHYMESTARを迎えた東京・日比谷野音公演、そしてthe pillowsを迎えたこの名古屋公演と、3ヵ所それぞれ意外なケミストリーがあったが、このファイナル公演は特に3人の人間性や、今のBase Ball Bearのリアルなグルーヴが伝わるライブでもあった。テンションの高い観客、フロアのおかげで、よりフレンドリーさが引き出されているところもあるのかもしれない。とにかく、5月からスタートした3ピースでのツアー<LIVE IN LIVE>、そのエクストラショーと言える<LIVE IN LIVE 〜I HUB YOU〜>を締めくくるにふさわしいものだった。



中盤は、ドラム&ベースのファットなグルーヴと華麗なギターソロが、観客のシンガロングや手拍子のボリュームを上げる「SHINE」、シンプルでいて幾何学的なアンサンブルの妙味を聴かせる「LOVE MATHEMATICS」、そして関根のスティックベースがお馴染みになった「君はノンフィクション」とアグレッシヴな曲を連投。

ちょうど17年前の11月11日、高校の文化祭に出演するコピーバンドとしてスタートしたBase Ball Bear。文化祭のためだけのバンドだったが、その楽しさは何にも代え難く、こうして尊敬するバンドをゲストにツアーをできるバンドになった今をMCで語った小出。どの公演でも語られたが、この<I HUB YOU>の“HUB”は、人をつないでいく、新たな出会いを生む役割としてのHUBの他に、学生時代に周囲からハブられた小出の苦い経験も掛け合わせ、音楽との出会いを通して今があることもメッセージするものとなっている。バンドの結成記念日のこの日、この<I HUB YOU>というタイトルでライブをできることは、なんとも感慨深い。




そんな17年や<I HUB YOU>への思いを語った後の曲は、「short hair」。この曲は、Base Ball Bearがインディーズ時代、下北沢GARAGEでよく一緒に対バンしていた12月8日というバンドの曲をモデルに作られたものだ。ほろ苦いメロディで会場を満たした後は、「Tabibito In The Dark」。「the pillows先輩に倣って、僕ら流のロックンロール」だと前振りして「The Cut」で小出がキレのあるラップを聴かせる。

サポートギターを交えず、3人で磨き上げてきたツアー<I HUB YOU>。そのアンサンブルの醍醐味を「The Cut」から「yoakemae」の流れで存分に味あわせ、ラストは爽快な「17才」でフロア一体となったクラップを響かせた。フロアから、「最高!」という声が上がり賛同の拍手喝采が大きくなる。充実感の高いライブだ。



アンコールは、このツアーでお馴染みになったセッション。今回は、前述のthe pillowsトリビュートアルバム『ROCK AND SYMPATHY 〜tribute to the pillows〜』でBase Ball Bearがカバーした「Funny Bunny」を選曲。ご本人登場とばかりに山中さわおがボーカルをとるスペシャルセッションだ。ビール片手に、「Base Ball Bearファンはいい人ばっかり」と上機嫌で、そのロックアンセムはさらにポジティヴに響きわたった。

また、このファイナル公演では、新ツアーの発表、Base Ball Bearが立ち上げた新たなレーベル“Drum Gollira Park Records (DGP RECORDS)より、2019年1月30日にスリーピースにこだわり抜いて作り上げた2枚組EPをリリースすることが明かされた。今回のツアーがバンドに与えた影響、ライブを重ねてきたことで得た確信が作品になるのだろうと思うと、楽しみだ。


この日はその中から、できたばかりだという新曲「試される」が初披露された。まさに、ここから新たなステージに突入していく3人の状況にぴったりのタイトルであり、観客の反応も上々。さらにダブルアンコールの「祭りのあと」にて大団円を迎えた<Tour「LIVE IN LIVE〜I HUB YOU〜」>最終公演。2019年1月リリースの2枚組EPは小出曰く、「ほぼダビングなしの3人の音だけで作り上げる作品」だということもあり、この後もノンストップでバンドが加速していくことを伝える一夜となった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎Viola Kam (V'z Twinkle)

■<Base Ball Bear Tour「LIVE IN LIVE~I HUB YOU~」>11月11日(日)@愛知・名古屋DIAMOND HALLセットリスト

【the pillows】
01. I think I can
02. Ride on shooting star
03. カーニバル
04. STALKER
05. ニンゲンドモ
06. Calvero
07. Spiky Seeds
08. サード アイ
09. ハイブリッド レインボウ
10. Sleepy Head
11. Locomotion, more! more!
【Base Ball Bear】
01. ドラマチック
02. PERFECT BLUE
03. SHINE
04. LOVE MATHEMATICS
05. 君はノンフィクション
06. short hair
07. Tabibito In The Dark
08. The Cut
09. yoakemae
10. 17才
encore
en1. Funny Bunny (w/ 山中さわお)
en2. 試される
w.encore
en3. 祭りのあと

■2枚組 スペシャルEP (タイトル未定)

2019年1月30日(水)発売
※予約開始日・詳細後日発表いたします
発売元:DGP RECORDS / VICTOR ENTERTAINMENT

■<Base Ball Bear 「LIVE IN LIVE~17才から17年やってますツアー~」>

2月03日(日) 広島県 広島CAVE-BE
open16:30 / start17:00
(問)HIGHERSELF 082-545-0082
2月10日(日) 宮城県 仙台Rensa
open16:30 / start17:00
(問)キョードー東北 022-217-7788
2月11日(祝・月) 岩手県 盛岡CLUB CHANGE WAVE
open16:30 / start17:00
(問)キョードー東北 022-217-7788
2月16日(土) 静岡県 静岡UMBER
open16:30 / start17:00
(問)JAILHOUSE 052-936-6041
2月17日(日) 大阪府 なんばHatch
open16:00 / start17:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
2月23日(土) 北海道 札幌PENNY LANE 24
open16:30 / start17:00
(問)マウントアライブ 011-623-5555
2月24日(日) 北海道 帯広Rest
open16:30 / start17:00
(問)マウントアライブ 011-623-5555
3月02日(土) 石川県 金沢AZ
open16:30 / start17:00
(問)FOB金沢 076-232-2424
3月03日(日) 新潟県 新潟LOTS
open16:30 / start17:00
(問)FOB新潟 025-229-5000
3月09日(土) 岡山県 岡山IMAGE
open16:30 / start17:00
(問)HIGHERSELF 082-545-0082
3月10日(日) 愛知県 名古屋DIAMOND HALL
open16:00 / start17:00
(問)JAILHOUSE 052-936-6041
3月15日(金) 東京都 Zepp Diver City
open18:00 / start19:00
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
3月23日(土) 福岡県 福岡DRUM LOGOS
open16:15 / start17:00
(問)キョードー西日本 0570-09-2424
3月24日(日) 鹿児島県 鹿児島SR HALL
open16:30 / start17:00
(問)キョードー西日本 0570-09-2424
4月06日(土) 埼玉県 HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
open16:30 / start17:00
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
4月07日(日) 茨城県 水戸LIGHT HOUSE
open16:30 / start17:00
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
4月11日(木) 京都府 京都磔磔
open18:00 / start18:30
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
4月13日(土) 香川県 高松DIME
open16:30 / start17:00
(問)DUKE高松/087-822-2520
▼チケット
スタンディング:¥4,500-(税込/1D代別)
※3歳以上チケット必要
【一般発売】
・広島(2/3)~帯広(2/24)公演:2018年12月22日(土)10:00~
・金沢(3/2)~鹿児島(3/24)公演:2019年1月19日(土)10:00~
・さいたま(4/6)~高松(4/13)公演:2019年2月16日(土)10:00~

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