【ライブレポート】dps、関西発<音都 ONTO>にて宣言「成果を来年2月のワンマンで」
大阪・堂島リバーフォーラムが、関西発の新世代アーティストを全国に送り出すために立ち上げたプロジェクトが“DFT (=DOJIMA FORUM TEAM)”だ。同チームの厳選によるアーティストが集結するフリーライブ<音都 ONTO ~NEOROCK from KANSAI~>の第三弾が11月17日(土)に行われた。
◆dps 画像
出演は、植田真梨恵、Qyoto、dps、-真天地開闢集団-ジグザグ、甘い暴力、RICO KUSUDA with Sensation、CROSS LORD、砂糖ココアとHinawa銃、magenta blue、図画アニソンメタルバンドという全10組。イベント当日の堂島リバーフォーラムは、キャパシティ1000人を超える客席の最後方までオーディエンスで埋まる盛況ぶりを見せ、<音都 ONTO ~NEOROCK from KANSAI~>がシーンに着実に根づきつつあることを感じさせた。
ジャンルを超えた新進気鋭アーティストの競演ということで開演時刻の15時30分から20時30分の終演時刻まで、全5時間を通してすべて観応えのあるイベントだったが、特にTVアニメ『名探偵コナン』のオープニング曲であり、メジャーデビューシングル「タイムライン」が11月にリリースされたばかりのdpsにスポットをあてたレポートをお届けしたい。
<音都 ONTO ~NEOROCK from KANSAI~>は自身のライブを終えたばかりの出演者と、その直後にライブを行う出演者がセッションをしている間にセットチェンジを完了するという手法が採られていて、実にシームレス。つまり、ステージ転換による待ち時間がないうえ、前後バンドのジョイントセッションが楽しめるわけだ。dpsはクリームの「Sunshine Of Your Love」をチョイス。彼らの前にライブを行ったQyotoのメンバーとリラックスした雰囲気でセッションを始めたが、“いきなり”という感じで森丘が超絶的な速弾きを炸裂させて、客席からは“おおっ!”というどよめきが起こった。う~ん、カッコいい。のっけからオーディエンスに強いインパクトを与える森丘の姿に、新たなギターヒーローの登場を感じずにいられなかった。
「Sunshine Of Your Love」のジャムセッションが終わると同時に、場内にスピーディなギターリフが鳴り響き、dpsのライブは「タイムライン」から始まった。ステージ中央に力強く立って、パワフルかつエモーショナルな歌声を聴かせる木村涼介。ソリッドなバッキングとテクニカルなリードギターを余裕の表情で決める森丘直樹。1曲目から荒々しいステージングを見せて、ファットな重低音をベースで紡いでいく安井剛志。全身を使ってタイトさとしなやかさを兼ね備えたドラムプレイを展開する川村篤史。硬派な雰囲気と瑞々しさを併せ持ったdpsならではのバンド感は魅力的で、ライブが始まると同時にステージに惹き寄せられた。
その後は、高速ビートで疾走する「さよなら愛しい日々よ」とメタリックでメロディアスな「暇つぶしみたいな人生」を続けてプレイ。メンバー全員がフィジカルなパフォーマンスをしていながらサウンドが安定しているのはさすがの一言で、スキルの高いメンバーが揃っていることをあらためて感じさせる。
特に、森丘のギタープレイには圧倒されずにいられなかった。ピッキングの正確さは群を抜いていて、速弾きでも全ての音がクリアに聴こえるのは見事。ひたすら速いだけのパターンとは異なる緩急を活かしたフレージングや味わい深いチョーキングやビブラート、艶やかなトーンなども実にいい。音源そのままを期待してライブを観て、“あれっ?”ということになってしまうギタリストも少なくない中、森丘はライブを通してハイレベルなプレイで楽しませてくれた。
ライブ後半では重厚なグルーヴと粘りのあるボーカルを配した「全部捨てて」や、客席でタオル振りが湧き起こったキャッチーな「世界を斜めから見て」、スケールのデカさが魅力的な「一発逆転」などが演奏された。メタルテイストを採り入れたハードなサウンドとR&Bなどをルーツに持つ木村のエモーショナルなボーカルをマッチングさせたdpsの個性は絶妙で、幅広い層のリスナーにアピールする力を持っていることを感じさせる。
今回の<音都 ONTO ~NEOROCK from KANSAI~>の出演者の顔ぶれからするとハードな音楽に馴染みの薄いリスナーも来場していたと思うが客席の反応は上々で、ライブを締め括った「ホワイトアウト」では、場内が一体感に溢れた華やかな盛り上がりを見せた。
<音都 ONTO ~NEOROCK from KANSAI~>のステージで、短いステージでも多数のオーディエンスを魅了する力を持っていることを示してみせたdps。“おっ!”と思わせるシーンの連続で、要注目のニューフェイスが姿を現したことを実感させるステージだった。また、今回のライブでは2019年2月10日に大阪心斎橋 ヒルズパン工場で初のワンマンライブを開催することもアナウンスされた。こういった場でも結果を出して、どんどんスケールアップしていくことを予感させるだけに、今後のdpsも本当に楽しみだ。
終演後にdpsのメンバーの声を聞くことができた。以下に、<音都 ONTO ~NEOROCK from KANSAI~>の感想と、11月下旬よりスタートするアジアツアー<Polyphia × マーティ・フリードマン × dps>への意気込みをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
「今日は細かいミスもあったけど、トータルで良かった、楽しかったです(笑)。アジアツアーは、各国で爪痕を残したいですね。今日のライブでそれを実現できることを感じたので、今の勢いを保って全力でいきます」──安井剛志 (B)
「実は今日、少しナーバスだったんですけど、ライブが始まると自然と笑顔になって、めちゃくちゃ楽しかった。アジアツアーに関しては意気込みが一味違うというか。最近はdpsとは思えないくらいマジメに練習しているんですよ(笑)。いつも真剣なんですけど、それ以上にピリッとした空気になっていて。アジアを廻ることでバンドとしてひとつレベルアップできるんじゃないかなと思う。それに、その成果を来年2月のワンマンで披露することになるので、ぜひ観にきてほしいです」──川村篤史 (Dr)
「リハーサルのときにはやろうと思ってなかったことが本番で出てしまったんです。それは余裕を持ってステージに立てたということだし、その場の感覚を活かすことで個人的にテンションを上げることが出来たので、結果、いいライブになりました。コーラスをしなかったりとか、他のメンバーには“すみません!”というところもありますけど(笑)。アジアツアーは先日のBARKSインタビューでも言ったように、“dpsが世界規模で認知されて、ギターはNAOKI MORIOKAだと言われる存在になりたい”という思いが僕の中にあるんです。今回はそこへ向けた第一歩になるので、必ず成功させて、その後に繋げたいですね」──森丘直樹 (G)
「森丘さんのライブならではの動きというか、普段はなかなか見れない部分を見ることができたし(笑)、楽しかったです。僕らはライブで演奏しているときに、メンバー同士のコミュニケーションがより深く取れるような感覚があって。特に今日はそういうバンド感をお客さんにも感じ取ってもらえたんじゃないかなという気がします。アジアツアーはマーティさんから吸収できることは全部得て、ドカンと成長したいですね。川村さんも言ったように、その後に行われる来年のワンマンも期待していてほしいです」──木村涼介 (Vo)
◆ ◆ ◆
■<DFT presents 音都 ON TO 〜NEO ROCK from KANSAI〜>2018年11月17日(土)@大阪・堂島リバーフォーラム / dps セットリスト
02. さよなら愛しい日々よ
03. 暇つぶしみたいな人生
04. 全部捨てて
05. 世界を斜めから見て
06. 一発逆転
07. ホワイトアウト (2Drums)
■<Polyphia × マーティ・フリードマン × dpsアジアツアー>
11月25日(日) バンコク・RCA live House
11月28日(水) シンガポール・EBX Live Space
11月30日(金) マニラ・Studio 72
■デビューシングル「タイムライン」
▲初回限定盤
【初回限定盤 (CD+Photobook)】GZCA-7172 ¥1,500+税※フォトブック仕様パッケージ
1. タイムライン
2. さよなら愛しい日々よ
3. タイムライン –Instrumental-
▲名探偵コナン盤
【名探偵コナン盤 (CD)】GZCA-7173 ¥1,000+税※描き下ろしアニメ絵柄ジャケット
1. タイムライン
2. さよなら愛しい日々よ
3. タイムライン –TV Edit-
▲通常盤
【通常盤 (CD)】GZCA-7174 ¥1,000+税1. タイムライン
2. さよなら愛しい日々よ
3. タイムライン –Instrumental-
▼「名探偵コナン」オープニングテーマ
読売テレビ・日本テレビ系全国ネット土曜よる6:00放送
※10月6日(土)18:00~
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