桑田佳祐、<ひとり紅白>完結「平成三十年というひとつの時代の節目に」

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桑田佳祐によるAct Against AIDSコンサート<平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦>が、11月29日、12月1日、2日の3日間、神奈川・パシフィコ横浜国立大ホールにて開催された。

◆<平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦>画像

エイズ知識についての啓発活動を行なうAct Against AIDS(AAA)が発足した1993年当初から、その活動にさまざまなかたちで携わってきた桑田。5年ぶりのパシフィコ横浜でのAAAコンサートは、これまで2008年、2013年に行なわれ大好評を博した名企画<ひとり紅白歌合戦>の第三弾となるものだ。時代とともにHIV/エイズを取り巻く環境が好転してきたことを受け、AAAは2020年7月末をもって四半世紀にわたる活動の幕を閉じる予定となっており、それに伴って、桑田の<ひとり紅白歌合戦>も今回で完結を迎えることとなった。以下、そのオフィシャルレポートをお届けする。

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これまでの<ひとり紅白>同様、今回もボリュームたっぷりのステージを展開。古くは戦後間もない昭和20年代の名曲から、最近の平成のヒット曲に至るまで、アンコールも含めなんと全55曲が披露された。どんな時代のどんな歌手の曲でも、どんなジャンルのどんな曲調の曲でもすべて自分のものとしてしまう力量は、まさに国民的歌手・ミュージシャンとしての桑田佳祐の面目躍如。4時間弱にもおよぶそのステージの中で、数々の極上エンタテインメントと共に、桑田からの様々なメッセージが発せられた。

序盤ブロックで歌われた「涙くんさよなら」は、2017年末に本家『紅白歌合戦』内で放送された朝ドラ『ひよっこ』のスピンオフドラマの中で、桑田が浜口庫之助に扮して歌った楽曲だ。昨年浜口が生誕100年であったことから、彼へのリスペクトも含め歌われた同曲を今回も披露。桑田の歌に合わせてバンドのバックメンバーがひとりひとりステージに登場する様に、会場は大きな歓声に包まれた。

「フォーク&ニューミュージック対決」と題されたコーナーでは、松山千春の「大空と大地の中で」、加藤登紀子の「知床旅情」が続けて歌われた。曲紹介では「今年、大きな地震があった北海道。みなさんへ歌でエールを!」とナレーションが流れた。桑田の細やかな気遣いを垣間見ることができた選曲、そしてパフォーマンスであった。

「世界の国からこんにちは」では、《巡り会い 愛し合う 時が来たなら 大切な 大切な 人を守ろう》《お互いに お互いにエイズを 知~ろ~う!!》と、また洋楽のヒット曲「Havana」でも《真剣に もっと大切に愛し合い パートナーを大切に》《性はもっと豊かなもので思いやりの気持ちを持って互いの命を守ろうよ それが愛というものなんだ》というフレーズを替え歌にして、AAAのメッセージを歌に込めた。

桑田佳祐は前川清の長年のファンであり、過去2回の<ひとり紅白歌合戦>でも“内山田洋とクール・ファイブ”の曲を披露している。その際、桑田がコスプレをし、クール・ファイブのそれぞれのメンバーに扮した映像が流れて会場の大爆笑を誘うという演出はもはや定番だが、今回も期待通り「中の島ブルース」で、五人五役を演じた“ヅラ山田洋とクールファイブ”が画面に登場し会場を沸かせた。さらにその映像内に途中からは、同様のコスプレをした大泉洋が登場。ユーモアたっぷりの表情で“五人”の桑田と絡み、一際大きな笑いが会場中に巻き起こった。

そしてコンサート中盤、紅組でも白組でもない“特別枠コーナー”として、ザ・ドリフターズのテーマと共に現れたのはなんと法被姿のサザンオールスターズのメンバーである。ドリフのメンバーも顔負けのギャグも織り交ぜつつ「いい湯だな」をメンバー全員で歌い終えると、メンバーから「来年はツアーでお会いしましょう!」とうれしい言葉が飛び出すと共に「サザンオールスターズ来年もよろしくお願い致します」というメッセージがビジョンに映し出され、会場全体が大きな歓声に包まれた。

本編終盤では、5月に惜しまれつつ他界した西城秀樹の名曲「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」で会場全体が“Y.M.C.A.”の振り付けと共に大盛り上がり。一方で、ビジョンに映された秀樹の姿に哀惜の念を禁じえなかった人も多かったはず。さらに「Y.M.C.A.」の連呼が「M.O.M.O.K.O」に変わると共に「YOUNG MAN」からメドレーでつながったのが、さくらももこが詞を書き、桑田が曲をつけて歌ったちびまる子ちゃんのテーマ曲「100万年の幸せ!!」。ビジョンに映ったのはもちろん、ちびまる子ちゃんをはじめとした、さくらももこが生み出した数々の登場キャラクターだ。極上にショーアップされた歓喜の中に、亡き人たちへのリスペクトを込めるという桑田佳祐にしかできない哀悼の表現に、多くの人が涙したに違いない。


アンコールが始まると、桑田佳祐自身の声でナレーションが流れ始めた。「流行歌。ヒット曲。」と始まったその口上は、現代社会と流行歌・ヒット曲の関係、そして“大衆音楽作家”としての自分の役割を、冷静に俯瞰しているかのような内容であり、次のような言葉で締められていた。

「Act Against AIDSの活動自体は2020年に終焉を迎えるが、世の中にはその他にもさまざまな問題が山積みとなっている。流行歌。ヒット曲。大衆と、ほどよくがっぷり四つに組み、新たな音楽を作り続けていくことを、私は辞めないだろう。そして、そうした問題にこれからも向き合っていこうと思う。平成三十年というひとつの時代の節目に、私はそう思いを新たにするのだ」──桑田佳祐

<ひとり紅白歌合戦>という偉業を完結させ、AAA活動にひとつの区切りをつけつつも、桑田佳祐の新たな決意が滲み出る圧巻のステージであった。

撮影◎西槇太一

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<桑田佳祐 Act Against AIDS 2018「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」>セットリスト

2018年11月29日(木)、12月1日(土)、12月2日(日)
神奈川・パシフィコ横浜国立大ホール
M1(白) 憧れのハワイ航路 / 岡晴夫
M2(紅) テネシー・ワルツ / 江利チエミ
M3(紅) 学生時代 / ペギー葉山
M4(白) 涙くんさよなら / 坂本九
M5(白) あの時君は若かった / ザ・スパイダース
M6(紅) 雲にのりたい / 黛じゅん
M7(白) 想い出の渚 / ザ・ワイルド・ワンズ
M8(紅) さすらいのギター / 小山ルミ
M9(白) 純愛 / ザ・テンプターズ
M10(紅) 雨に濡れた慕情 / ちあきなおみ
M11(白) 愛する君に / ザ・ゴールデン・カップス
M12(紅) 人形の家 / 弘田三枝子
M13(白) 大空と大地の中で / 松山千春
M14(紅) 知床旅情 / 加藤登紀子
M15(白) ふれあい / 中村雅俊
M16(紅) 翼をください / 山本潤子
M17(白) 落陽 / 吉田拓郎
M18(白) 夢の中へ / 井上陽水
M19(紅) なのにあなたは京都へゆくの / チェリッシュ
M20(紅) 地上の星 / 中島みゆき
M21(白) 世界の国からこんにちは / 三波春夫
M22(紅) 三百六十五歩のマーチ / 水前寺清子
M23(白) 時の過ぎゆくままに / 沢田研二
M24(紅) まちぶせ / 石川ひとみ
M25(白) ある日渚に / 加山雄三
M26(紅) セーラー服と機関銃 / 薬師丸ひろ子
M27(白) 桜坂 / 福山雅治
M28(紅) 異邦人 / 久保田早紀
M29(白) 夢芝居 / 梅沢富美男
M30(紅) 愛の水中花 / 松坂慶子
M31(白) 北国の春 / 千昌夫
M32(紅) あなたならどうする / いしだあゆみ
M33(白) 中の島ブルース / ヅラ山田洋とクール・ファイブ ※原曲「中の島ブルース / 内山田洋とクール・ファイブ」
M34(紅) プレイバックpart2 / 山口百恵
M35(紅) 会いたい / 沢田知可子
M36(白) さよならをもう一度 / 尾崎紀世彦
M37(特別枠) 世界に一つだけの花 / SMAP
M38(特別枠) いい湯だな / ザ・ドリフターズ
M39(紅) 雪の華 / 中島美嘉
M40(白) 海の声 / 浦島太郎(桐谷健太)
M41(紅) ハナミズキ / 一青窈
M42(白) どんなときも。 / 槇原敬之
M43(白) 君に、胸キュン。 / YELLOW MAGIC ORCHESTRA
M44(紅) 赤道小町ドキッ / 山下久美子
M45(紅) 真夏の夜の夢 ~ ひこうき雲 / 松任谷由実 ~ 荒井由実
M46(白) YOUNG MAN (Y.M.C.A) / 西城秀樹
M47(白) 100万年の幸せ!! / 桑田佳祐
M48(紅) Havana(ダメなバナナ) / 神良壁郎 ※原曲「Havana / カミラ・カベロ」
M49(白) 熱き心に / 小林旭
M50(紅) つぐない / テレサ・テン
M51(紅) 伊勢佐木町ブルース / 青江三奈
M52(白) 雪が降る / アダモ
M53(白) 与作 / 北島三郎
M54(紅) 愛燦燦 / 美空ひばり
M55(特別枠) 古い日記 / 和田アキ男 ※原曲「古い日記 / 和田アキ子」

『桑田佳祐 Act Against AIDS 2018 「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」』

放送日:2018年12月25日(火)夜7:00~ [WOWOWプライム]
スペシャルサイト: http://www.wowow.co.jp/kuwata/

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