【千歌繚乱インタビュー】SAVAGE、「バンドをやれているだけで幸せ」

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■“全員で突っ込め!”という姿勢を採るのがSAVAGE

――作品全体の印象も強まっていますので、長いアウトロは正解だったと思います。『解剖フィルム』はSAVAGEの新たな魅力が詰まった必聴の一作になりましたし、2018年は大きなツアーをまわったこともあって、あらためてそれぞれがバンドの良さを感じている気がしますが、いかがでしょう?

龍華:感じています。自分は歌うことしかできないということもあって、バンドのない人生というのは考えられない。それに、最近は大人になったのかわからないけど、やれているだけでもあり難いことだなという気持ちが芽生えてきているんです。バンドをやりたくても、やれない人もいるじゃないですか。メンバーがいなかったり、病気になってしまったり、親の仕事を継がないといけなかったりというふうに、理由はいろいろあるだろうけど。そういう中で自分はバンドをやれているというのは、それだけで幸せなことかなと思うようになりました。

――そういう感謝の気持ちを持ったうえで、ファンの皆さんに媚びることなく、“見せつける感”に溢れたライブをされているというのは、すごくいいカッコいいです。

龍華:ステージでは、“ありがたい感”は出さないですね。それは、絶対に違うと思うから。でも、内面ではいろんなことに感謝しているし、バンドを続けていくためにより努力しないといけないと思っています。いろいろ考えれば考えるほど、SAVAGEは奇蹟みたいに感じるんですよ。5年も続いてるということからしてそうだし。ずっと突っ走ってきて、濃い思い出もいっぱいあるけど、濃い思い出すらかき消すくらい今がさらに濃いという状態がずっと続いているんですよ。それは本当にすごいことだし、これからもそうありたいと思っています。

JUN:俺も、最近はSAVAGEが一層楽しくなっています。我慢することをやめたから。SAVAGEは濃いイメージがあると思うけど、今日は薄めのメイクでいきたいと思えばそうするし、ライブのときに自分がいきたくなったらガンガンいく。それで、ベーシストらしくないと、よく言われるんですけど。俺はベーシストなので、もちろん好きなベーシストはいるけど、ライブを観たときに目を惹かれるのはギタリストのほうが多いんですよ。ギタリストのパフォーマンスのほうが好きで、自分もそういうパフォーマンスをしたいから派手にいっています。そういうふうに、捉われずに好きにやろうという気持ちになって、なおかつSAVAGEはそれを受け入れてくれるバンドなんですよ。だから、最近は今まで以上に楽しいです。

▲JUN(B)

Ayuto:俺もJUNと近いところがあって、このバンドではずっと自由にやらせてもらっていて、それはありがたいなと思っています。メイクとかもそうだし、作る曲とかもそうだけど、俺はなんでもやりたいんですよ。すべての側面を見せたい。うちのバンドは表面上では“かわいいの禁止”みたいなところがあるけど、そっち系にもいきたくなったらいくし…みたいな(笑)。

一同:いくんだ?(笑)

Ayuto:刺々しいものをやりたいけど、そうじゃないところも見せたいなというのがあるんです。「それは、かわいいよ。ダメだよ」と言われたりするけど、好き勝手やらせてもらっていて、それが楽しい。メンバーから制限されるとモチベーションが下がってしまうだろうけど、そういうことがないからSAVAGEはいいバンドだなと思っています。

猛:バンドの楽しさは……やっぱり、ライブは楽しいですね。今はYouTuberとか、いっぱいいるじゃないですか。曲を作って、それをアップするけどライブはしない…みたいな。私はそうじゃなくて、ライブがしたい。曲を作るということとライブをするというのは別物で、どっちも楽しいけど、ライブはお客さんと一緒に楽しめるもので、それがすごく好きなんですよ。私は自分の曲で世界を変えてやるとか、日本を変えてやるとか、そこまでできるとは思っていないけど、うちらが作った曲が好きだと言ってくれたり、激しい曲を聴いて元気が出たと言ってくれたりする人がいて。そういうふうに思ってくれる人がいて、それをライブという場で共有できるということに、私はすごくやり甲斐を感じています。

――ライブをすることで、ミュージシャン/プレイヤーとして成長する部分は大きいですよね。それに、SAVAGEは個性の強いメンバーが揃っていることで、お互いに刺激を受け合っていて、それがいい方向に出ていることを感じます。

龍華:それは、ありますね。うちが他のバンドと違うところは、楽器陣全員がグイグイ前に出たがるんですよ。ボーカルを神輿に担ぐんじゃなくて、喰いにくる(笑)。“お前らボーカルじゃないのに、ボーカルみたいなことをやってるな”というメンバーが揃っているんです。だから、ボクも気合が入りますよね。そういうメンバーに喰われてしまったら、自分はそこまでの存在でしかないから。ただ、それがストレスにはなっていなくて、バンドとしてすごくいい環境だと思っています。

――SAVAGEの楽器隊の皆さんの押し出しが強いのは事実ですが、そんな中でひときわ強い存在感を発している龍華さんには圧倒されます。

龍華:それは、結構周りにも言われます。「よく、あの中に立って歌えるね」と。キャラクターの面でもそうだけど、うちのバンドは爆音だから、歌の面でも生半可な歌だと喰われてしまうんですよ。だから、ボーカルを立たせているバンドを見ると羨ましいなと思う部分もあるけど……。

猛:私たちも立たせているよね?

Ayuto&JUN:うん(笑)。

龍華:……(黙)。いや、立たせてくれている部分も所々あるけど、他のバンドと比べると薄いんですよ。だけど、それはそれでいい。ボクは“気にせず、全員で突っ込め!”という姿勢を採るのがSAVAGEって言う獰猛なバンドだと感じてるから。

Ayuto:でも、龍華さんが強いことがわかっているから、俺らも全力でいけるんですよ。実際、全力でいっても喰えないし。

龍華:やっぱり、喰おうとしてるんだ(笑)。

一同:ハハハッ!

JUN:いや、がんばらないと、このバンドでは存在感がなくなってしまうから。

猛:それは、ある。みんな濃いからね。

――それぞれタイプが異なっているので、全員で“ガッ!”といってもゴチャゴチャした感じにならないことも強みといえますね。さて、皆さんの話を聞いて今後のSAVAGEの活動が一層楽しみになりました。まずは12月に、<東名阪2デイズ・ツアー【双頭の蛇】>が開催されます。

龍華:2デイズ・ツアーは初めてですけど、SAVAGEも5年やらせてもらっていて、持ち曲が50曲くらいあるんですよ。なので、今回は初日を初期のSAVAGEの曲を揃えたセットリストにして、2日目は後期のSAVAGEのセットリストを組むという構成でいくことにしました。それで、つい先日ゲネプロをしたんですけど、まぁ難しくて。もう4年くらいやっていない曲とかは、感覚的にはほぼ新曲なんですよ。だから、新曲多いなという(笑)。なので、ちょっとドキドキしますね。3ヶ所ともめちゃくちゃ濃くて、観応えのあるライブになると思うので期待していてほしい。来れる人には、それこそ全部観てほしいです。

JUN:昔の曲は本当に久しぶりの曲が多くて、当時はこういうベースを弾いていたんだと思いました。“サポートしていた頃を思い出すなぁ”とか“この曲から始まったライブがあったな”というふうに、いろんなことを思い出したし。だから、昔の曲をさらうのは楽しかったです。それを今の状態で演奏したら、どういうふうになるのかなというのも楽しみだし。でも、どうなんだろう? お客さんは、昔の曲覚えているかな?

一同:そこなんだよな(笑)。

JUN:“これなんだっけ?”と思って、ポカンとしているかもしれない(笑)。

▲Ayuto(Dr)

龍華:最近SAVAGEのファンになってくれた子とかは、あるかもね。昔の音源は、もう手に入らないから。だから、こういう曲もあるんだという感じになると思う。でも、そういうことは関係なく楽しませようと思っています。

JUN:俺も、実はそこはあまり心配していない。どんなバンドも結成当初は自分達のことを全く知らない人に向けて、全く知らない曲を聴かせて掴んでいくじゃないですか。自分達も、そうしてきたわけだし。だから、今度のツアーも初めて聴く曲が多かったとしても、楽しんでもらえると思います。

Ayuto:今度のツアーは、純粋に楽しみです。ライブでやってない曲を練習し始めて、初期の自分もちゃんとやっていたんだなと思ったんですよ、自画自賛みたいだけど(笑)。一応成長した気でいたけど、手癖とかが今とは違っていて、昔は昔でがんばっていたんだなと思って。それは自分のドラムに限らず、みんなのプレイとかも同じで、この曲いいなというのがいっぱいあるんですよ。それを確認できて良かったし、お客さんにもそれを感じてもらえるツアーにしたいと思っています。

猛:過去の曲とかを聴くと、そのときのメンバーのブームがわかるんですよね。だから、懐かしく感じました。あとは、最近のSAVAGEの曲は難しいなと思っていたけど、昔から難しかったことに気付いた(笑)。それに、音源になっていない曲もあって、それをスタジオで合わせたんですけど、みんなが部分部分しか覚えていなくて。それぞれが覚えているところを、つなぎ合わせて曲にする…みたいな(笑)。

Ayuto:龍華さんが一番覚えていたよね、ボーカルなのに。で、それぞれのパートのフレーズを口で言うという(笑)。

龍華:そう。「ドラムが“ズダダダッ・ダッタ”で、ギターは“タリラリ・タリラリ”だよ」みたいな。高校生バンドかよっていう(笑)。

――いいですね(笑)。さらに<双頭の蛇>を終えた後、12月21日にBARKS主催のイベントライブ<千歌繚乱>に出演されます。

龍華:<千歌繚乱>は8月に初めて出させてもらったんですけど、お世辞抜きで、今の時代にこうやってバンドを宣伝してくれるイベントがあることが嬉しいなと思って。それで、前回ライブを終えた後に「次もあれば、またよろしくお願いします」と自分から言ったんです。あまりそういう事言わないタイプなのに。それくらいちゃんとしているというか、バンドに対する愛情を感じるイベントなんですよね。なので、12月もがんばらせていただきます。

JUN:俺はよくYahooニュースのBARKSの記事を見てるんですけど、“ここに俺らも出るんだ”と思って、そこから毎日Yahooニュースをチェックするという(笑)。そういう嬉しさがあるし、<千歌繚乱>自体もすごくいいイベントだと思います。対バンに負けないようにしたいというのもあるし。12月も全力でライブをして、全力でYahooニュースをチェックします(笑)。

Ayuto:<千歌繚乱>は出演するバンドをちゃんと紹介してくれるし、ライブが終わった後にライブレポートがアップされるし、イベント当日の特典とかもあって、龍華さんも言ったように愛に溢れているんですよね。

龍華:中にはバンドのプロモーションどころか金だけ回収してくるような、よくわからないイベントもあったりするからね。

Ayuto:そう。会場にいってライブをするだけで、結局主催者が誰だかわからないまま終わってしまったりとか。そういうイベントを結構経験してきたので。なので、12月は<千歌繚乱>でみんなと一緒にいい時間を過ごせることを楽しみにしています。

猛:<千歌繚乱>は、タイムテーブルを公開しているところもいいなと思っています。公開しているということは、その時間にいる人はSAVAGEを観たい人なわけだから、やる側も、観る側も気持ち良くライブができる。12月も最高のライブを見せられると思うので、期待していてください。

取材・文◎村上孝之

  ◆  ◆  ◆

SAVAGEが出演する<千歌繚乱vol.19>、チケットは現在イープラスにて発売中。


<千歌繚乱vol.19>

日時:2018年12月21日(金)開場17:30 開演18:00
出演:SAVAGE/TRNTY D:CODE/MEIDARA/モンストロ/REIGN
会場:渋谷REX
料金:【一般チケット】3,800円 【当日券】4,000円 ※ドリンク代別途

・チケット受付
11月30日(金)12:00~12月20日(火)
[イープラス]
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002278053P0050001P006001P0030001

<SAVAGE ONEMAN TOUR【双頭の蛇】>

~大阪編前期~ 2018年12月08日(土)大阪アメリカ村BEYOND
~大阪編後期~ 2018年12月09日(日)大阪アメリカ村BEYOND
~東京編前期~ 2018年12月15日(土)高田馬場AREA
~東京編後期~ 2018年12月16日(日)高田馬場AREA

<猛BIRTHDAY ONEMAN【猛ガ生マレタ日】>

2019年1月9日(水)池袋BlackHole
出演:SAVAGE

O.A:猛セッション
Vo.猛(SAVAGE)
Gt.さゅら(SCAPEGOAT)
Gt.リュカ(IGGY)
Ba.70.(FIXER)
Dr.カエデ(ギャロ)

2nd MINI ALBUM『解剖フィルム』

発売日:2018年10月24日(水)
品番:SVG-0013S
仕様:6SONGS+1INSTRUMENTAL
価格:¥2.700(税込み)
発売元:Reverse Cross Music
販売元:株式会社ライカロリーポップ
収録曲
1.Caress
2.紅色
3.失格ストロベリー
4.メビウス
5.裏切りの錯乱バニー
6.オーバーキル
7.鍵

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