【インタビュー】杉本善徳 (Waive)、「僕はやっぱりWaiveしか好きじゃない」

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Waiveが2019年4月30日、Zepp Tokyo単独公演<Waive GIG「サヨナラ?」愛しい平成よ>を開催する。BARKSでは“平成最後の日”に行われる同公演を前に、Waiveというバンドを再検証する連載特集を展開中だ。その第四弾は杉本善徳(G)の単独インタビュー。聞き手は前回に続いて音楽ライターの大前多恵氏が務める。

◆Waive 画像

Waive楽曲の作詞作曲のほぼすべてを担うのが杉本善徳(G / Vo)だ。2005年12月1日、解散ライヴにて「Waiveが最高のバンド」と発言した彼は以降、ソロ活動や楽曲提供は精力的に行いながらもバンド形態での活動を自らに頑なに禁じてきた。まるで、自身の言葉に呪われているかのように──。2010年の再演、2016年の再再演に続く3度目の活動を展開中の2018年。皮切りとなったMUCC、Psycho le Cémuら同期との3マンイベント<MUD FRIENDS2000~2018>には熱とエネルギーが迸り、胸を打つ尊い何かがあった。だからこそ、“解散中などと言わず恒久的に活動してほしい。もっとライヴを観たいし、新曲も聴きたい”と願ってしまったのだが……そのような単純な話ではなく、杉本は悔恨や自責の念が入り混じった、複雑な心境に至っていた。

積み重ねて来た過去があるからこそ、今があり、未来がある。ソロ活動で築いた大切な場所を当然、慈しんでもいる。だからこそ、「Waiveが好き」という情だけに判断を任せないよう、戒めているように見えた。また、杉本はどの話題においても、愚直なほど真摯にフェアに、多角的に物事を検証しようと言葉を尽くしてくれたのが印象深かった。私としても、彼の配慮を最大限に尊重すべく、細心の注意を払って文章化した。誤解が極力少なく、真意を伝えられていればと思う。

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■イベント自体久しぶりだったので
■かわいらしい言葉で言うと緊張してた

──2018年のWaiveの活動について、杉本さんはどう思っていらっしゃるのか?というところと、バンドの未来についてお聞きできれば、と思っています。

杉本:なるほど、はい。

──少し前のお話になってはしまうんですが、10月に開催されたイベント<MUD FRIENDS 2000~2018>を振り返って。どんな気持ちであのイベントに向かって行かれたのでしょうか? 2016年以来2年ぶりに、Waiveとして再び動き始めることに対する想いをお聞かせいただけませんか?

杉本:言葉にするとビックリするぐらい淡泊ですけど、僕は“イベントで動き出していいんかな?”みたいなことだけをずっと考えていて(笑)。

──Waiveのワンマンとか、そういう形じゃなくていいのかな、と?

杉本:はい。ファンの人たちからしたら、MUCC、Psycho le Cémuと我々が同期で仲が良くて、なんてことはわざわざ説明しない限り分からない人がほとんどだろうし、突然“俺たち仲良しだよね、イエーイ!”とか言って肩を組んで現れられたところで、“……はぁ?”ということになりかねないんじゃないのかな?という想いが、どこかであったので。それをどう分かりやすく説明するのか?について考えていたら当日になっちゃって(笑)。“あれ?”みたいな感じではあったかもしれないですね。

──とはいえ、ライヴ自体は充実感を得られる、手応えのあるものだったんじゃないですか?

杉本:そうですね、手応えもあったし充実感もあったなぁ……2005年9月のCLUB CITTA’で東海林のり子さんのイベントに出演したのがWaiveにとって最後の対バンイベントで。今回はそこから丸13年経っていて、イベントというもの自体が随分久しぶりだったので、ちょっとかわいらしい言葉で言うと“緊張”していたし(笑)。解散以降、完全にアットホームな環境でのWaiveしかもう、経験していなかったから。アットホームと言っても、解散してるバンドだからホンワカしてるかどうかは別としても、やっぱりアウェイな状況を一切経験していなかったので。初日の大阪はもう、めちゃくちゃ手が震えながらギターを弾いた自覚があって、“おいおい!”と思いながらやってましたからね(笑)。

──そうは見えませんでしたが……(笑)。Waiveというバンドのフィーリングは、今振り返ってみて、どうでしたか?

杉本:まぁ、普通ですよ(笑)。これも淡泊……というか、乱暴ですかね?

──いえいえ、率直に言っていただいたほうがありがたいです。

杉本:やっぱりメンバーそれぞれ境遇が違っていて。Waiveって、貮方(孝司/G)以外の3人が音楽活動を続けているから、3人は現役のプレイヤーで、ステージマンで、みたいな“印象”が付いていると思うんですけど。田澤(孝介/Vo)くんは“年間何本歌ってんねん?”というぐらい、あらゆるところで歌を歌っているし。(高井)淳(B)もいろいろな現場で弾くから、大きいステージも小さいステージも、いろんな意味で人に観られていると思うんですね。でも僕は、バンドとして活動したのはWaiveが最後で。僕にとってはやっぱりバンドってWaiveで完結してしまっているから、違うバンドを知らないんですよね。最新の記憶がWaiveにあるから、何をやったところでWaiveが僕の中ではスタンダードなんです。田澤くんのインタビュー(https://www.barks.jp/news/?id=1000161824)も読ませてもらいましたけど、彼の言っていた「あぁ、なんかWaiveってこんなんやったなぁ」とか、「バンドによってこんな違いがあるとは!」みたいな感覚が僕の場合はほぼなく、「久々のWaiveやなぁ」でしかなくて。ソロ活動でも年に1本ぐらいしかライヴをしていないから、2年前のWaiveのライヴは、“つい5本前ぐらいのステージじゃないか?”みたいな(笑)。自分の中で、そんなに違和感ないんですよね。だから、今は引退してステージに立っていない貮方が、実は僕と一番近い位置にいて。傍目には僕は現役のプレイヤーに見えてるとは思うんですけど、“いや、俺も貮方と同じぐらい緊張するし、同じぐらい努力せなステージ戻られへんねんで?”という感覚が、自分としてはある。だから、ステージに立つことに対する緊張とか、そこへ向けた積み重ねはしないとダメだけど、“Waiveだからセッティングし直さないと”とか“チューニングし直さないと”という意識は、ほぼないんですよね。しいて言うなら、リハーサルスタジオに初日に行った時、自分の立ち位置がどこか分からなかったことですね(笑)。「上手(かみて)どっちやったっけ?」みたいな。

──そうなんですね!

杉本:ソロではセンターに立ち続けてしまっているから。今回もリハ初日、僕がスタジオに入った時にはリズム隊がもう入っていたので、ギターを持って「おはよう、久しぶり~」みたいな感じで下手(しもて)のほうに行った時、「どこ行くねん!」と言われて「あぁ~」となったぐらいなので。そういうボワーッとした感じはありますけど(笑)。そこ以外に関してはもう全然、普通なんですよね。

◆インタビュー(2)へ
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