【インタビュー】DJ ChiMy「音楽だけでなくトータル的に考えることができるのが私の強み」

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銀座のニューベニュー、PLUSTOKYOをウィークデイからホリデイまで縦横無尽な選曲でフロアを盛り上げているフィメールDJがいる。その名はChiMy(チャイミー)。時にハードエッジなEDMを、時に優雅なビッグバンドジャズを、また時に来場したゲストのリクエストに答え、クイーンを……。そんなさまざまな音楽に対する造詣の深さはどこから来ているのか。イラストレーターとしても活躍するDJ、ChiMyに話を聞いた。

Photo by Yosuke Torii

■ジャンルをひとつに絞って、お客さんに
■強制的に聴かせるというスタイルが好きじゃない

──DJを始めたきっかけから教えてください。

ChiMy 大学を卒業したころくらいにクラブにハマってたんです。週三くらいで遊びに行ってたかな……京都ワールドで遊んでいるときにマンスリーをもらったら、DJスクールのチラシが入ってて、やってみようかなとなったのが始まりですね。

──そこでDJスクールに通い始めた?

ChiMy 最初にDJスクールに通い始めて、今はDJスクールの講師もしてます。

──もともとクラブミュージックを好きになったのは?

ChiMy ずーっと新体操をやってたんですけど、大学のときに新体操の先輩にすごく誘われて、「絶対クラブが好きになるから一緒に行こう」って。「怖いから嫌です」って断ってたものの、半分強制的に引きづられて連れて行かれて(笑)、そこからハマってしまった。

──先輩に誘われる前はどんな音楽を聴いてましたか?

ChiMy Jポップかな……クラブミュージックは全く聴いてなくて、新体操をしてたせいもあって、ジャズとかクラシックは聞いてたし、ミュージカルが好きだったので、ミュージカルでかかるような曲はよく聴いてましたね。

──では、ダンスミュージックを聴き始めたのは、クラブに通い出してから、なんですね?

ChiMy そう、だからダンスミュージックデビューはめっちゃ遅いですね。19歳。

──最初に聴いたダンスミュージックはどんな種類のものでしたか?

ChiMy がっつりEDMでした。ティンバーとか流行り出したころですね。

──それでクラブに通い始めたんですね。

ChiMy めっちゃ行ってましたね。

──どんな音楽が好きになりました?

ChiMy やっぱりEDMですね。めっちゃパリピでしたから(笑)。

──ではDJを始めたのもEDM?

ChiMy そう、EDMのDJです。

──今は割と幅広い選曲をしますよね?

ChiMy それぞれのジャンルを好きになった経緯はいろいろあるんです。ハウスは最初、全く受け付けなくて、こんなに単調な音を聴かされて面白くないなーと思ってた(笑)。その後たまたま<神戸コレクション>を見に行く機会があったんですが、その時にモデルがランウェイを歩いているバックでかかっているのがハウスで……すごくかっこいいなって思いました。ファッション系のDJをやりたいって思って、ハウスをはじめとした4つ打ちに手を出し始めたんです。ヒップホップも最初めちゃめちゃ嫌いで(笑)、何がきっかけだろう……1OAKかな。だから好きになったのは超最近です。

──その幅広い選曲は、なんでそういうスタイルになったんでしょう?

ChiMy ディスコ、ロック、ジャズは新体操の影響ですね。それと母によくミュージカルに連れて行かれたこともあります。だれもやってない選曲をしたいと思っていたので、それらの影響が大きいです。EDMのDJはみんなが同じ曲をかけて、みんなが同じ踊らせ方をする……そういうスタイルに飽きてしまって、ワールドのセカンドフロアでDJをやることが多くなって、そこでビッグバンドジャズとか、いろいろとかけるようになったんです。

──例えば「クイーンかけて」みたいなリクエストには前々から対応してたんですか?

ChiMy 割と対応してました。音楽は満遍なく好きだったので。


──音楽はどんなものが一番好きですか?

ChiMy そのときのブームがありますね。

──たまにクイーンが好きで、たまにデヴィッド・ゲッタが好き、みたいな?

ChiMy ジャンルで、ですかね。今は4つ打ち、今はヒップホップとか。

──「テックハウスのDJです」「ジャズのDJです」……そういうふうに区切らなかったのはなぜでしょう? そういう方がDJとしては売り出しやすい気がしますが……。

ChiMy ジャンルを区切ってたときもあったんですけど、自分の中で区切れなくなっちゃった(笑)。今はオールジャンルですね。私はジャンルをひとつに絞って、お客さんに強制的に聴かせるというスタイルが好きじゃない。もちろん自分がやりたいDJをやるけど、目の前のお客さんが楽しんでくれることが一番なんです。その人たちが好きそうな音楽を想像してプレイして、そのお客さんたちが盛り上がってくれたらうれしい。

──例えば、ChiMyさんが自身は好きではない音楽をかけて、お客さんが盛りがってもそれはそれでよい?

ChiMy 好きじゃない音楽がそもそもそんなにないですね。でもそれはちょっとって言われるのをリクエストされたりしたら、断ります。その代わり週末に来ていただけるように促しますね。あなたが求めている音楽がかかりますよ、と。その場にそぐわない音楽はかけないようにしています。


■いつ来ても、どんなお客さんが来ても、
■その人が来た時間がその人のメインタイムになれば

──自分はナニDJ?

ChiMy 分からないですね……自問自答してます。今はジャンルをあまり区切りたくないですね。ChiMyってどんなDJなの?と聴かれたら「なんでもやります」と答えます(笑)。

──メディアとしてはお冠が欲しいですけど(笑)。それで聴きたいのが、なぜChiMyさんはPLUSTOKYOのハコDJになったんでしょう? PLUSTOKYOのDJは、いろんな対応が求められると思いますが。

ChiMy きっかけはもちろんマネージャーが推してくれたおかげでもあります。でもやっぱりジャンルを絞らずにいろんなことに挑戦してきたし、このジャンルも面白そうって思ったら全部勉強して自分のプレイリストに組み込んでみたり……そういうことがあってPLUSTOKYOでDJを務められている。それにファッションもクラブによって、TPOに合わせて変えたり、PLUSTOKYOでDJをするときは、まだ一度もコーデが被ってないのも自慢です(笑)。そういう、音楽だけでなくトータル的に考えることができるのが私の強みだと思っています。

クラブって割とラフにお客さんと喋りますよね? ただPLUSTOKYOではキチンとした言葉使いで、「トレイどこですか?」と聞かれたら、「あちらです」と答える。そういうのも意識してるし、もともとホテルで働いていたせいもあって、これまでの経験が活かされているなとも思いますね。私の人生、無駄じゃなかったと思える(笑)。さらに言えば、このお店の立ち上げメンバーになったわけで、それってすごく面白いし、お店が完成していく様を私も一緒に見たい。


──例えばChiMyさんのスキルやテクニックなら、どこか決まったクラブでレジデントDJとして活躍もできますよね?

ChiMy 今は1OAKでレギュラーDJをやらせてもらってるんです。ヒップホップがベースですが、私はハウスを混ぜます。でも自分のファンもChiMyのイベントはどれに行っても同じジャンルしかプレイしてないねってよりは、今日のChiMyはヒップホップ、今日のChiMyはテックハウス、今日のChiMyはPLUSTOKYOでディスコやってる、そういういろんな顔があった方がお客さんも楽しめるんじゃないか、そう思ってます。私自身、遊びに行って、いろんな顔が見られるDJの方が面白い。

Photo by Yosuke Torii

──ところで尊敬するDJっていますか?

ChiMy 実は尊敬する人をあまり作らないようにしてるんですよね。その人に憧れてDJしてるっていうのもない。憧れの対象を作るのが苦手なんです。憧れを作っちゃったらそれを超えられないなって思う。この人のここがすごくいい、例えばDJのつなぎ、ファッション、立ち振る舞い……そういうものを真似をしようということはあります。いろんな人のいいところを盗みたい。だからいろんなクラブにってDJさんの手元を見て勉強して、この曲からこの曲への流れはいいなって思ったら携帯にメモしたり……そういう勉強は散々してきましたね。

──それもジャンルを関係なくやってた?

ChiMy そうですね。ちょっとヒップホップに興味があるときはヒップホップのDJを見に行って……例えばこうやって繋いだら下手くそに聴こえるんやとか(笑)。

──PLUSTOKYOでのDJはどんな思い入れを持ってやってますか?

ChiMy PLUSTOKYOではかなり早い時間から、やるときはCLOSE時間までやってます。普通のクラブだったらオープンからの流れがあって、徐々に上げていきます。その流れがしっかりあるけど、ここは、私はそう思ってなくて……いつ来ても、どんなお客さんが来ても、その人が来た時間がその人のメインタイムになればいいなと思って、選曲してます。


<ChiMy DJスケジュール>

<FRIDAY + FEVER>
2018年12月28日(金)
PLUSTOKYO
9PM〜MIDNIGHT
GENTS:1000/1D(〜21:00)※DOOR
    2000YEN/1D(21:00〜LAST)※DOOR
LADIES:1000/1D※DOOR

DJ:
ChiMy
DJ MARTIN

<アソビシステム大忘年会>
2018年12月29日(土)
PLUSTOKYO
8PM〜MIDNIGHT
ADV 2000YEN 1D付き(GENTS / LADIES)
※iFLYER/優先入場 
DOOR 3000YEN 1D付き(GENTS)2000YEN 1D付き(LADIES)

DJ:中田ヤスタカ / RAM RIDER / TeddyLoid / 80KIDZ(DJ SET) / Azumi / UNA+MATCHA / ChiMy / 2BOY / P→★(TEMPURA KIDZ) / 大石楓夏 / MIOCHIN / Kanami / YASUKI / ISPA / FUMINE and more

◆ChiMy Instagram
◆ChiMy ホームページ(ASOBISYSTEM)
◆PLUSTOKYO オフィシャルサイト
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