【ライブレポート】MOSHIMO、満員の“大忘年会”で「一緒にのし上がっていこうぜ!」

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大きな飛躍を遂げた1年を締めくくる、大忘年会という名のスペシャル・ライブ。2018年12月26日、恵比寿LIQUIDROOMで行われた<MOSHIMO「BARI BARI ROCK」~大忘年会 嫌なこと全部ぶっ飛ばす!!編~>は、チケットもソールド・アウト。満員の観客と共に過ごす、平成最後のお祭り騒ぎの始まりだ。

満面の笑顔のポチこと岩淵紗貴を筆頭に、メンバーのテンションは最初からマックス状態。あいさつ代わりのインスト曲はばりばりのスラッシュ・メタルで、「嫌なこと全部ぶっ飛ばす!!」とポチが叫びまくる強烈な1曲だ。間髪入れずに人気曲「猫かぶる」へ突入するが、これが猫どころかライオンのパワーと激しさ。「支配するのは君と恋の味」も、原曲よりぐっと骨太でダイナミック。この1年のバンドの成長ぶりがはっきり見える、気合満点のオープニングだ。フロアからの手も良く上がり、歓声が鳴りやまない。

「全力で行くからついてこいよおまえら!」







黙っていればキュートな女性、ライブになると途端にオラオラ系に豹変する、ポチの煽りに応えてフロアが沸く。曲はここ1年で赤丸急上昇の「96メモリー」で、高速ハードなロック・サウンドと、男女の可愛いすれ違いを描くリアルな歌詞のバランスがいい感じ。強力ダンス・ロック「吾輩は虎である」は、猫やウサギや馬やイノシシが飛び出す恒例のコール&レスポンスで明るく楽しく。「強がり虫」は前身バンド・CHEESE CAKE時代の曲で、ふんわりしたポップ・チューンの中に切なさのスパイスを効かせたノスタルジックな1曲。バンド・サウンドが骨太になったぶん、ロック、ダンス、ポップなどの色付けがよりカラフルに聴こえてくる。4人の表情に余裕と自信がある。







「原点に戻らなきゃと思った時に、あらためてこの世にはラブソングしかないと思いました。私たちの原点のラブソングを歌います」

私は実はネガティブな性格。自分で自分が好きになれるように、この1年突っ走ってきたけど、自分の意思ではどうにもならないことがある。そんな時に原点に戻りたくなる──。そんなMCのあとに歌われた「寝グセ」も、CHEESE CAKE時代から歌い続ける大切な1曲だ。時にはネガティブな過去と向きあうことも大事。歌い終えたポチが、「でも今は楽しい!」と笑顔で叫ぶ。サウンドだけじゃない、精神的にもMOSHIMOはこの 1年でぐっと成長した。

「クリスマスなんか忘れて、最高のパーティーにしようぜ!」

クリスマスをぼっちで過ごしたドラム・響平とギター・一瀬のMCのあと、「FUWA-FUWA」はとことん明るく賑やかに。ベース・宮原颯とポチがリード・ボーカルを分け合うこの曲は、タテノリ・ダンスなビートも掛け合いの楽しさも、ライブでこそ映える1曲。さらに初登場の新曲「釣った魚にエサやれ」は、高速でぶっ飛ばすキャッチーなロック・チューンの中にセリフや掛け声を入れ、パフォーマンスも実に演劇的。ポチと颯くんが恋人役、その友達役の一瀬と響平とのやりとりがやたらとおかしい。今後のライブの盛り上がりポイントの一つになれる曲だ。







あっという間にライブも終盤。「圧倒的少女漫画ストーリー」は、中間部にポチの激しい煽りを入れた極悪バージョンで。「もっと馬鹿になろうぜ!」という言葉に続いて歌われた最新曲「電光石火ジェラシー」では、ポチが手持ちのスモークマシンをフロアにぶっ放して大はしゃぎ。アウト、セーフ、ヨヨイノヨイ。揃いの振付もばっちり決まった。

「マイナスの気持ちから作った曲も、みんなに届いてこうして一つになれる。どこまで行けるかわかんないけど、1000%でおまえらとぶつかっていくから。これからもよろしく!」







ラストは「触らぬキミに祟りなし」。ド派手なテープ発射の演出に、一瀬の渾身のギター・ソロ。本編11曲を全力疾走で駆け抜けた、電光石火のパフォーマンス。それは今のMOSHIMOの充実ぶりをはっきりと見せつける、とてもアグレッシブで確信的なものだった。











本編のパワフル&ハードなムードとは異なり、アンコールは伸びやかにリラックス・モード。「3日に1回はライブしたい!」という、ポチの2019年の抱負に大歓声が湧く。ライブで生まれライブで生きる、MOSHIMO最大の武器はやはりライブだ。しっとり聴かせる「大嫌いなラブソング」に続き、これがないと終われない定番中の定番曲「命短し恋せよ乙女」へ。大忘年会ということで、恒例のファンの名前を読み込む企画もいつもより人数多く、明るい笑顔が花咲く一体感と幸福感あふれるエンディング。これがMOSHIMOのライブだ。







「一緒にのし上がっていこうぜ! また会おう!」

2019年は、バンド結成4周年。一歩ずつ前進を続けた4人は、よりパワフルでロックなサウンドと、よりエモーショナルでリアルなラブソングを引っ提げて、次のステージを目指す。成長し続けるバンド、MOSHIMOの未来に期待する。

取材・文◎宮本英夫

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■MOSHIMO 2019初夏ワンマンツアー<猫かぶるのヤメマシタ>

5月25日(土)【札幌】COLONY
6月02日(日)【福岡】DRUM LOGOS
6月08日(土)【仙台】MACANA
6月15日(土)【名古屋】ell.FITS ALL
6月16日(日)【大阪】umeda Shangri-La
6月29日(土)【新潟】GOLDEN PIGS BLACK
7月19日(金)【東京】マイナビ赤坂BLITZ

■<MOSHIFES.2019>

3月09日(土)【福岡】BARKUP FUKUOKA
開場15:00予定 / 開演16:00予定 ※変更の可能性有
w / KEYTALK、フレンズ、MOSHIMO、緑黄色社会、ユアネス、超能力戦士ドリアン(O.A)

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