【ライブレポート】ブラック・クロウズ来日から14年を経て、ザ・マグパイ・サルート日本初上陸

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ザ・マグパイ・サルートが待望の日本初上陸を果たし、1月7日、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールでのジャパン・ツアー初日公演を盛況のうちに終えた。

◆ザ・マグパイ・サルート 画像

実のところ、このバンドが結成されたのは2016年秋のことであり、まだまだその名前自体も充分に浸透しているとはいえない。しかし何故その初来日が“待望”だったのかといえば、このバンドを率いているのが2015年初めに正式解散に至ったブロック・クロウズのギタリスト、リッチ・ロビンソンだからだ。彼自身の来日もブラック・クロウズ時代の<サマーソニック05>出演時以来、実に14年ぶりということになる。



しかもこのバンドでのリッチのギター・パートナーは、そのブラック・クロウズでの盟友マーク・フォード。ベースのスヴェン・パイピーンも1997年から解散まで同バンドに貢献してきた人物だ。そんな3人に加え、このバンドが始動する以前からリッチと活動を共にしてきたジョン・ホッグ(Vo)、リッチ自身が「彼の大ファンなんだ」と公言するほどのジョー・マギストロ(Dr)、そしてマット・スローカム(Key)という百戦錬磨のミュージシャンたち。ライヴが良くないわけがないのはあらかじめ疑うまでもないことだったが、この夜のパフォーマンスはまさしく極上で文句のつけどころのないものだった。

これから公演に足を運ぶ人たちのためにも過剰なネタバレは避けておこうと思うが(よって、セットリストは掲載せずにおく)、2時間に及ぶそのステージで披露されたのは、昨年夏にリリースされたザ・マグパイ・サルートとしてのデビュー・アルバム『ハイ・ウォーター・ワン』からの楽曲を軸としながらの全18曲。そのなかにはスモール・フェイセスやザ・バンド、ブライング・ブリトー・ブラザースなどのカヴァー、そしてもちろん、ブラック・クロウズのレパートリーも含まれていた。カヴァー曲の出典をこの場で躊躇なく明かすことができるのは、すでに200曲をゆうに超えるレパートリーを持っているというこのバンドだけに、公演ごとに異なった楽曲を披露してくれるはずだと確信できるからだ。


つまりこのバンドのライヴでは、1960年代からごく最近に至るまでのさまざまな時代に生まれた楽曲が披露されるわけだが、誕生から半世紀以上を経たクラシック・チューンの数々も、生まれて間もないオリジナル・ソングたちも、彼らは温度差なく聴かせてしまう。そこでロックの歴史に明るくないという人たち、ブラック・クロウズの楽曲をよく知らないという人たちも恐れる必要はない。ツワモノ揃いのこのバンドが繰り出すグルーヴは、無条件にその場にいる人たちを酔わせ、踊らせてくれるはずだ。

もう少しだけ具体的に言うなら、筆者自身は6人のメンバーそれぞれの間に成立する阿吽の呼吸というものの素晴らしさを感じた。全員が一致団結、というのではなく、個々のメンバー同士の一対一の関係性がいずれも絶妙で、それらすべてが重なり合った時にとてつもなく濃密な独自のものが醸し出されるのだ。加えて痛感させられたのは、「本当に演奏の上手い人たちが鳴らす楽器はとてつもなくいい音がする」ということ。ことにリッチとマークの両ギタリストが織りなす世界にはどっぷりと嵌まり込んでしまうし、各メンバーの過不足なくしかも痒いところに手の届く演奏ぶりも素晴らしい。


そして、バンドのフロントを務めるジョン・ホッグの歌唱の素晴らしさについても文句のつけようがない。しかもヴォーカルをとるのは彼ばかりではなく、リッチやマークがリード・ヴォーカルをとる楽曲も随所に配置されている。それぞれにキャラクターの異なった歌声のハーモニーのブレンドも絶品だし、それが最大限に活かされたアコースティック演奏も見事としか言いようのないものだった。

ザ・マグパイ・サルートは、1月8日には同じく恵比寿ザ・ガーデンホールにて東京公演の第二夜を迎え、さらに1月9日には大阪・BIG CATでの公演が控えている。この、深いルーツと新鮮さを併せ持った極上のバンドのライヴ・パフォーマンスに、是非この機会に触れて欲しいところだ。

取材・文◎増田勇一
撮影◎土居政則

■<THE MAGPIE SALUTE JAPAN TOUR 2019>

1月7日(月)東京・恵比寿ザ・ガーデンホール(※公演終了)
1月8日(火)東京・恵比寿ザ・ガーデンホール
1月9日(水)大阪・BIG CAT
¥8,500(スタンディング/税込)
(問)ウドー音楽事務所 03-3402-5999
▼メンバー
リッチ・ロビンソン(G)、マーク・フォード(G)、スヴェン・パイピーン(B)、ジョン・ホッグ(Vo)、ジョー・マギストロ(Dr)、マット・スローカム(Key)

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