【対談インタビュー】WING WORKS×KING RYO、ボーカリストとしての信念

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WING WORKSが2月3日にリリースする2ndアルバム『ENTITY』の発売を記念して開催するツーマンシリーズ<機密の花園>。

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今回このツーマンシリーズを記念して、KING RYOを迎えてボーカリスト同士の対談インタビューをお届けする。WING WORKSのRYO:SUKEにとって、RYOは尊敬してやむことのない存在だという。今回の対談でもRYOが語る言葉の数々に、RYO:SUKEがじっと聞き入る姿が印象的だった。

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■今のRYOさんと何か一緒にしたい

――まずは、お二人の関係性について話していただけますか。

RYO:元々は僕がサポートをしてもらっているドラマーの前川慎吾が、引き合わせてくれたんです。

RYO:SUKE:慎吾さんにはWING WORKSのサポートをしてもらっていた時期もあって、そのご縁でRYOさんを紹介してくれました。

RYO:そうやって知り合って、再会したのが去年の春頃だよね?

RYO:SUKE:はい。ニコ生でやっている番組でRickyさんがソロアーティストの特番を行なっていて、そのときにRYOさんもいらっしゃって。僕も出させていただいたんですが、そのときに初めてちゃんと挨拶をさせてもらいました。だから、RYOさんとは昔から親しくさせてもらっているわけではなくて。今回WING WORKSのツーマンシリーズ<機密の花園>にRYOさんを誘わせていただいたのは、そこに意味があるんです。<機密の花園>は、結果的に同期とか後輩のバンドとかもいますけど、最初は先輩の胸を借りるツーマンにしたいと思っていたんです。そうなったときに、RYOさんのことを思い出したんです。これはあえてはっきりとお伝えしたいんですけど、僕はRYOさんのキャリアのファンだったという訳ではないんです。

RYO:そうだったんだね。

RYO:SUKE:はい。僕はヴィジュアル系がトップ10に入るような時期に目覚めた世代で、もちろんLAIDさんのことは知っていましたけど、メジャー感のあるバンドよりも世界観重視のバンドが好きだったんです。だからLAIDさんのファンではなかったし、自分が少女-ロリヰタ-23区としてアーティストとして世に出る側になってからも、その系譜の中で活動してきたんです。ただ、ソロアーティストになると、ヴィジュアル系ではないミュージシャンの輪というのが広がりますよね。RYOさんもそうであるように、僕もバンド形態でソロをやりたいというのがあったから、サポートをお願いする形で、いろんなミュージシャンの方とご縁ができたんですね。そういう中で慎吾さんにドラムをお願いする機会があって、そのときに自分は慎吾さんやRYOさんが辿ってきた、いわゆる“ソフビ系”は全く通ってこなかったなとあらためて思ったんです。

RYO:その感覚はわかるよ。LAIDはヴィジュアル系ではなかったかもしれないから。だって、ヴィジュアル系と呼ばれているのは黒いほうの人達だよね。メイクが濃くてパフォーマンスもバンドのイメージに特化させていて…という。それに対してLAIDというのは“小ぎれいな姿でステージに上がっているバンド”だったんだ。そういうバンドは他にもいて、たとえばBOØWYもメイクをしていたけど、彼らはヴィジュアル系ではないよね。LAIDもどちらかというとそういう系統のバンドで、自分達がヴィジュアル系と呼ばれていいんだろうかという気持ちがあった。でもヴィジュアル系のイベントに呼ばれたら参加するし、そうかと思えばパンキッシュなイベントにも参加するみたいなことを結構やっていたんだ。それはKINGになってからも変わらなかったから、ちょっと特殊だった気がする。だから、コアなヴィジュアル・フリークは興味を持たなかったと思うんだよね。

RYO:SUKE:そうなんですよ。だから「昔からRYOさんのファンだったんです! 僕もアーティストになれて、一緒にできて嬉しいです!」ということではなくて、純粋に今のRYOさんと何か一緒にしたいという気持ちがすごく大きいんです。今RYOさんがおっしゃったヴィジュアル系じゃないのにヴィジュアル系の中にカテゴリーされていたとなったときに、じゃあRYOさんは何で戦っていたかというと「音楽と歌の力そのもの」だと思うんです。いい楽曲と確かな歌唱力、確かな演奏力。それに対して僕は最初世に出た時はそこじゃなくて、ヴィジュアルだったり、パッケージとして面白いかというようなところ……要はエンターテイメント性の部分をとにかく重視していたんです。でもソロになって、自分はエンターテイメントの部分だけをがんばってきていて、ミュージシャンとしての土台が薄いまま一度サクセスしてしまったなと。しかも、歌うのは初めてだったわけですし。


RYO:ミュージシャンにとってパートが変わるというのはすごく大きなことだよね。僕はそれだけでもRYO:SUKE君はすごいと思うよ。

RYO:SUKE:初めてすぐに現実の厳しさには気づきました。そんな時、去年の番組でRYOさんの歌が流れたときに“本物のボーカリストだ”と思ったんです。それで本当に胸を借りるという意味で、今回の<機密の花園>に誘わせていただいたんです。

RYO:なるほど。自分のことを話すと、世の中には歌がうまい人はいっぱいいるよね。そういう中で何が大事かというと、僕は“誰が何を歌うか”ということじゃないかなと思って。43才になろうかというこの年齢でどんなロックを歌おうかと考えたときに、一番シックリくるのは聴いてくれた人が“まだ自分もやれるんじゃないか”と感じるようなものじゃないかなと思ったんだ。もちろんそれだけを歌うということではなくて、それを中心に置いて幅広さも見せたいなと。それに言葉のパンチ力みたいなものを意識しているというのもあって、“飛ぶ言葉”を歌うためにそこにつながる言葉を積み重ねていくという歌詞の書き方をしている。いろんな曲がある中で一番伝えたいことは、“俺もがんばる。みんなもがんばろう”ということなんだ。だから僕の音楽を聴いてくれた人に「がんばってるよ」と言わせたら、勝ちかなと思っている。自分はそういう人でいたいし、そこはブレてはいけないなと思っているんだよね。

RYO:SUKE:RYOさんの歌を聴いたときに、自分というものを持って長く歌ってきた人なことがすぐに分かったんです。自分というものに昨日や今日気づいたんじゃなくて、ずっと自分を表現している人だなと。僕もここにきて、音楽を続けていくには自分もそうなりたいと強く感じていて。だから、RYOさんと同じステージに立ちたいと思ったんです。

RYO:そういうことであれば、今の僕のライブをRYO:SUKE君に観てもらえばなにかしら感じてもらえるものはあると思うよ。

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