【対談】フルカワユタカ×安野勇太[HAWAIIAN6]、避けていたメロコアを盟友と共作「遅れて来た青春を謳歌している」

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■当時、メロコアは避けていたし……
■ “メロコアなんてやんねーぞ”って

──そして、しばらくしてHAWAIIAN6とドーパンは疎遠になるわけですが。

安野:それはドーパンだけに限らず、ある時期からみんなバラバラになったんですよ。ウチらもSTOMPIN' BIRDとやらなくなったし、それが一番早かったのがドーパンなんです。「オレらはオマエたちとやらない」って明らかな意思表示をして。そのときはビックリしたし、寂しいなと思ったけど、“なるほどな”って。みんなヘラヘラしてるだけじゃダメなんだなって。ドーパンが離れたときは、みんないろいろと思ったんじゃないですかね。

フルカワ:オレらが離れたときは、ほかのバンドもみんなバラバラになって、“終わり”の感覚はあったかもしれない。春から夏になって、冬になってる感じがあったから。で、ドーパンの解散間近くらいで、またHAWAIIAN6と一緒にやるんですよ。“対バンをやらない”と決めていたけど、やっぱり人とやったほうがいいなと思って、<HAWAIIAN6 & FUCK YOU HEROES presents 1997>にも出たし、ツアーに連れて行ってもらいました。ツアーは東日本大震災の前年ですね。

▲フルカワユタカ

──そこでお互いの印象はまた変わりました?

フルカワ:それが全く覚えてないんですよね。あの頃のHAWAIIAN6はどうだったの? オレは迷い狂っていたからね。

安野:ウチも行き詰ってたかな。

フルカワ:TORU (ex.HAWAIIAN6:B)ちゃんが辞める前だよね?

安野:辞める直前だったから、グチャグチャしてた。だから、フルカワとあまり喋った記憶もなくて。

フルカワ:松山の打ち上げの帰り道ではっちゃんと大ケンカしたらしいんですけど、それ覚えてないんですよね。「走り続けるしかねえんだよ……」って、オレが言ったみたいなんですけど、そんなこと言うかなあ(笑)。2000年ぐらいから調子出てきたバンドは、2010年頃にみんな行き詰ってたと思いますね。

──そして、2012年にドーパンは解散します。

フルカワ:そうですね。僕も勇太も若い時期にあった、ある種の壁は越えられたんだと思うんですよ。お互いにいろんなことがあって、すごくビンゴなタイミングで今回、一緒に曲を作れたなと。これが3年前だったり3年後だったら、また違ったんだろうなって。

──具体的に勇太さんに声をかけたのはいつ頃なんですか?

フルカワ:それがなかなか声をかけれなかったんですよね。

安野:フルカワが人間的にクダけてきた話は聞いてて、「フルカワさんが勇太さんと飲みたがってますよ」ってダゼ (山﨑聖之 / fam / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / The Yasuno N°5 Group)から言われたんですよ。でも「嫌だ」って断ってました(笑)。

フルカワ:ダゼ経由で断られましたね(笑)。

安野:それで急にライヴに来たんだよね?

フルカワ:そう、恵比寿LIQUIDROOM (2017年10月3日)ね。

▲フルカワユタカ

──僕も現場で観ましたが、フルカワさんが飛び入りで弾き語りをやるという。

フルカワ:“飛び入り”じゃなく、“飛び入りさせられた”んです(笑)。

安野:あれはホントの飛び入りでしたからね。「久しぶり」って喋ってたら、「オマエ歌えよ」って空気になってね。

フルカワ:断ったら、一生言われますからね。あの日は確か2曲やりました。

安野:それからちょくちょく連絡取るようになって、「飲もう飲もう」って。

フルカワ:<POWER STOCK 2017>(12月3日@Zepp Sapporo)の前乗り日に一緒に飲みました。

──そこで正式にオファーしたんですか?

フルカワ:全然。マーちゃんとのコラボの話もその時点でまだ出てないですからね。自分の中ではマーちゃんとやって、その後に勇太と一緒にやろうと思い付いて。<Play With>という僕主催の対バン企画にHAWAIIAN6とPOLYSICSを誘って、なぜかハヤシ君(POLYSICS)とのコラボのほうを先にオファーしたんですよ。だから、「勇太に一緒に曲を作ろう」って言わなきゃなって。

──実際オファーが来たとき、安野さんはどう思いました?

安野:単純に、面白そうだなと。

フルカワ:「メロコアを作りたい」ってメールしました。

──なぜメロコアをやろうと?

フルカワ:なぜと言われると、難しいですね。でもメロコアをやりたかったんですよね。“ドーパンもメロコアやってたじゃん”と言う人もいるだろうけど、僕の中でのメロコアはやってなかったから。当時、メロコアは避けていたし……言い方が難しいけど、“メロコアなんてやんねーぞ”と思っていたし、それはアンチテーゼという意味でね。Hi-STANDARDは凄かったし、HAWAIIAN6も頭一つ抜けて人気が出たでしょ。だから、メロコアに対するジェラシーもあった。なので、自分が避けていたところを漠然とやりたいと思うようになったんですよ。

安野:ああ、“避けていたことをやってみよう”というのが一番なんだろうね。そこに入り込む決心が付いたというか、こっちの土俵で一緒に遊びたいと思ったんじゃないですかね。

フルカワ:まさにその通り。

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