【インタビュー】果歩「ステージに立った果歩は無敵 自分の理想であってほしいって思っているんです」

ツイート

■憧れだと思ってたあの人にはずっと憧れでいてほしいけど
■追いつきたいけど嫌だなっていう矛盾も葛藤もすごくある


――これまでで思い出に残っているライブがあったら教えてください。

果歩:やっぱり高校卒業の時に、地元の新潟でやったワンマンライブですね。あれはめちゃくちゃいい景色でした。初めてのワンマンだったし、ハコはパンパンだったし、自分のことを目当てに来ているお客さんしかいないし。しかも、いつもは弾き語りだけどその日はバンドだったから、仲間がいた。「ザ・理想像」じゃないけど、目標にしてたことだったからやってよかったなって思いました。

――そのワンマンライブには、どんな思いを込めていたんですか?

果歩:ライブを始めた時から、卒業したら上京するので、東京に行く前に絶対ワンマンライブをしようって決めていたんです。その時点でさっき話に出た2枚のCDがあったんですけど、それをレコーディングしてくれてたa crowd of rebellionっていうバンドのギターの丸山漠さんがギターを弾いてくれたり、アレンジの手伝いをしてくれたりして。人に恵まれていたと思います。もちろん、ゆうま先生も協力してくれたし。私、めちゃ「良い」んだと思います。

――運とか?

果歩:私、悪い人に出会ったことないんですよ。嫌いな人に近づかないからかもしれないけど、やっぱり恵まれてるなって思いますね。仲間がいるっていいなと思いますし。

――そんな仲間がたくさんできた新潟を離れ、次は東京へ。

果歩:両親からの条件が、大学に行って音楽をやるか、地元で自分の力でお金を稼いで東京に行くか、どっちかだったんです。でも若さって大事じゃないですか。勢いとかも大事。だから今行かないとなと思って、大学に行くことにしました。自分の音楽活動に役立って糧となるよう、音楽系のところに。

――今回リリースされるシングルのタイトル曲「光の街」はまさに、果歩さんの目から見た東京の街が描かれていますね。

果歩:この曲ができたのは、東京に来て半年くらい経った頃だったと思います。すごく好きで尊敬している先輩バンドがいて、その人たちが東京でライブをやったんですけど、めちゃくちゃかっこよかったんですよ。そのライブの帰り道に、歩きながら書きました。東京の生活と、かっこいい憧れのバンドのライブを重ね合わせながら。


▲「光の街」

――なるほど。実際、果歩さんは東京の街にどんなことを感じたんでしょう。

果歩:光の街、憧れの街。渋谷ってスクランブル交差点の方はめちゃくちゃキラキラしてるけど、その反対側には、そうじゃない景色もある。もちろん新潟に比べたらそれでも充分キラキラしているんだけど、東京にも裏表というか、どっちもあるんだなあって思いました。憧れのバンドがいる街だけど、良いところだけじゃないとか。めちゃくちゃ憧れの街だったけど、新宿の歌舞伎町はなんであんなに汚いんだろうとか。でも、キラキラしてないところや汚いところがあっても、ずっと憧れの街ではいてほしいなと思っていて。…だけど東京には慣れたくないですね、あんまり。

――でも生活するっていうことは、嫌でも馴染んでいくということでもあって。

果歩:そう。だから、慣れたくないのに慣れてく自分は嫌だなみたいな歌詞もある。憧れだと思ってたあの人にはずっと憧れでいてほしいけど、自分も東京に来て、音楽やってるってことは、どんどん近づいてるってことでもある。追いつきたいけど嫌だなっていう矛盾も葛藤も、すごくある。そういうのが「光の街」には詰まっている気がします。

――「光の街」もそうだけど、果歩さんの歌詞には、音楽をやっている自分も出てくるけど、自分が好きなバンドやミュージシャンも出てきますよね。リスナー側の気持ちも包み隠さず書いてあるのが個性だなと思いました。

果歩:嬉しいです。以前ライブハウスの人にも言われたことがあるんですけど、果歩ちゃんはライブハウスに来てる人だからわかるってことが書けるよねって。それは強みだと思うよって言われたのは、めっちゃ嬉しかったんです。自分、ちゃんと音楽やってるなって感じがして。

――「バンドガール・バンドボーイ」もそういう視点がありますね。

果歩:さっき、私は人に恵まれてるって話をしましたけど、優しくなれたなって思っているんですよ。自分が。これまで、幸せな曲ってあまりなかったんです。いつも何かに憧れてたり、悲しんでいたり、悔しかったりする曲が多かったから、じゃあ幸せで優しい曲を書いてみようと思って作ったのがこの曲なんです。

――個人的には、どの曲にも果歩さんが生まれ持った優しさはにじみ出てる気がしてますけどね。「あいつとライブハウス」だって、人を思う気持ちがちゃんと伝わってきます。

果歩:そうか…。昔から優しかったのかなぁ(笑)!?

――優しいんですよ(笑)。

果歩:(笑)。この「あいつとライブハウス」は高校生の時に作った曲なんですけど、いろんな人に好きって言ってもらえている曲なんです。ライブでやると、一番そういう声が多い。新潟はシンガーソングライターがそんなにいなかったから、バンドと対バンすることも多かったんですけど、バンドマンとか、音楽を頑張ってる人たちが言ってくれるから、何か認めてもらえると言うか、共感してもらえるっていうのはすごく嬉しかったです。


――今回収録された3曲だけ見ても、果歩さんのボーカル、表現、サウンド、アレンジなど、とても幅広い魅力が伝わってきます。この先、どんな活動をしていきたいと考えていますか?

果歩:自分が歌いたいことを歌っていきたい、ってことですかね。

――なるほど。

果歩:音楽をやっていて最近思うのは、やっぱり東京に来て優しくなった気がするんですよ。そもそも優しかったのかもしれないけど(笑)、人の優しさにすごく気づくし、東京は冷たいとか言うけど優しい人は意外といっぱいいると思うんです。高校生の時は、学校つまんないなとか自分のことばっかり考えていたけど、人のことを考えられるようにもなったんです。だから曲にもそういう変化が出てきたのかなって。そういう優しさを持ちながらも、言いたいことはちゃんと言いたい。嘘はつきたくないし。変わっていくことは悪いことじゃないけど、ちゃんと自分らしく、理想の自分を追い求めていきたいなって思います。

――これからの活躍、期待してます!

果歩:頑張ります(笑)。新潟から東京に来ましたけど、もっともっと大きくなりたいし、人がパンパンの大きなハコのステージで歌えるようになりたい。そして弾き語りの概念っていうか、女の子が一人アコギでゆったり歌っててみたいなイメージを変えたいんです。弾き語りでもこんなにかっこいいんだ、こんなにロックになるんだってことを知ってほしいっていうか。

――そのためにも、どんどんライブをやっていくと。

果歩:ライブアーティストになりたいから。そう、みんなライブハウスに来てほしいですよね。私もそうだったけど、いろんなこと感じられる場所だと思うから。みんなが足を運んでくれるよう、私がそのきっかけになれるように頑張りたいです。

取材・文●山田邦子


リリース情報

「光の街」
2019.02.06(水) Release
MKLP-003 \926+税
1. 光の街
2. バンドガール・バンドボーイ
3. あいつとライブハウス

ライブ・イベント情報

■『光の街』リリース記念イベント
イベント内容:アコースティックライブ&サイン会
2 月 11 日 (月・祝)
TOWER RECORDS池袋店
2 月 14 日 (木)
イオンモール新潟南1Fマリンコート
3 月 14 日 (木)
ヴィレッジヴァンガード下北沢イベントスペース
3 月 24 日 (日)
ヴィレッジヴァンガードアメリカ村店

<ライブ情報>
2 月 12 日 (火)
果歩レコ発企画「バンドガール・バンドボーイ」
<会場>下北沢MOSAiC
<時間>OPEN 18:00 / START 18:30
<出演>TRANS LUCENT LADY / いつかのネモフィラ / 尾崎リノ / 果歩・果歩バンド…and more
<チケット> 前売:2500円

2 月 24 日 (日)
Stylish FellowS【果歩とメレのレコ発祝い】
<会場>新潟CLUB RIVERST
<時間>OPEN 16:30 / START 17:00
Adv.¥1,500- / Door.¥2,000-(税込/D代¥300-別) ※高校生以下¥1,000-(税込/D別)
<出演>果歩/ メレ / ザ・ジュアンズ / スケールワーム/ FORCE TICKS / The Sempre / O.A:坂本友愛
チケット:CLUB RIVERST店頭販売及び電話予約 / 各出演者の直接販売及び予約
お問合せ:CLUB RIVERST 025-250-0430

◆インタビュー(1)へ戻る
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス