浜田麻里、26年ぶりの武道館公演が早くもソールドアウト

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浜田麻里が『Lunatic Doll~暗殺警告』と命名されたアルバムで音楽シーンに登場したのは、1983年4月のこと。つまり昨年の4月から、彼女にとってデビュー35周年のアニヴァーサリー・イヤーが始まっているわけだが、その大きな節目を飾ることになるのが4月19日に開催される日本武道館公演だ。

◆浜田麻里 画像

ここ数年、ツアー開催時の東京公演は主に東京国際フォーラムなどで行なわれてきたが、チケットは毎回のように完売。そうした実績も踏まえながら組まれたこの武道館公演も満員御礼となることが期待されていたが、なんとチケットは販売開始直後に完売に至っている。浜田麻里にとって武道館公演はほぼ四半世紀ぶりということになるが、その実現は彼女自身にとってばかりではなく、ファンにとっても長年の念願だったのだろう。そうした反響のあり方自体が、いかにこの公演が待望感の対象となるものだったかを象徴しているように思う。

昨年、デビュー当時と同じ古巣のビクター・エンターテインメントとの契約を交わし、8月には同社への復帰後第一弾となるアルバム『Gracia』が発売されているが、浜田麻里という唯一無二のアーティストの基準で構築された優美でありつつも力強さに満ちた音世界は、高い評価と支持を集め、同作はオリコンの週間アルバム・チャートでも6位を記録。さらに、この1月にリリースされたベスト・アルバム『Light For The Ages -35th Anniversary Best~Fan’s Selection-』も同チャートの7位に飛び込むなど、まさに記念すべき年に相応しい華々しい実績をあげている。


そんな彼女の大阪公演を去る1月27日、大阪・フェスティバルホールで観た。2014年9月に同会場でフル・オーケストラとの共演によるシンフォニック・コンサートを実施しているという特例はあるものの、本来の形態、すなわちバンドを従えながらのライヴでこの会場のステージに立ったのは、実に約30年ぶりのことだったのだという。それゆえに「帰ってきた」という感覚が強かったことを彼女自身も認めていたが、武道館ではきっと、さらにそうした感慨を味わうことになるのだろう。

この公演はあくまで『Gracia』に伴うツアーの一環としてのものだったが、昨年10月に幕を開けたこのツアーの各地での公演はすでに年内のうちに消化されており、結果的には2018年中のツアー日程とこの4月の武道館公演の狭間に、ぽつんと1本だけ組まれたかのような形になった。しかもその数日前には前述のベスト・アルバムも世に出ていただけに、この日だけは特例的に歴史総括的な演奏内容になるのではないかとも予測できた。が、やはり彼女は、自身が現在進行形であり続けていることを何よりも重んじている。あちこちに遠い過去の記憶を呼び起こすような楽曲を配置しつつも、ライヴの軸となるのはやはり『Gracia』。結果的には同作のなかから全8曲が披露された。

昨年、ツアー開幕当時は、バンドの編成が刷新されていることもあって、その変化を見きわめようとするあまり、やや構えていた観客も少なくなかったようだが、この日は会場内が暗転する以前から手拍子が自然発生し、彼女の名前が連呼されていた。そんなオーディエンスの熱、そして新編成となったバンドの溌溂とした演奏との相乗効果もあってか、彼女自身の歌唱やパフォーマンスにも、これまでの平均以上に前のめりの勢いのようなものが感じられたし、曲間のMCなどにもポジティヴな響きが伴っていた。


公演後に話を聞くと、彼女は「音楽的なクオリティ、精神的な安定という意味でも、ひとつ上の段階へと推し進めることができたという実感があります」と満足げな言葉を発しながらも、「ただ、今はもう武道館のことで頭がいっぱいで。ここから武道館に向かうという意味では、むしろ時間が足りないくらいなんです」と、笑みを浮かべながら語っていた。

4月の武道館公演も、やはりこの大阪公演と同様に『Gracia』という作品に伴うものではあるし、いわば同作誕生からの物語の一応の着地点ということになるはずだ。が、この公演には当然ながらそれ以上の意味合いが伴うことになる。彼女自身もそれに向け、「もちろん近年の楽曲が中心になってくるはずですが、特別な何かを考えなきゃいけないかな、とは思っています」と語っていた。

今となっては信じ難いことだが、浜田麻里の歴史のなかには、ライヴ活動から身を引いていた時期というのも存在する。そして音楽的にもさまざまな変遷を重ねながら、常に前例なき存在として自らの使命を全うし続けてきた彼女が、約26年ぶりに武道館という特別な場所への帰還を果たす。そこで満員のオーディエンスが味わうことになるのは、これまでのいかなる時代とも異なる彼女の現在進行形の姿なのである。そして重要なのは、この素晴らしき帰還が、ドラマの着地点として仕掛けられたものではなく、純粋に、彼女自身の長年にわたるストイックな自己探求の積み重ねの結果である、ということ。4月19日、武道館。そこで目にすることのできる絶景を、楽しみにしていたい。

取材・文◎増田勇一
撮影◎YOSHIKA HORITA



■<The 35th Anniversary Tour “Gracia” 日本武道館公演>

2019年4月19日(金) 東京・日本武道館
open17:30 / start18:30
※SOLD OUT!!
※近日、条件付追加席販売予定!

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