【ライブレポート】THE ORAL CIGARETTES、横浜アリーナ公演で「俺らは感情にこだわり続けます」

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THE ORAL CIGARETTESが3月17日、横浜アリーナにて<Kisses and Kills Tour 2018-2019 A/W>のツアーファイナルを開催した。同ツアーは2018年9月から約半年間にわたって開催してきた自身最大規模となるものだ。その最終日のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆THE ORAL CIGARETTES 画像

2018年6月リリースのアルバム『Kisses and Kills』を引っ提げたツアー<Kisses and Kills Tour 2018-2019 A/W>は、全国15ヵ所をまわったライブハウスシリーズの後、年末から名古屋、神戸、福岡、横浜を含む初のアリーナシリーズとして開催。アルバム『Kisses and Kills』で表現した“Kisses=愛情”と“Kills=憎しみ”という二面性をテーマに構成されたライブは、様々な演出を駆使しながら、人間が持つ感情に訴えかけるメッセージ性の強いショーだった。





近未来的な映像がスクリーンに映し出されると、“人間は両極端な感情を持つ”というメッセージと共にライブがスタート。ドラム台がせり上がるかたちで姿を現した中西雅哉(Dr)が強烈な一打を叩き出すと、続けて、あきらかにあきら(B)、鈴木重伸(G)、山中拓也(Vo/G)が床からジャンプアップして登場した。ゴスペル風のコーラスがメロディを彩った「What you want」から、山中が「お前ら、全員ついて来いよ!」と煽った「容姿端麗な嘘」へ。ロックバンドとしての獰猛で荒々しい佇まいと、スタイリッシュなポップミュージックのエッセンスが融合した最新系のオーラルサウンドが1万2,000人を魅了していく。

「今日は俺らにとって大事な日やし、みなさんにとっても大事な日に変えていきたいと思います」──山中拓也



最初のMCでは、頭上に浮かんだ箱型のLED照明を人口知能=“KK CUBE”だと紹介、ライブを支える協力な助っ人となるという。たとえば、「KK、電気消して」と語りかけると会場の照明が消えたほか、「KK、最近聴いたいちばん良かったアルバムは?」と訊ねると「THE ORAL CIGARETTESの『Kisses and Kills』ですかね」と答える。そんなKK CUBEが今回のライブでは大事な役割を果たしていくことになる。山中が「KK、愛の歌をちょうだい」と伝えると、カラフルな照明に包まれた温かなナンバー「LOVE」、雪に見立てたシャボン玉が美しく舞い散った冬のバラード「不透明な雪化粧」が披露されるなど、前半は“Kisses=愛の側面を表す楽曲”を中心に構成された。

「起死回生STORY」や「リブロックアート」といった疾走感溢れるロックナンバーで会場を湧かせた中盤。“変わらずに隣り合って生きていこう”という想いを込めた「トナリアウ」を歌い上げると、メンバー紹介をしながら、あきら、鈴木、中西がステージ袖へと退場した。ひとりステージに残った山中は、「自分はこの世界に何を残すのか考えながら聴いてください」と伝えて、ギター1本の弾き語りで「ReI」を届けた。東日本大震災の被災地を訪れたことをきっかけに作られたこの曲は、バンドにとって特別なナンバーだ。


そこから愛の流れを断ち切るように、KK CUBEに“憎悪、裏切、孤独……”というマイナスの感情を表す言葉が映し出された。真っ赤に染まるステージに再びメンバーが登場すると、怪しげな舞踏会を思わせる「Ladies and Gentlemen」から、ライブは“Kills=憎しみ編”へと突入していく。ドス黒い感情を狂気的なロックサウンドに叩きつけた「PSYCHOPATH」に続き、ドープなヒップホップの影響を受けたサウンドの「DIP-BAP」で、ダークな闇の世界へと会場を引き込んでいった。

バンド史上最もゴージャスで艶やかな「ワガママで誤魔化さないで」や、温かなアレンジで届けた懐かしいナンバー「LIPS」で会場が特大のシンガロングに包まれると、山中がMCでこう伝えた。

「6月からツアーをやってきて、今日がいちばん楽しいです ここから攻めさせてらいます!」──山中拓也

するとギアを上げて、後半はアップテンポな楽曲を畳みかけるオーラル恒例の「キラーチューン祭り」へ突入。ここで山中が「KK、キラーチューン祭りやろうぜ!」と伝えると、「しょ、しょ、承知しました……人類を滅亡させよ」という不穏な言葉とともに、KK CUBEに異変が起こり始める。だがライブは続行。「横アリ、こんなもんか!?」と煽った「CATCH ME」、センターステージでフロント3人が激しく頭を振った「カンタンナコト」、鈴木がスライディングしながらギターソロを繰り出した「狂乱 Hey Kids!!」、怒涛のアップナンバーで横アリのボルテージはマックスへと達した。本編のラストは「BLACK MEMORY」。無数のレーザーがお客さんの頭上を交差する1万2,000人の熱狂のなか、KK CUBEが煙を吐いて停止するという意味深な演出でライブ本編を締めくくった。


アンコールでは、「いまは弱くても強くなれる。それを俺たちが証明するから」と真摯な言葉で伝えると、ピアノの旋律にのせて“また強くなって、この場所で再会しよう”という想いを込めた「ONE'S AGAIN」を披露した。ここで終演かと思われたが、会場が暗転したあと、山中が静かに問いかけた。

「技術の発展が本当に経済の発展につながるのか。いや、衰退につながるのか。便利だと言いながら、何も考えずに手を出していないか。自分の考えをないがしろにしてないか」──山中拓也

“Kisses”と“Kills”というふたつのテーマに分けて、この日、オーラルが伝えたかったことは、人間の感情の大切さだ。そのために、技術の発展が生んだ無感情な非人間の象徴として、KK CUBEという演出を使ってみせた。山中は言葉を続けた。

「俺らはひとりでは生きていけない。なぜなら感情があるから。感情は自分に対して向けるものじゃない。人とぶつけるもの。それが、あなたたちはできていますか? 俺らは感情にこだわり続けます。この世から人間の感情がなくなりませんように」──山中拓也

祈るように言葉を尽くした後、本当のラストを締めくくったのは「嫌い」だった。メンバーの背中を真っ白な光が照らし、シルエットだけが浮かび上がったステージ。そこで何度も“嫌い”というフレーズを叩きつけると、4人は何も言わずにステージを去っていった。


たとえ負の感情でも、自分に芽生えた感情を否定してはいけない。それが、この日、THE ORAL CIGARETTESが伝えたかったことだ。深すぎる愛情が憎悪を生むこともあれば、嫉妬や後悔が生きる原動力になることもある。いま、あなたはどんな感情を持っていますか? そんな言外の問いかけが、終演後、いつまでも消えない余韻を残す圧巻のライブだった。

■<Kisses and Kills Tour 2018-2019 Arena series〜Directly in a wide place〜>

2018年12月08日(土) 愛知・日本ガイシホール
2019年01月26日(土) 兵庫・神戸ワールド記念ホール
2019年02月11日(月・祝) 福岡・福岡国際センター
2019年03月17日(日) 神奈川・横浜アリーナ




■シングル「ワガママで誤魔化さないで」

2019.03.13 Release
【完全生産限定盤(CD+DVD)】AZZS-86 2,000円(tax out)
※限定10,000枚
※スリーブケース仕様
▼DVD収録内容
2018年9月から11月にかけて行われた<Kisses and Kills Tour Live house series 〜Directly to various places〜>に密着したLive&Documentaryを収録
【通常盤(CD)】AZCS-2074 1,200円(tax out)
01. ワガママで誤魔化さないで
02. Color Tokyo
03. Like the Music
04. ワガママで誤魔化さないで(Instrumental)

▼CDショップ(オンラインショップ含む)購入特典
・BKW!!カード(ワガママで誤魔化さないで ver.)
▼「ワガママで誤魔化さないで」iTunesプレオーダー
https://itunes.apple.com/jp/album/id1453798405?app=itunes&ls=1

■<THE ORAL CIGARETTES主催泉大津フェニックス2daysイベント(仮)>

2019年9月14日(土) 泉大津フェニックス
2019年9月15日(日) 泉大津フェニックス
※詳細は後日発表
▼チケット
【FC「BKW!! Premium Party」会員先行】
予約受付:3月19日(火)12:00〜3月24日(日)23:59
http://theoralcigarettes.com/bkw/
【BKW!!カード(「ワガママで誤魔化さないで」ver.)先行】
予約受付:3月29日(金)12:00〜4月7日(日)23:59
http://theoralcigarettes.com/feature/9th_single

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