【インタビュー】加藤和樹、ニューSG「Answer」発売「今年は、さらなる高みに挑む年」

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■ もしかしたら、明日は言えないかもしれないから

── “TYPE A”に収録の「ordinary days」の歌詞は、日常感が際立っています。

加藤:まさにそうですね。20代後半くらいから、当たり前のことが当たり前じゃないな、ということをすごく感じていて。大げさかもしれないけど、何気ない日常への感謝が常に胸にあるんですよ。

── だから、“特別な ordinary days=特別な普通の日々”と歌うんですね。

加藤:変わりばえしない毎日に思えても、同じ日なんて決してないわけだし、本当は毎日が特別なはずですよね。

── でも、ついつい普段はそれを忘れてしまう……あらためて気づかせてもらえる曲です。

▲SG「Answer」TYPE A

加藤:それこそ災害が起これば、当たり前の日常が奪われてしまうじゃないですか。僕自身、ついつい忘れてしまう瞬間もあるけど、明日が来ること、ご飯が食べられるっていうのは当たり前じゃないんですよね。

── “言葉じゃ足りない 伝えたい この想いを”、という歌詞にあるように、大切な人にちゃんと伝えなきゃいけないですよね。

加藤:「おはよう」「おかえり」「ありがとう」「愛してる」「好きだよ」とか、近しい存在であるほど日々の中でおざなりになってしまったりもしがちだけど、そういう言葉を交わすってすごく大事なことで。もしかしたら、明日は言えなくなってしまうかもしれないですからね。僕なんかは家族とずっと離れて暮らしているわけで、じゃああと何回会えるかって考えたりもするし。周りにいる人や当たり前に感謝して、1日1日を大切にして生きていきたいなと。だから、会いたいなと思ったら突発的に連絡しちゃったりとか、行動に移すようにはしています。

── 見習いたいと思います! 歌詞に“目覚めたらモーニングコーヒーを”というフレーズがありますが、加藤さんが朝起きて必ずすることはありますか?

加藤:僕は、夜だけじゃなくて朝も必ずシャワーを浴びます。

── それがスイッチになるんでしょうか。

加藤:そうですね。寝起きはいいほうなんですけど、だいたいいつも出かける1時間前に起きてシャワーを浴びることで、スイッチが入るっていう。逆に、ギリギリに起きてそのまますぐ出かける、みたいなことができないんですよね。

── そういえば以前、本番のだいぶ前に楽屋入りをされるとお聞きしました。

加藤:余裕をもって動きたいので、基本は15分前行動を心がけていて。舞台公演の場合は、本番の3時間前くらいには楽屋入りします。

── お仕事を始めた当初からなのでしょうか。

加藤:もともとの性格的に、早め行動派ではあるんですけど……実はですね、この業界に入って初めての仕事で、大遅刻をしたことがあるんですよ。2時間ドラマの現場で朝5時半集合だったのに、緊張しすぎて眠れなかったあまり、起きたのが集合時刻で。

── それはもう、頭が真っ白になりますよね。

加藤:本当に、一番の新人が遅れるなんてあってはならないことで。終わった……って思いましたから(苦笑)。そのとき、絶対に遅刻はしないと心に決めて。

── ちなみに、そうした遅刻だったり、なにか失敗してしまったときは、どう乗り越えたらいいのでしょうね。

加藤:冷静になって、その時点からの最善策を探すべきかなと。慌てても時間は戻らないし、いいことはないですからね。あと、変な嘘はつかずに、寝坊したなら「寝坊しました、すみません!」と正直に謝ること。なにか失敗したとしても、そこからどうするかっていうことを必死に考えて、真摯に向き合うことが大事だと思います。

── という言葉にも、加藤さんの誠実な人柄が滲みます。さて、作品に戻りまして、“TYPE B”にはさだまさしさんの名曲「奇跡~大きな愛のように~」のカバーが収録されますが、この曲との出会いというのは?


加藤:去年のファンクラブ・ライブで、ファンの方からリクエストをいただいてこの曲をカバーさせていただいたときに、聴く人に寄り添う歌詞が素晴らしいな、と思いまして。僕が目指すバラードのイメージにぴったりな曲でもあったので、今回収録させていただきました。

── “どんなにせつなくても 必ず明日は来る”という出だしの言葉はじめ、ハっとさせられたり、気持ちが重なったりする言葉がたくさんあります。

加藤:そうなんですよね。飾らない言葉であり、そこには“あなた”への愛があふれていて。

── ストリングスやアコースティックギターの優しく温かな音色に映える加藤さんの丁寧な歌声も、愛に満ちています。

加藤:そう感じてもらえたなら嬉しいです。技術的なことを言えば、レンジが広いですし、“さださん節”が難しい楽曲だったりもするんですけど、感じるままに歌って。僕も、歌いながら愛に満たされていく感覚がありました。

▲SG「Answer」TYPE B

── 加藤さん自身は、“愛”を感じるのはどんなときなのでしょう。

加藤:それはやっぱり、ライブをしているときですね。みんなが足を運んでくれて、観てくれて……そこには愛しかないな、って。

── いつでもそこにあると、愛に慣れて、それこそ当たり前のもののように思ってしまっていそうな気がしますが……。

加藤:いやいや、慣れるどころか、応援してくださる方たちへの愛や感謝はより大きくなっていますよ。ライブはみんながいないと成り立たないし、各地で待ってくれている人がいるから、3月からはまたツアーでいろいろなところに行かせてもらえるわけだし。ライブは、自分にとって特別な場所。できればずっと守っていきたい、という想いがあります。

◆インタビュー(3)へ
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