ヤマハ、奏法や好みで調整できるドラム用フットペダル「FP9」&ハイブリッドシェル構造採用の「Live Custom Hybrid Oak」

ツイート

ヤマハから、低音域のパワーを増強するハイブリッドシェル構造を採用したアコースティックドラム「Live Custom Hybrid Oak」、フットペダルのフラッグシップモデルとなる「FP9シリーズ」が登場。5月25日により発売される。4月25日に開催された発表会ではドラマーの石井悠也さんが演奏を披露、その魅力を伝えた。

■最上位モデル同様ハイブリッドシェルを採用した「Live Custom Hybrid Oak」


「Live Custom Hybrid Oak(ライブカスタム ハイブリッドオーク)」は、ライブにおけるPAでのマイク集音がしやすさが特徴の「Live Custom」(2013年発売)のパフォーマンス性を進化させた新モデル。

オーク材が引き出す特有の低音域をさらに強化するために、最上機種「PHXシリーズ」と同様、シェル中央の芯材に高密度の「フェノールシート」を配置し、その両側をオーク材で挟み込む「ハイブリッドシェル構造」を採用。低音域に切れのよいアタック感とパワーを増強した。バスドラムには新たに開発した「ベースエンハンスメントウェイト」を搭載、低音域がより強化された芯のある太いバスドラムサウンドを実現した。


▲木目が際立つ浮造りで仕上げた5色。写真のスネアは左奥からUZUアースサンバースト、UZUチャコールサンバースト、UZUアイスサンバースト、UZUナチュラル、UZUマグマサンバースト。

また、シェルフィニッシュには日本の伝統的な木材加工方法である「浮造り“UZUKURI”」を採用。木目のやわらかい部分のみを削って表面に凹凸をつけ、凹部のみ黒い塗料で着色することで、オーク材特有の美しい木目を強調した高級感のある仕上げとした。


▲発表会では異なるカラーのバスドラム、タムを組み合わせた展示も。

ラインナップは、バスドラムが5サイズ、フロアタムが3サイズ、タムタムが5サイズ、フロアタムのサイズが異なるシェルパッケージが2種、スネアドラムは1サイズ。カラーはUZUアイスサンバースト、UZUナチュラル、UZUマグマサンバースト、UZUアースサンバースト、UZUチャコールサンバーストの5色を用意する。

■踏み心地を調整できる機能を多数搭載したフットペダル「FP9シリーズ」


▲FP9シリーズは、シングル/ダブルの2タイプに、それぞれダブルチェーンドライブとダイレクトドライブのモデルを用意。

「FP9シリーズ」は、ヤマハのフットペダルのフラッグシップモデル。ヤマハ発動機とのマーケティングコラボにより企画された商品で、メタリックな質感と、ビーターが一般的な白ではなく黒になっているのが外観の特徴だ。

シングルフットペダル、ダブルフットペダルの両タイプに、力を安定して伝達できる「ダブルチェーンドライブ」のモデルと、スピード感・ダイレクト感が魅力の「ダイレクトドライブ」のモデルを用意。演奏セッティングや好みのフィーリングに応じた選択ができるラインナップを揃えた。それぞれにプレイヤーが自分の奏法に合わせてペダルの踏み心地を調整できる機能を多数搭載。カム/リンクの一は3段階で調整可能(特許出願中)。カムの軸をずらすことで、踏み込んでからバスドラムに当たるまでの動きが均等なものから、踏み込み始めが軽いもの、踏みごたえがあるものへセッティングを変えられ、プレイヤーの奏法に最適なペダルアクションを可能にする。


▲3段階スライドで踏み心地を調整可能。各ポジションで異なるドライブアクションが設定できる。ダブルチェーンドライブモデルはベルトドライブに変更可能。ダイレクトドライブモデルはフットボードとドライブ連結部分の調整ができる(左)。イスに座った状態でのスプリングテンションの調整、フットボードとビーターのアングルを別々に調整、カンタンに着脱できる専用ビーターウェイト(右)など、多彩な調整機能を搭載。スプリングテンションやアングル位置を確認できるメモリーラインにより、カンタンにセッティングを再現できるのもポイント。

演奏の安定性も徹底的に追求。可動部を支えるフレームの要所に新開発の高精度パーツを搭載した。多数のボールベアリング搭載で操作性を劇的に進化させた一方で、ヒールポジションを低くする設計、ヒンジ部分に高精度に加工されたパーツを搭載することで、安定性とスムースなペダルワークを実現。横幅の広いロングフットボード、剛性を高めたアンダープレート、ネジ1本ではなく面で留めるビーターホルダー、演奏時のズレを防止するヒールスパイクなどを備える。


▲ダブルチェーンドライブのモデルはベルドドライブに変更可能(左)。黒いビーターの裏側には専用のウェイト(アルミ/ブラス)をカンタンに着脱できる(右)。

シャフトを動かすカムとフットボードをつなぐドライブは、好みに合わせて選べる2種類を用意。「ダブルチェーンドライブ」は、音量のある自然でスムースなペダルアクションが特徴で、好みに応じて同梱しているベルトドライブに変更することも可能。一方の「ダイレクトドライブ」は、ドラマーのフットワークが瞬時にビーターに伝わり、スピード感、躍動感のあるペダルアクションを特徴としている。いずれのモデルにも、シングルフットペダル、ダブルフットペダルの仕様を用意しており、「ダブルチェーンドライブ」のダブルフットペダル仕様には、左利き用のモデルも用意する。


▲デモンストレーションは阿部真央、LiSA、LM.Cなどのライブや数々のレコーディング現場でヤマハのドラムを使用している石井悠也。FP9シリーズのルックスについては「車とかドラムセットとかマシン好きにはたまんないですね」「ドラムの見た目はけっこう凝ってるのがあるんですけど、ペダルがこんなきらびやかなのってあまりないんで、これはうれしいですね」。

発表会で、Live Custom Hybrid OakとFP9シリーズの魅力をデモンストレーションしたのは、ドラマーの石井悠也。まずはペダルのFP9についてコメント。

「びっくりしたのが、とにかくスムーズなんですよね。スムーズなペダルっていうのは今までもけっこうあるんですけど、僕がびっくりしたのはこのウェイト。重いペダルってけっこう遠心力とかで踏みにくかったりして……。ただやっぱり音がいいんですよね、重いので。だけど、スムーズなペダルは軽いのが多かったんで、そうすると音もやっぱり痩せちゃう。この(FP9の)ペダルは、重さがだいぶあるのをすごくスムーズに動かしてくれるっていうイメージ。やっぱり音がいいな、と思いました。」


プロドラマーから見たオススメポイントを問われ最初に挙げたのは、バネの強さの調整を座ったままで上からできること。普段のリハーサルでも頻繁に調整を行うが、フロアタムを移動するなどなにかと面倒だったという石井は「なんなら本番中でもいけるかなっていうぐらい。これ、感動しましたね」と絶賛。また、ビーターの重りを瞬時に着脱できる点にも触れ、「これも本番中でもいけるんじゃないかぐらいな感じで“付けられる”“外せる”っていうのは新しいし、自分はだいぶ重宝する」と続けた。


▲今回のデモンストレーションではダブルフットペダルを使用。

ヤマハドラムでは、フラッグシップのPHXシリーズとOak Cutom(オークカスタム)を使っているという石井。新モデルLive Custom Hybrid Oakの印象をこう語った。

「最初の印象は、まず音がめっちゃ太いんですよ。で、叩いてて気持ちいいのはもちろんなんですけど、PHXとOak Cutomのいいところどりな印象です。音が厚いだけじゃなくて“ムチッ”としてるところがすごい出てるんですよね。で、Oakみたいなロー感もあるし、PHXの豪華さもある。“いいとこどり”という表現が自分の中でぴったりくるかな。」

自身が使いたい音色のチューニングについては、「裏がちょっとけっこう張りめ、表がちょっとアタックがバチバチって鳴り始めるかなぐらいまで緩めるという感じが好きですね」とオススメポイントを紹介。「レコーディングで使うのが楽しみですね。ライブ会場も狭いところから広いところからいろんなところで使っていきたいですね」と笑顔。最後は再びドラムに向かい、パワフル&華麗なドラム・ソロで会場を沸かせた。




製品情報

<Live Custom Hybrid Oak>
◆バスドラム LHB2416など6サイズ・25品番
価格:122,000円~150,000円(税別)
◆フロアタム LHF1816など3サイズ・15品番
価格:72,000円~84,000円(税別)
◆タムタム LHT1411など5サイズ・25品番
価格:48,000円~66,000円(税別)
◆タムパッケージ
・RBP6F3:186,000円(税別)
・RBP4F3:180,000円(税別)
◆スネアドラムLHS1455 1サイズ・5品番
価格:56,000円(税別)
発売日:2019年5月25日

<FP9シリーズ>
シングルフットペダルタイプ
◆FP9D (ダイレクトドライブ)
価格:37,000円(税別)
◆FP9C (ダブルチェーンドライブ)
価格:37,000円(税別)
ダブルフットペダルタイプ
◆DFP9D (ダイレクトドライブ)
価格:78,000円(税別)
◆DFP9C (ダブルチェーンドライブ)
価格:78,000円(税別)
◆DFP9CL (ダブルチェーンドライブ・左利き用)
価格:78,000円(税別)
発売日:2019年5月25日
この記事をツイート

この記事の関連情報