【インタビュー】wyse、TAKUMAが語る“充電の本意”と“決意のシングル”「僕らが選んだ20周年の形」

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■充電期間前に出すシングルで
■未来を見せられたと思う

──「蘇生」の“心を生かせば 脳を超えられる?”という歌詞は?

TAKUMA:自分が考えていることが自分を構築していると思うんですよ。自分の脳、考え方、発想を成長させていっているような感じ。心を育むって言いますけど、心すらも究極的には脳だと思うんです。だけどその心は、いつか脳さえも超えるんじゃないかって。SFファンタジーみたいな世界になるけれど、心臓だけ残ればその人は、その人として存在していくことができるんじゃないかという感覚が僕にあって、脳を残せばその人の記憶を残し、抜き出すようなことも可能になるかもしれないけれど、その人の本当の人格やオーラみたいなものって脳じゃなく心臓なのかなって思ってるところがあるんです。現実には成立しない考えなので、問いかけにしてるんですけど。

──ということは、“壊して超えていきたい”という想いを込めた歌詞?

TAKUMA:“これ良くないな”と頭で思うより先に、心は気づいていると思うんですよ。“危ないぞ”って脳が自覚する前に心や身体は感じている。脳で感じる部分と心が感じる部分は別な気がしていて、“頭ではわかっていても”っていう表現があるように、行動に移せないこと、あるいは止められないことも脳を制御できればそのどちらにも動けるんじゃないか、という。気持ちで動く、気持ちが動くのような。“こうしてあげられたらいいのに、なかなかできない”と思うことって、心じゃなくて脳のような気がしてね。あくまで僕の考えですけど。

▲シングル「蘇生」A-TYPE

▲シングル「蘇生」B-TYPE

──そして「Calling…」は新しいwyseが感じられる曲ですね。洗練されたダンスロックというか。

TAKUMA:僕がwyseを始めたのが18歳だったんですけど、メンバーがその頃にいいと思ったものにもう1回立ち返るというか、“あの時期の僕らがwyseとしてカッコいいと思っていたサウンドってどんなだろう?”って振り返って、経験の中で構築して引き上げていった曲が「蘇生」なんです。それに対して「Calling…」は自由に作りましたね。「Calling…」は「蘇生」とは逆で、自分たちの今や未来。いろんなものを吸収して音楽を楽しんで、最先端なものにアンテナを張ってwyseとして昇華するっていう。そういう意味では「新しい」って言ってくださったように、そう感じてくれたとしたら、充電期間に入る前に出すシングルで未来を見せられたと思うんです。サウンド面で“まだ成長したいし、止まらないよ”っていう意思表示になればと思って作った曲でもありますね。

──「Calling…」のボーカルのメインはTAKUMAさんですか?

TAKUMA:メインもとってますし、月森と割り振っているところもあります。月森がメインで僕がコーラスっていうのがwyseの主流ではあるんですけど、カップリングでこういう耳障りの曲も面白いかなと。出だしは僕がメインをとってますけど、4本とか5本、声を重ねているんですよ。歌の聴かせ方としては、これまでとはまた違うことをやったりもしていて。Bメロでは月森と一緒に歌っていたり、ライブでは盛り上がる1曲になってほしいなと、そう思っています。

──【A-TYPE】に収録されている「Breaking down」は最もファストな激しいナンバーで、ロックンロールなギターソロから察するにMORIさんが作曲したのかなと。

TAKUMA:その通りです。

──タイトルは“壊す”という意味ですか?

TAKUMA:僕もそう捉えています。意味合いは違うかもしれないけれど「蘇生」と連動しているのが面白いなと思いましたね。曲作りのときはどういう形態になるかわからなかったので、今回、MORIは数曲書いてくれたんです、いわゆる良い曲を。

──もっとメロディアスな曲を?

TAKUMA:そうそう。でも、そういう曲ばかりだと今作としては違うなと。今の僕には書けない方向性のMORIらしい曲を書いてくれって。MORIらしさは僕らが思っている以上に幅広いと思うんですけど、これまでwyseで果たしてくれた役割というとアッパーな曲なんじゃないかなって。「Breaking down」を新たに作って持ってきてくれたときには完璧だと思ったので「これでいこうよ!」って。

──今回のシングルでいちばん暴れられて、叫べる曲ですものね。

TAKUMA:ね。どうなるんでしょうね。新曲をやるときは楽しみでもあるし、不安もあるから今もドキドキなんですよ。ライブの中でフックになる曲じゃないかな。

──“満たされない”と歌う曲で、今なお尖っているwyseを感じさせてくれるナンバーでもあります。

TAKUMA:衝動的なね。どんどん丸くなっている僕に対してMORIはどんどん尖っていく(笑)。

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