【インタビュー】EXILE SHOKICHI、自身の音楽ルーツを昇華させた渾身作『1114』

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LDHにおいて、歌やダンスのみならず、ギターやピアノなど様々な楽器を操るプレーヤーでもあり、自ら作詞・作曲もするコンポーザーであり、自分以外のアーティストの音楽活動をディレクションしていくプロデューサーでもあるEXILE SHOKICHIの存在は“異色”といえる。生粋の音楽大好き人間で、曲作りが大好き。そんな彼の特異性を発揮しSHOKICHI自ら全曲作詞/作曲を手がけ、自身の音楽ルーツをSHOKICHI流のJ-POPへと見事に昇華させた渾身の2ndソロアルバム『1114(読み:イレブンフォーティーン)』が完成した。

◆EXILE SHOKICHI 関連画像

1stソロアルバム『THE FUTURE』発売から1114日。その間にEXILE、EXILE THE SECONDの楽曲制作を牽引する存在となり、2018年7月には自身の夢だった主宰レーベル<KOMA DOGG(読み:コマドッグ)>を設立したSHOKICHI。それがアルバム『1114』の制作にどう影響を及ぼしていったのか。1stから1114日間、音楽家としてのSHOKICHIの変化を探った。

■1114日間で得たもの。
■「しっかりと音楽と向き合うことを積み重ねていった」


▲『1114』

──全曲の作詞・作曲を手がけたニューアルバム『1114』、完成したときはやはり特別な感慨はありましたか?

SHOKICHI:歌詞も曲も全部やらせていただいたので思いも入りますし、いまもすごく達成感は感じてます。

──アルバムタイトルの“1114”というのは1stソロアルバム『THE FUTURE』から今作発売までに経過した日数だそうですが。どのタイミングでこれをタイトルにしようと思いついたんですか?

SHOKICHI:1stを作り終えたぐらいからなんとなくありました。

──かなり早い段階だったんですね。

SHOKICHI:次を出すまで時間が空くだろうなと思ってたので、その日数を次のアルバムのタイトルにするのはありだなとは思ってました。前作を作り終えた後はグループ活動が活発になっていったので、その間はグループ活動に専念して。そこでしっかりと音楽と向き合うことを積み重ねていったことが自分の力となってこのアルバムを作ることができたので、1114日間はすごくいい時間だったなと思ってます。

──“1114 ”日間はいい時間であり、できた『1114』もいいものができたからこそ“いーーよ”と数字でいってるのかな、とも思ったんですが。

SHOKICHI:よく「他にも意味があるんですか?」と聞かれるんですが、本当に日数だけです(笑)。

──失礼しました(笑)。では、その1114日間のなかのグループ活動で得たもの。そのなかでもどんな部分が本作にはフィードバックされているなとご自身では感じてますか?

SHOKICHI:楽曲作りが大きいですね。EXILE THE SECONDでアルバムを2枚出したんですけど、そのほとんどの楽曲を自分がプロデュースしまして。曲も作ったりしたので、そこですごく自分がレベルアップできたのではないかと。一番よかったことは、自分一人で作るんじゃなくてクリエイターとコライト(共同、チームで曲作りをするスタイル)、ライティングセッションで曲を作っていったので、そこでのクリエイターとのコミュニケーション能力がすごく上がりました。同時に、自分がこういうものを作りたいという、ものを具現化する能力も上がっていったんです。

──SHOKICHIさんはバンド経験があるのでお聞きしたいんですが。ライティングセッションというのは、いわばバンドでいうジャムセッションみたいなものなんですか?

SHOKICHI:わりと感覚は近いものはありますね。セッションで作る=アドリブっていうことなんで。

──ではセッションするときに、SHOKICHIさんが大事にしていることは?

SHOKICHI:スタジオを自分が引っ張っていくんだという雰囲気作りを大事にしてますね。なので、ライティングセッションではフリースタイルであっても一番最初に自分がやったり、積極的にアイデアを出したりしてその雰囲気を作るようにしています。

──雰囲気作りが重要である、と。

SHOKICHI:ええ、かなり大事です。海外のライターとのセッションがほとんどなんですけど、こっちが前に前に出ていかないと、彼らだけで進めていっちゃうんです。だから、自分が一番最初にフリースタイルをすることで、まずこの曲はこのメロディが主体なんだなということをアピールするんです。そうやって「コイツやるな」という雰囲気を出せば、そこをリスペクトしてくれるんです。たとえ初めて組む人であっても。だから、セッションが始まったら自分のメロディをノンストップで出し続ける。そうやってスタジオを率先して引っ張っていく雰囲気を出すことを重要視してます。自分は本当は人見知りなんですけど、初対面だからとか、英語がうまくしゃべれないからって黙ったままでいると、自分なしでも曲は平気で完成しちゃう。そんなメンツばかりなので、逆に(自分が)引っ張っていく雰囲気を作っていかないと、自分が意図した曲が作れないんです。

──だから、スタジオでまず最初に自分がこの曲をどうしたいかを率先してアピールする。

SHOKICHI:そうです。自分の曲に対して自分が持ってないアイデアをみんなに出してもらう。そういう感覚でやってます。

──例えばアルバムのなかの「Ooo!」。これもそういうやりとりを経てできたものなんですか?

SHOKICHI:そうです。このメロディは全部自分一人で作ったものです。The StereotypesとはEXILEの曲を作るためにライティングセッションしてたんです。「STEP UP」という曲を作ったあと、1時間ぐらい時間が余ったんですよ。これならもう1曲作れるなと思ったから、彼らがストックしてたトラックを聴かせてもらって。「このトラックにメロディのせてみていい?」ってフリースタイルをさせてもらったら、「そのメロディめっちゃいいじゃん!」って彼らもテンション上がっちゃって、この曲をやることになったんです。The Stereotypesとのセッションは2回目だったんですけど、前回とは全然違いました。

──前回とはどう違ってたんですか?

SHOKICHI:前回は僕も相手がThe Stereotypesだっていうだけで尻込みして、ずっと様子を伺ってたんです。でも、それだと全然コミュニケーションはとれないし仲良くもなれない。だから、今回のセッションはトラック作りの段階から「そうじゃない。こういうの」って自分の意見を全部言って。メロディも自分が率先して出していったんです。そうすると、彼らの自分を見る目が変わっていって、リスペクトしてくれてどんどんコミュニケーションがとれるようになって。いまは“友達”みたいな関係です。

──「Ooo!」は間奏の音がすごくひっかかったんですけど。あれ、ギターの音ですか?

SHOKICHI:最初、間奏は空いてたんで僕が「ここにはギター入れる?」っていってギターのフレーズを自分でスキャットしたんですね。そうしたら彼らが「そのメロディめっちゃいいじゃん」っていって自分がスキャットした声をギターの音色に加工したのがあの音。なので、ギターっぽくは聴こえるんですけど、あれは自分の声なんです。

──その発想自体ぶっ飛んでますよね。

SHOKICHI:ぶっ飛んでます(笑)。そういうアイデアも含め、この曲は15分ぐらいで作れちゃったんですけど。楽しいセッション作業でしたよ。

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