【インタビュー】ま に こ、YouTubeで再生回数1千万回超えの“激”歌うま女子高生のホンネ

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■けっこう負けず嫌いなところはあります
■アンチコメントなんかが来たら逆に燃えます(笑)


――ではここからは、少しま に こさんの制作過程について聞かせてください。

ま に こ:アプリのnanaはカラオケ(伴奏)の音源があるので、自分が歌った時に雰囲気が合いそうだなと思う人の音源を探して、コラボして歌っています。去年の今頃はiPhoneのイヤホンについているマイクで歌を録音していたんですが、今は、ある企画で1位になった時にいただいた小型のマイクを使って録っています。普通に、自分の部屋で(笑)。

――友達とか家族とか、そばで誰かが聴いていたりすることもあるんですか?

ま に こ:ないです、ないです(笑)。でも普通に家だから、家族が廊下を歩く音なんかも入るんですよ。その時は「もう、うるさいっ!」って怒ります(笑)。

――逆に、歌っていて怒られることは?

ま に こ:近所の人から怒られたことはないけど、たまに母が(笑)。でも、さすがにもう録音しているってわかってくれてるから、最近は全然言われなくなりました。

――今年1月に個人のチャンネルも開設されましたが、YouTubeの場合はどうですか?

ま に こ:YouTubeの曲も家で録っていますが、こちらはいろんな方の協力で作っていただいた音源を使って、パソコンとマイクで録っています。YouTubeの場合はフルサイズで歌えるので、分け録りをして、ハモリをかぶせてっていう感じですね。nanaは1分半だし、フルで歌うっていうのはカラオケくらいしかなかったけど、カラオケも結構ノリで歌うじゃないですか。でもこうやってちゃんと歌うとなると、言葉の意味を一度自分の中に飲み込んで、自分の形で出すっていうことが大事だなと思うので、そういうところを意識して歌うようにしています。だから、原曲とは全く違う雰囲気になっている曲が多かったりもするんですよね。

――文化祭のステージで歌ったのも自分の歌に対する反応が知りたかったからというお話でしたが、SNSでの反応などはどんな風に受け取っていますか?

ま に こ:まず初めに思ったのは、いい人ばっかりやなってこと(笑)。nanaには拍手のボタンしかないから、いいと思った人からしか反応はないし、アンチコメントみたいなのもないんですよ。YouTubeは低評価もあるし、コメントもし放題。そんな中でも「頑張って」とか「応援してる」って言ってくれる方が多いから、普通に嬉しいんです。あぁ、あったかいなあって思っています。

――励みになりますか。

ま に こ:はい。もっと歌いたいなって思うし。

――評価を恐れるどころか、むしろそこに挑んでいっているま に こさんはすごく心が強い人なんだろうなという印象ですが、自分の性格についてはどんな風に捉えていますか?

ま に こ:これは長所でもあり短所でもあるかなと思うんですが、けっこう負けず嫌いなところはあります。だから、アンチコメントなんかが来たら逆に燃えます(笑)。

――なるほど!

ま に こ:「うるさいな」というよりも、そんなことを言わせないくらい上手くなりたいなと思いますね。言う人はどうしたって言うんだからなくならないとは思うけど、逆に、もっと上手くというか…、もっと歌えるようになりたいなっていう自分のやる気に変わるから。

――上手くなりたいわけではない?

ま に こ:技術面で、例えばこぶし回せるようになりたいとかそういうのはないんですが、たまに棒読みみたいだとか、感情入ってる?みたいなことを言われるんですね。文化祭の動画とか見た人からも。その場で聴いていた人はそう思わなかったかもしれないけど、画面を通したらそう聴こえてしまうのかなって考えると、その場にいなくても心に響くというか、刺さるというか、そんな歌を歌いたいなって思うんです。技術というよりも、表現力。私にしかできない表現みたいなものを探していきたいなって思っています。

――そういう思いがベースにあるま に こさんにとって、今後の音楽の活動はどんな風にやっていきたいと考えているんですか?

ま に こ:いわゆる歌手になりたいとかはあまりなくて。今みたいな形で、音楽というよりも歌に関わっていきたいなとは思っています。自分が発信する側で、今はまだできていないけど、ライブなんかもこれから先できたらいいなと思っていますし。

――テレビからお茶の間へ、みたいな歌手としての活動ではなく。

ま に こ:はい。YouTuberさんで、歌のライブをやっていらっしゃる方もいるじゃないですか。そういう感じで。

――ちょっと大げさな言い方になりますが、歌で生きていきたいなというような気持ちも?

ま に こ:歌で生きていくのはすごく難しいことだと思うんです。波がありますし。だから、何かをやりながら音楽をやるとか、音楽をやりながら何かをやるとか、そういう感じでやれたらいいかなと思っているんですけど。

――その何かというのは、例えば?

ま に こ:高校に入る時は、体育教師になりたかったんですよ。今はそこまで目指してはいないけど、スポーツは好きなので、何かそういうことに関われたらいいなと思っていて。まだ、やりたいことを探している途中って感じです。

――現在高校2年生。選択肢は無限ですからね!だけど音楽はきっと、その選択肢の中から外れることはないんでしょうね。

ま に こ:例えば野球チームがあるとしたら、必ず試合に出られるような人って3人くらいいると思うんですね。でもあとの6人は、強豪校だったりすると部員の数も多いから誰が選ばれるか微妙だったりもする。私にとって音楽は、その野球チームの3人の中の1人みたいな感じなんです。

――絶対的なものなんですね。

ま に こ:はい。ノドを潰したりしない限りは、ずっとやり続けたいなって思っています。

――今後、共演してみたい人などは誰かいますか?

ま に こ:共演っていうこととはまた違うんですが、音楽に限らず、自分が好きなYouTuberさんとかは、イベントやオフ会に行けば会えますよね。でも、そういう人たちに会うんだったら、自分も有名になってから会いたいなっていう気持ちがあるんです。

――頼もしい!

ま に こ:向こうからしてみれば、みんな「ファンの人」になるじゃないですか。大きな括りで見ると。そうじゃなくて、「あ、ま に こだ」って認識してもらえるくらいになってから会いたいなって思っています。そのためにも、今はひとつひとついろんなことを積み重ねていく期間なんだなって思っているんですけど。

――学校の勉強と、部活の空手と、音楽。これからも全力で頑張っていくんだろうなと思いますが、体ひとつで足りますか(笑)?

ま に こ:いやぁ、足りないです。3つくらいに分身したい(笑)。

取材・文●山田邦子

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