【ライブレポート】片平里菜、ありのままの姿を見せたバースデーライブ。「もうちょっと見守っててください」

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片平里菜のワンマンライブ<fragment Live追加公演 birthday special 「sunny to bloom」>が5月11日(土)・12日(日)の2日間、新宿BLAZEにて開催された。

◆片平里菜 写真

2018年12月1日より個人事務所「BUCHI.」を設立し、新たな音楽人生を歩き始めている片平里菜が、5周年ベストアルバム『fragment』をひっさげ開催した今回のライブ。特に2日目の5月12日は片平の27歳の誕生日当日という初のバースデー公演となった。フロアに満員となったファンが待ち構える中、バックバンドのメンバーらと共に「愛のせい」からライブをスタートさせると喝采が沸き起こる。

「久しぶりのライブで昨日からやっているんですが、なんだかすごいスッキリ元気になった感じがします」と片平。オールタイムベスト的なセットリストの中、中盤では母へのいとおしい思いを綴った「ぺんぺん草」を披露した。ちょうど当日が母の日でもあるということで、前日の公演を見に来ていたという両親の話もMCで語られる。歌唱中に飾られていた二輪の花はのちほど会場に来ていたカップルにプレゼントされ、和やかな空気が流れた。


片平のみの弾き語りタイムには、上京初期の寂しさを詰め込んだ「からっぽ」、そしてタイトルとは裏腹にやさぐれた気持ちを歌い上げる「ラブソング」。キャッチーな楽曲ばかりではなく、こういったナンバーも心臓に悪いほど記憶に残る重さだ。歌い終えて「暗かっただろう~!」とニヤリと笑う姿に器の大きさを感じた人もいるのではないだろうか。

そこから後半戦は「誰にだってシンデレラストーリー」「Oh JANE」など気分を盛り上げるガーリーロックナンバーを連発。夢中で歌い上げながら「女の子は泣かない」で会場を熱気でまとめあげた。

そして本編ラストのアットホームな楽曲「Love takes time」でフロアからの優しい大合唱に包まれ、不意に歌う声を詰まらせた片平。「ありがとうございます。正直に言うわ。ひとりは、しんどい」と気持ちを吐き出した。逆説的だがそれは、この場に集まっていたファン達の温かさと確かさに包まれ、彼女が大人としてファンを信じることができたからこそ生まれた局面のようにも見えた。なおも大合唱を続けながらありのままの姿を受け止めるファンたちに「すごい頼りないけど、安心してステージに居れるようなアーティストじゃないけど、もうちょっと見守っててください」と呼びかけた片平里菜。会場からはそれに応え、応援の歓声と大きな拍手があふれた。


むやみやたらにエモーショナルさを煽る作風でもないが、それでも片平里菜の歌には、明るい楽曲にも暗い楽曲にも、リスナーに肉薄してくる力強さがある。そんな彼女の作り上げた会場限定のCDから、アンコールでは「sunny」「bloom in the city」そして新曲「オレンジ」が披露された。MCではスタッフからのサプライズでバースデーケーキが、ファンからは寄せ書きの幕が贈られ、ハッピーバースデーの大合唱に満面の笑顔をみせた片平だった。

片平里菜は「自分の歌を通して皆の人生が豊かになることを願って」、これからも歌っていく。

撮影:福岡 諒祠



■セットリスト<fragment Live追加公演 birthday special 「sunny to bloom」>

2019年5月12日(日)新宿BLAZE公演
1.愛のせい
2.大人になれなくて
3.HIGH FIVE
4.煙たい
5.ぺんぺん草
6.なまえ
7.からっぽ
8.ラブソング
9.baby
10.小石は蹴飛ばして
11.誰にだってシンデレラストーリー
12.Oh JANE
13.Party
14.女の子は泣かない
15.Love takes time
EN1.sunny
EN2.bloom in the city
EN3.オレンジ(新曲)

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