【インタビュー】持田香織の「これまで」と「これから」

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「てんとてん」
Words : Kaori Mochida
Music : Masato Suzuki

あるブランドのショーで使われていた音楽がめちゃくちゃカッコよかったので、正人さんに「こんなリズムの曲が好き」ということだけお伝えして、あとはお任せしました。できあがった曲は、すごくお洒落! 
私は自分でネイルをするとき、爪の全面に塗らずに、チョンって「点」をうつのが好きなんです。いろんな人に「血豆?」って言われるんですけど(笑)、「点」というモチーフも自分の中で流行っていて。そんなときに正人さんからこの曲をいただいたんですが、サビの音が「3文字と3文字」なので、そこに詞をつけるのが難しいなあと思ったんですね。だけど、ふと“てんとてん てんとてん”という詞が浮かんで、「いいんじゃない?」って。そこから“てとて てとて”“ 、、、”という詞につなげていきました。
「てんとてん」というタイトルにはソロ活動10周年の「10(テン)」という言葉が入っていますが、指摘されるまで気づきませんでした(笑)。でも、「ああ、そういう意味もあった」と全部がリンクしていったので、「これは絶対にアルバムのリード曲にしよう」と。すべては、ネイルの「点」から始まったんです。


「そりゃ喧嘩もしますし」
Words : Kaori Mochida
Music : Masato Suzuki

正人さんはコアな難しいコード構成も得意な方だと思うんですが、あくまでポップスという土台の上で、メロディアスな曲を作ってくださいました。どこか聴き覚えのある懐かしい雰囲気もあるのに、デジタルの今っぽい気分も入っている。すごく小気味よくて、歌うのもすごく気持ちよかったです。
歌詞は「誰かと一緒に同じご飯を食べるって大事だよね」という私の素直な気持ちが出ています。大事な人とすれ違うのは、ご飯を一緒に食べられないという理由が大きい気がするし、友達と喧嘩しても一緒にご飯を食べれば仲直りできたりしますもんね。“モッツァレラチーズ、トマト、バジル”という歌詞を書けるのもソロだからこそで、面白かったです。


「Enseigned’angle」
Words : Kaori Mochida
Music : Masato Suzuki

「Enseigned’angle」は、原宿の地下に入っていく場所にあるカフェの名前。すごく好きなカフェなんですが、そこで「ソラアイ」の歌詞を書いたんです。そのときの自分を思い描きながら、「ひとりの女性が何かを思いふけりながら、言葉を紙に書き留めている」シチュエーションをイメージして詞を書きました。曲もすごく美しいですよね。初めて聴かせてもらったときに、「すごいな。なんでこんなメロディが浮かんでくるんだろう?」と思いました。
アルバムの最初の3曲は正人さんが曲を書いてくださいましたが、どの曲も「言葉では説明できないけど、すごい好き」と思いました。「なんかわかんないけど好き」という感覚はすごく大事だと思うので、3曲ともにそれがあって嬉しかったです。


「あたらしき夜」
Words : Takuji Aoyagi
Music : Tsutom Kurihara

LITTLE CREATURESさんのプロデュース曲です。「ザ・LITTLE CREATURES」な曲ですし、青柳(拓次)さんが歌詞を書いてくださって、本当に嬉しかったです。もともと大ファンなので、お三方のレコーディング風景を見ることができたのは感動しましたね。皆さん仲が良くて、お互いを尊重し合っていて、距離感や関係性のバランスがよくて、本当に素敵でした。
バンドとしてやってこられた人たちの中に入って、バンドの音に合わせて歌うのは初めての経験でしたが、めちゃくちゃ気持ちよかったです。自分から歌おうとしていないのに、バンドの音が背中を押してくれる感じで、声が自然に出てくるんですよ。私は歌うときに語尾を伸ばしてしまうクセがあるんですけど、「あたらしき夜」では自然と音に合わせて歌っていて、すごく不思議な感覚でした。勝手にLITTLE CREATURESの中に入れていただいた気持ちになって、心地よく歌わせていただきました。


「君と僕の消失点」
Words : Kan Sano
Music : Kan Sano

Kan Sanoさんは正人さんの後輩でいらっしゃって、ELTのコーラスでお世話になっているMegさんとも仲が良くて、おふたりから「Kan Sanoさんいいよ」って教えていただいたんです。聴いてみたらすごく素敵だったので、今回作詞作曲をお願いしました。
最初にピアノを弾きながら仮歌を歌ったデモを送ってくださったんですが、「何これ、ずるい」「もうこのままでいいじゃん」というぐらい良くて(笑)。しばらくそのデモを聴いていたので、私の歌も少し影響を受けているかもしれません。キーも低めですし、ボソボソッとお喋りしているような歌い方になっているかも。
詞もすごくロマンチック。<何十年後にもしも君に会えたら 何を話そう>なんて、私には書けないですもん。Kan Sanoさんが人に詞を提供するのはこれが初めてだったそうなので、ありがたいですね。
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