【インタビュー】VALSHE、通算100曲目に「最も自分らしい楽曲と新たな変化」

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VALSHEが通算100曲目にして12作目となるシングル「「SYM-BOLIC XXX」」を5月22日にリリースする。今作のテーマは“象徴が、一つとは限らない”。これはVALSHEがジャンルという括りの中には収まりきらない多様性を持ったシンガーだと捉えられていることにも由来しているが、今作は本人にとっても想像を超えた作品となった。

◆「「SYM-BOLIC XXX」」クロスフェード 動画

自分自身が伝えたいことに改めて向き合い、掲げてきた“反骨精神”をオブラートに包むことなく表現したこと。レーベルメイトであり、自身と同じ匂いを持っていると直感したシンガーシングライター焚吐に楽曲提供をオファーしたこと。完成した楽曲たちは自身の核心であり、新しいVALSHEをも生む結果になった。鋭利でシニカルで時に生々しい言葉と演劇的な要素が盛り込まれたライブで培われたボーカルの表現力が高い次元で融合しているのである。ロックなのか? J-POPなのか? ダンスミュージックなのか? そんなカテゴリーを超えた領域にVALSHEは到達している。

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■『100曲目にふさわしい曲を持ってくる会』を
■開催するところから始まったんです

──まず、今回のシングルの表題曲「「SYM-BOLIC XXX」」が通算100曲目の楽曲となるそうですが、それは以前から意識していたことだったんでしょうか?

VALSHE:“そろそろ100曲目になるな”と思ったのがアルバム『WONDERFUL CURVE』(2017年)の制作を終えて、2018年にどういう作品を作っていこうか考えていたときだったんです。ふと、今までに出した曲を数えたら90曲を超えていて、“これは100曲目が近いぞ”って。2018年はシングル「激情型カフネ」とミニアルバム『今生、絢爛につき。』をリリースしてツアーをしたんですが、その頃から99曲目まで作ろうと考えて活動していました。

──「「SYM-BOLIC XXX」」はアニバーサリーシングルという捉え方でいいんですか?

VALSHE:そうですね。今回は“100曲目”を念頭に置いて作ったシングルです。

▲「SYM-BOLIC XXX」【初回限定盤 WHITE】

──タイトル曲はもちろんですが、どの曲も刺激的で、曲によって表情を変えるVALSHEさんのボーカルの表現力にも驚きました。テーマを“象徴が、一つとは限らない”にしたのはなぜですか?

VALSHE:100曲目を作るにあたって、“最もVALSHEらしい曲は?”と考えたのがキッカケになっています。VALSHEのイメージって人によって違うんですよね。自分自身、ひとつのカラーで世界観を表現してきたわけではないので、当然なんですけど。VALSHEをロックシンガーと捉える人もいればファンタジックな世界観こそVALSHEだと思う人もいて、どちらが正解というわけではない。その都度、求められていることや提示したいことに対して、姿や形や音楽性を変えていくのが自分のスタイルなので、それを“象徴が、一つとは限らない”という言葉で示せたらなと思ったんです。

──多様性があって、ひとつのジャンルに括れないシンガー。そういうスタイルは前から思っていたことなんですか?

VALSHE:そうですね。楽曲でいうとVALSHEの代表曲といえば「Butterfly Core」って思う人もいれば「PLAY THE JOKER」だっていう人もいるし。

──ダンスミュージックのイメージを持っている人もいるだろうし。

VALSHE:踊っているイメージが印象的な人もいるでしょうね。そういうふうに人によって様々なのがVALSHEの面白さだなと思ったんです。そこを中心にして100曲目を作りたいと思ったのが始まりですね。


──そこから白と黒のブラウスにセパレートされた今回の衣装のイメージが湧いてきたんでしょうか?

VALSHE:アートワークに関しては、自分が思う“これがVALSHEだ”っていうのを形にしたいと思っていました。ジャケットやミュージックビデオはいつもと同じように原案を考えてデザイナーや監督と話した上でブラッシュアップしていって、衣装は以前から一緒にコラボレートしているイラストレーターの白皙と考えたので、自分の頭の中にあったイメージがしっかり具現化されました。

──髪型や衣装で特にこだわりたいと思った点というのは?

VALSHE:“VALSHE=金髪”というイメージは自分にとってもファンにとっても強いんじゃないかと。不思議なことに、3枚目のシングルまでは金髪じゃないんですけどね。ロイヤルカラーを使っているのもVALSHEらしさ。ヴィジュアルワークに関しては新しいことを取り入れるというよりも、“これぞVALSHE”を意識しています。

──王冠をかぶった時代がかった衣装も含めて?

VALSHE:そうですね。このまま街を歩いたら明らかに変な人だなっていう(笑)。そういうフィクション感のあることを真顔でやってきたので、ジャケットもミュージックビデオもVALSHEらしい世界観をシンプルに楽しんでほしいなと思ったんです。

──なるほど。では楽曲の話を聞いていきたいんですが、まず、「「SYM-BOLIC XXX」」はVALSHEさんのシャウトが超絶カッコいい。

VALSHE:ははは。ありがとうございます。曲に関してはサウンドプロデューサーやdoriko、そしてVALSHEで『100曲目にふさわしい曲を持ってくる会』を開催するところから始まったんですよ。荘厳な感じにしたいのか?それとも“100曲目だぞ!”ってお祭り的な方向に持っていきたいのか?というところで考えた結果、放った曲に対してファンが熱量を持って返してほしいなと思ったので後者で行こうと。最終的に残ったのが自分が選んだ曲「「SYM-BOLIC XXX」」だったんです。

──記念シングルはアガる曲にしようと。

VALSHE:アゲたいなというのもあったし、アゲてほしいなという気持ちもありましたね。“その熱量をVALSHEに返して”っていう。

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