【速レポ】<MUSISION FEST>関取花、「景気づけに楽しい曲を」

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太陽が空高く上がった午後2時、「どうもこんにちはー!やっほー!」と朗らかにステージに上がったのは、関取花だ。ライブ後半で歌われた「太陽の君に」の歌詞のように、最初から最後まで太陽のような明るさと伸びやかな歌声で客席を包み込んでくれた。彼女は5月8日にミニアルバム『逆上がりの向こうがわ』でメジャーデビューしたばかり。ステージに登場した際の大きな拍手と声援に、期待感が見てとれた。

◆関取花 画像

そんなオーディエンスを前に、「まず景気づけに楽しい曲をやりたいと思います」と1曲目にチョイスしたナンバーが「私の葬式」、オープニングから関取花っぷり全開だ。タイトルと裏腹に明るくほんわかしたシャッフルチューンを、間奏ではカズーを吹くなどして楽しく聴かせてくれた。“休みの日に上野動物園に遊びに来ることもある (プレーリードッグがお気に入りらしい)”というエピソードトークから披露された「君の住む街」では、小柄な見た目からは想像できない迫力あるボーカルが放たれた。アコースティックギターによる弾き語りということもあり、関取の個性的な声質、見事な歌唱力がダイレクトに伝わってくる。



MCでは、ミュージシャンとしていつかは防音設備のあるマンションに住みたいと願望を吐露しつつ「でも、家賃が少し高いんだよな(笑)。このフェスに出たら家賃タダになるんですかね? 後で訊いてみよ(笑)」と冗談交じりのMCで笑わせる。

2018年にNHK『みんなのうた』で放送されていた「親知らず」を挟み、中盤では「黄金の海で逢えたなら」「カメラを止めろ!」と、アップテンポな楽曲が続き、手拍子で会場の一体感を生み出した。ビールを“黄金の海”と比喩した「黄金の海で逢えたなら」を歌う前には、ステージ周辺を行き来しているカラスに話しかけてライブ空間に巻き込もうとするなど、全方位向けのコミュニケーション能力を発揮。



写真撮影のため食事を待たされるシチュエーションを歌った「カメラを止めろ!」には、どんなものもスマホで写真を撮ってしまう我が身を顧みて、苦笑いしつつ聴いていた人も多いのでは。そんなオーディエンスをコール&レスポンスとビートの効いたギターストロークで大いに盛り上げた。


ラストは心に沁みわたる人生賛歌「もしも僕に」。力強く澄んだ歌声が、余韻を残しつつ上野の空高く昇っていく。ユーモアたっぷりなMCを含め、その堂々たるステージ巧者ぶりは、彼女がとっくの昔からメジャー級のステージ度胸を備えたアーティストであることを感じさせた。

   ◆   ◆   ◆

【終演直後の楽屋裏ミニインタビュー】

──ステージを終えて、率直な感想はいかがですか?

関取:尻上がりに、盛り上がりましたね。場所の雰囲気がいいので、みなさんが空気感を掴んでくださったから、そこに私も馴染むことができたのかなという感じがして。改めてライブの楽しさを感じたステージで、自分的にはすごくありがたいなと思いました。

──会場に迷い込んだカラスともMCでコミュニケーションをとりながら、というシーンは野外ならではでした。

関取:意外とカラスの鳴き声って音程があるんですよ、“あ、めっちゃ不協和音だ”とか思いながら(笑)。以前、この場所でライブをしたときもカラスが居て、カラスに話しかけた記憶が蘇りました。でも、今日はカラスを味方にすることができましたね。笑いのセンスがあるカラスでした(笑)。

──事前のインタビューでは「どこにいっても変わらないその時のベストを演ります」とのことでしたが、今日のセットリストは?

関取:野外イベントで対バン形式なので、しっとりした曲をやり過ぎるよりは、イベントの雰囲気がよくなるようなセットリストで、なおかつ、自分のキャラが出せればなっていう感じで考えました。

──たとえば「カメラを止めろ!」は音源ではソウルフルなアレンジですが、弾き語りで披露するにあたって、どんな演奏にしたいと?

関取:もともと弾き語りをベースに曲を作っているので、敢えて意識したことはないんです。だけど、“ひとりでもバンドサウンドに負けないくらいの感じ”っていうのは考えて動いたりとか。ストロークとかは、いつもよりガンガン振り下ろしていたり。そういうところは違うかも。ひとりで何役もやらないといけないので。

──「私の葬式」で演奏したカズーとかがまさにそうですよね。今日は気温30度越えだったので、“ひとりで何役も”は大変だったと思います。ご自身にとってはどんなステージになりましたか?

関取:夏に強くなろう、体力をつけようと思いました(笑)。そういう反省点はあれども、冒頭で言ったように、初心にかえれた感じがするステージだったんですね。ワンマンとかツーマンとか、大きなフェスとかもそうだと思うんですけど、すでに盛り上がる準備ができているお客さんが多いので。でも、今日はいろいろなミュージシャンのファンの方々がいらっしゃって。私はステージからお客さんの顔をよく見るんですけど、性別も年齢層も音楽の聴き方も、みなさんそれぞれだったと思うんです。だから、“最初にライブをやり始めたときの感じってこうだったな。私を知らない人たちに、どうやってここからファンになってもらえばいいんだろう”って考えながら、頑張ろうって思えて。そういう意味で、本当にいいタイミングで、いいイベントに出演させていただいたなって思いました。

取材・文◎岡本貴之

セットリスト

1.私の葬式
2.君の住む街
3.親知らず
4.黄金の海で逢えたなら
5.カメラを止めろ!
6.太陽の君に
7.もしも僕に


<MUSISION FEST 2019>
2019年5月25日(土)
@上野恩賜公園(うえのおんしこうえん)
自由席 4,000円(税込)・当日4,500円(税別)
開場/開演:11:00/12:00
出演(順不同):The Cheserasera、音速ライン、浅草ジンタ、浜端ヨウヘイ、関取花、kitri、フラチナリズム、MAISON“SEEK”


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