【インタビュー 前編】SUGIZO & 真矢、LUNA SEA30周年を語る「ロックバンドという形態で最高かつ唯一無二」

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■俺にとってLUNA SEA以外
■ロックバンドはありえない──SUGIZO

──バンドにとって通らないとならない道だったんですね。

SUGIZO:だから、REBOOTの3年前の2007年 (東京ドームでの一夜限りの復活ライヴ<GOD BLESS YOU ~One Night Dejavu~>)、7年ぶりに音を出したときはホントに衝撃だったもんね。リハーサルに入って、1曲目に「Dejavu」を合わせた瞬間、全員が“これはすげえ”って感じたはず。言葉で確認し合ったわけじゃないよ。だけど、そのときから、今、こうなることは決まっていた気がしますね。俺にとってLUNA SEA以外、ロックバンドはありえないんですよ。ここが自分にとってロックバンドという形態で最高かつ唯一無二の場だと思える。たとえ新たに別のバンドを結成したとしても、X JAPANでギターを弾いていても、俺が自分たちで作り上げたものを体現する正真正銘のロックバンドはLUNA SEAしかない。もっと言えば、人生でそういうバンドは1つしかできないと思うんです。ジミー・ペイジにたとえたら、レッド・ツェッペリンよりザ・ファームのほうが好きな人は少ないでしょ?

真矢:そうだね。

SUGIZO:ポール・マッカートニーだったらウィングスよりやっぱりビートルズでしょ? 最も多感な成長期に結成して、成功した場合、それを超えるロックバンドを組むのは無理だと思うんですよ。それでも30代のときには過去を超えようとがんばる。結果はどうであろうと、それは自分のプラスになるし、スキルアップに繋がるんだけどね。そう思っているからロックバンドで表現する音楽として常にベストなことをやりたいし、今もロックバンドという形態でできることに挑戦しているし、夢を追っている。(真矢に向かって)どうですか?

真矢:そういうことでございます(笑)。俺は2000年から2007年にかけていろんな人たちとセッションをやったんだけど、結局「LUNA SEAっぽく叩いて」って言われるの。その時期はREBOOTのことなんか決まってないから、「俺は一生、これを背負っていかなきゃならないのかな?」って。そんな中で唯一、LUNA SEAっぽいことを求めなかったのが大黒摩季ちゃんなんだよね。

SUGIZO:うんうん。

真矢:今はLUNA SEAをやってるから、ほかでオレがLUNA SEAっぽいドラムを叩く必要がないわけですよ。だから摩季ちゃんのサポートだけは続けてる。

──その“LUNA SEAっぽいドラム”ってどういうものだと思います?

真矢:わからないんですよ(笑)。楽曲も違えば、歌う人も違うのに、求められるんだよね。

SUGIZO:俺が思うに、真矢が本気で叩けばLUNA SEAっぽくなっちゃうんじゃないの?

真矢:そういうことなんだよね、きっと。

──話を聞いていると、血のつながりがかなり濃そうですよね。

SUGIZO:じゃあ、血縁でできちゃったんだね(笑)。

真矢:わははは。原始時代みたいなものだね(笑)。

──そんなふうに生まれたLUNA SEAは、数多くの楽曲を生み出してリリースしてきたにも関わらず、さっき話に出たように、リハーサルの1曲目に今も必ず演奏するのが「Dejavu」。それだけ特別な曲ということですか?

真矢:ほぼ毎回リハは「Dejavu」からだよね。

SUGIZO:リハでいちばんチェックしやすい曲なんだよね。みんなの全部の音が入ってる曲だから。

真矢:合理的な部分も含めてでしょ?

SUGIZO:真矢が「速くて手が追いつかないからやめてくれよ!」って言いながら叩いてる(笑)。

真矢:そうそう! でも、その日の調子がわかる曲なんだよ。「今日はここがヤバイから、演奏方法はこうしよう」とか。だから変えたくないね。

SUGIZO:あの1曲にあらゆるドラムパターンが入ってくるじゃん。ハットもライドも入ってる。INORANも典型的な歪みとクリーンを使うからアンプ2台のチェックができるし、俺もリフとリードがあるから、その確認ができる。特にこの3人はいろんな音色を使うから、「Dejavu」だけであらゆるチェックができる。理に適っているんですよ。

──納得です。「Dejavu」の話が出たので、LUNA SEAの活動の軸となるライヴについても聞きたいんですが、初期から演奏しているナンバーを今もライヴのセットリストに盛り込んでいますよね。「TIME IS DEAD」もそうだし「MOON」「WISH」もそう。ここまで昔の曲を数多くライヴに盛り込むバンドは少ないんじゃないかと思うんです。

真矢:そうですかね?

SUGIZO:俺は逆だと思うんだよね。ストーンズだってそうだし。

──確かに海外のバンドはそうですね。

SUGIZO:ツェッペリンが再結成したら「胸いっぱいの愛を」(「Whole Lotta Love」)を絶対やるだろうしさ。

真矢:「Rock And Roll」もやるよね。

SUGIZO:U2だってそう。それは長くやってるバンドの宿命じゃないですかね。バンドじゃないけど、デヴィッド・ボウイだって「スペイス・オディティ」はやってたしね。だから、初期、中期、後期とかあまり関係なく、自分たちを象徴する代表曲をできるだけ盛り込んでいくっていうのがお客さんに対する礼儀だと思うんですよね。

──“あの曲が聴きたい!” “今日は聴けるかな?”って、楽しみにライヴに足を運ぶ人たちのためにも?

SUGIZO:我々は正直、飽きてますよ。「Dejavu」も「WISH」も何百回演奏したかわからない。

真矢:飽きてるけど礼儀でもあり、必要不可欠なんだよね。

SUGIZO:やったらやったで、すごく重要な場になる曲なんですよ。

真矢:面白かったのは去年12月にさいたまスーパーアリーナで懐かしい曲をいっぱい演奏したわけですよ。

──メジャー1stアルバム『IMAGE』と2ndアルバム『EDEN』の再現ライヴ(<LUNA SEA LUNATIC X'MAS 2018 -Introduction to the 30th Anniversary- IMAGE or REAL>2018年12月22日(土)@さいたまスーパーアリーナ/<LUNA SEA LUNATIC X'MAS 2018 -Introduction to the 30th Anniversary- SEARCH FOR MY EDEN>2018年12月23日(日)@さいたまスーパーアリーナ)ですね。

真矢:そう。久しぶりのやり慣れていない曲はものすごく神経研ぎ澄ませて叩くの。でも「TIME IS DEAD」みたいに考えなくても叩ける曲に限って間違えたり(笑)。「あれ? 何回だっけ?」って。

SUGIZO:真矢、あやうく曲が止まりそうになったよね。

真矢:あれはものすごくビビッた(笑)。

SUGIZO:うまくリカバリーしたけどね。

真矢:ホントにビックリだったよ。

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