フジロックでYouTubeライブ配信が実現した背景

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■ これからはYouTube自体が新しいビジネスプラットフォームになる

── 昨年には音楽配信サービスとして「YouTube Music」もリリースされました。YouTubeが音楽に力を入れている理由はどんなところにあるんでしょうか。

「YouTubeには、英会話のような学習動画やクリエイターが作る動画など、いろんなコンテンツがありますが、その中で音楽はずっと重要で、インパクトも大きいジャンルです。ですから、今までもいろんなことを取り組んできてはいたんですが、音楽権利者の皆さんからのご意見もいただきようやく日本でも昨年の11月に「YouTube Music」という音楽に特化したサービスをローンチできました。そこから、これを盛り上げるために、今までなかなかできなかったプロモーションマーケティングができるようになりました。「YouTube アーティストプロモ」と言い、海外ではカミラ・カベロやデュア・リパと、日本ではSixTONESやSuchmosとご一緒しています。ここ2年は、YouTubeが音楽に取り組んでいることを外から見ても感じていただけるかと思います」

── 「YouTube Music」には有料プラン(Youtube Music Premium)もありますが、どういったサービスになっているんでしょうか。

「YouTubeは既存のYouTubeアプリやウェブブラウザで見られますが、そこから音楽だけを切り出してアプリにしたのがYouTube Musicです。もちろんMVの充実度も大きいですし、プレイリストもある。広告モデルでも使えますが、有料プランに入れば広告が出なくなり、またバックグラウンド再生や、オフライン再生ができるようになります」

── 先ほど海外ではアーティストがYouTubeを戦略的に使っているというお話もお伺いしましたが、日本の音楽業界やアーティストにとって、どんな風にYouTubeを活用するとメリットがありますでしょうか?

「これまではプロモーションとしてYouTubeにミュージックビデオを上げるだけという考え方が主流でした。しかし「YouTube Music」が始まり有料サービスになったことで、サブスクリプションのプラットフォームになった。それによりビジネスとして戦略的にYouTubeをどう使うかということを考えたいし、取り組みたいと思っています。

YouTubeでは、一つの楽曲にいろんな映像の表現ができるんです。リリックビデオもあれば、ミュージックビデオもある。ティーザービデオもあれば、ビハインド・ザ・シーンも見せることができる。セルフカバーもできるし、ライブバージョンもある。一つの楽曲に対して、いろんな表現がある。それがこのサービスに集約できて、ビジネスにつながる。そこからグローバルにつながる。世界に広がることによって、海外でのツアーやプロモーションにつながっていく。先日にはプレミア公開という新機能もリリースしました」

── プレミア公開というのは?

「ミュージックビデオをYouTubeに公開する際、ライブ配信として公開するんです。予め時間を決めて、カウントダウンを経てファン同志がチャットをしながら同時に観る。この機能をリリースして以来、MV公開からの24時間の再生回数に次々と記録が生まれています。先日はアリアナ・グランデが「サンキュー、ネクスト」でその記録を作って、BLACKPINK、BTSがそれを塗り替えるようなニュースも出てきています」

── MV公開が一つのファンイベントになるわけですね。

「そうですね。ここを拠点にいろいろなことができるようになっていて、戦略的に使えれば、すごく可能性がある。今まではCDやダウンロードにつなげるプロモーションのためにMVを投稿するという考え方が主流でしたが、これからはYouTube自体が新しいビジネスプラットフォームになる。特に国内だけでなく海外にそれを拡大していくことができる。YouTubeは100カ国以上、90以上のローカル言語に対応しているプラットフォームですからね。また、まだ日本ではローンチしていませんが、アメリカではチケットやグッズ販売につながる機能もあります。アーティストのみなさんもこのサービスを戦略的に使って発信していっていきただきたいし、私たちもバックアップしていきたい。そういった動きから音楽業界の新しいフェーズを作っていければと思います」

取材・文◎柴 那典

  ◆  ◆  ◆

■<FUJI ROCK FESTIVAL'19>

2019年7月26日(金)27日(土)28日(日) 新潟県 湯沢町 苗場スキー場

【<FUJI ROCK FESTIVAL'19>出演アーティスト ※第4弾時点】
■■7月26日(金)
THE CHEMICAL BROTHERS
THOM YORKE TOMORROW’S MODERN BOXES / ELLEGARDEN
JANELLE MONAE
ANNE-MARIE / BIGYUKI / GARY CLARK JR. / KAYTRANADA
KID FRESINO (BAND SET) / KING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD / LUCKY TAPES
THE LUMINEERS / MITSKI / 中村佳穂 / 七尾旅人 / NICOLA CRUZ
NST & THE SOUL SAUCE MEETS KIM YULHEE
OAU(OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND) / 思い出野郎Aチーム
ORIGINAL LOVE / RED HOT CHILLI PIPERS / SABRINA CLAUDIO SHAME
SOUL FLOWER UNION / スガ シカオ / TORO Y MOI / TYCHO / THE WATERBOYS
YAEJI

■■7月27日(土)
SIA
DEATH CAB FOR CUTIE / MARTIN GARRIX
ASIAN KUNG-FU GENERATION
ALVVAYS / AMERICAN FOOTBALL / ANNA LUNOE / CAKE / CALPURNIA
Char×Chabo / clammbon / COURTNEY BARNETT / DANIEL CAESAR / 怒髪天 / DYGL EGO-WRAPPIN’ / GEORGE PORTER JR & FRIENDS / GEZAN / 銀杏BOYZ
蓮沼執太フィル / JONAS BLUE / キセル / MATADOR! SOUL SOUNDS / okadada
SUNSET ROLLERCOASTER / Tempalay / UNKNOWN MORTAL ORCHESTRA / ZOO
ずっと真夜中でいいのに。

■■7月28日(日)
THE CURE
JAMES BLAKE / JASON MRAZ
Superfly
BANDA BASSOTTI / CHON / THE COMET IS COMING / ドミコ / HANGGAI
平沢進+会人(EJIN) / HYUKOH / INTERACTIVO / KHRUANGBIN / KOHH
never young beach / Night Tempo / PHONY PPL / 渋さ知らズオーケストラ / スカート
STELLA DONNELLY / 竹原ピストル / TAKKYU ISHINO / TENDRE / toe
VAUDOU GAME / VINCE STAPLES

and more artists to be announced

※入場券は販売時期によって料金が変わります。
※中学生以下は保護者同伴に限り入場無料となります。
※チケット料金、販売スケジュールにつきましてはオフィシャルサイトをご覧ください。
※出演者・出演日・出演順に変更が出る場合もあります。
総合問い合わせ/オフィシャルサイト:https://www.fujirockfestival.com



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